③多様な勤務形態・短時間勤務制度の導入年齢を問わず、体力の低下や健康状態から夜間勤務の回数を減らしたり、夜間勤務のない働き方、あるいは早い時間帯の勤務に固定したりすることが可能となっており、ライフスタイルに合わせた働き方が選択できるようになっている。65歳定年後の継続雇用でも、定年前と同じフルタイム勤務はもちろん、各々の希望や体力などに合わせて短日・短時間勤務(パートタイム)を選択できるようになっている。(2)意欲・能力の維持・向上のための取組み①教育研修制度の充実年齢に関係なく全職員が共通の研修に参加できる体制を整備。有資格者や経験豊富な高齢職員は、若手職員の研修講師としても活躍しており、知識や接遇の伝承役をになっている。②資格取得支援とリスキリング未経験で採用した高齢職員も含む介護福祉士資格取得支援制度として、就学資金の貸与制度を実施している。また、パソコン操作やZoom研修、介護支援機器の使用方法などを学ぶためのリスキリング支援にも注力しており、特にデジタル機器に不慣れな高齢職員に好評である。これらの取組みにより、高齢職員の意欲や業務改善への意識が高まり、職場全体の生産性とサービス向上につながっている。③キャリア教育の実施高齢職員も含めたキャリア教育を実施し、キャリアデザインシートを活用して目標設定と面談を通じた成長支援を行っている。資格取得支援やリスキリング支援とも密接にリンクしており、一人ひとりが目標を描き、その実現に必要なスキルや資格取得について上司からアドバイスを受け、ステップアップやキャリアアップに確実に結びつけている。④技術・技能継承体制の確立従来の指導方法である、“口頭での伝達”や“見て覚える”は、職員間で習熟度や習熟期間にばらつきが生じてしまうことから、2019年より、ベテラン高齢職員がOJTリーダーとなり、基本的な技術の習得について、マニュアルと標準的な習熟期間に基づくチェックリストを作成し、習熟度合いを確認しながら指導を行っている。ベテラン高齢職員がOJTリーダーとして若手職員とペアを組み就労することで、確実な技術の継承と福祉職業人としての基本姿勢や心構えも学ぶことができ、若手職員のレベルに合わせたきめ細かく質の高いOJTが可能となっている。(3)雇用継続のための作業環境や作業の改善、健康管理、安全衛生、福利厚生の取組み①介護サポート機器の導入ベッドに見守りセンサーを導入したことにより、利用者の状態がモニター観察で把握できるようになり、利用者の健康状態が即座にわかり迅速に対応できるようになった。②個別浴槽とリフトチェアの導入介護老人保健施設シェ・モワでは、個別浴槽の整備に合わせ、座って浴槽に入れるリフトチェアを導入した。その結果、入浴介助において利用者を支えたり、抱えたりといった動作がなくなり、高齢職員の腰痛防止に役立っている。③ノーリフトケアの推進ベッドから車いすへの相互移乗時に持ち上げない介護を徹底している。マニュアルの作成や周知のほか、実践方式での教育訓練を実施し、高齢職員は特に、体力低下に合わせた介護技術を習得できるよう訓練を行っている。④健康管理の充実定期健康診断で所見がある職員には産業医や看護職員による保健指導を実施し、再検査や治療の受診をフォローしている。結果報告も徹底され、健康管理への意識向上につながっている。⑤安全衛生管理の強化ヒヤリハット報告をパソコン上で随時記入し共有できる体制を整備し、危険予知訓練や5S運動と連動して労働災害の防止に努めている。報告内容は全職員で共有、対策を実施し、年間の傾向を研修で学ぶことで労働災害の減少を実現した。また、安全標語の募集と表彰を行って、職員の安全意識を高めている。⑥福利厚生の拡充コロナ禍では職員が安心して働けるように、職員や同居家族が罹患した場合、特別有給休暇社会福祉法人 光風会2025.1114
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