Ⅰ本事例のポイント日本初のナッツ専業加工事業者として1959(昭和34)年に創業した、東洋ナッツ食品株式会社。「従業員の幸せ実現」を根幹とした企業方針のもと、2019(平成31)年に定年を60歳から65歳に引き上げ、継続雇用制度も70歳まで延長した。現在は運用により年齢上限なく雇用を継続しており、最高年齢者は84歳で後進育成のための製造技術顧問を担当している。定年延長で懸念される組織の活力低下に対して、年功序列から能力本位の人事制度へ転換し、評価の透明性を高めることで全世代のモチベーション向上を実現。「幸せデザインサーベイ」により従業員の声を把握し、制度変更の効果を検証しながら継続的改善に取り組んでいる。POINT165歳への定年引上げと70歳までの継続雇用制度を導入。70歳以降も運用で雇用継続できる仕組みを整えている。2年功序列から能力本位への人事制度転換により全世代のモチベーション向上を図り、組織全体の活性化を実現。人事考課表の完全開示とフィードバック制度で評価の透明性と納得性を確保したところ、高齢従業員のモチベーションが大きく上昇した。3高齢従業員の経験を活かす新職場(監査役室・社長室など)を創設し専門的業務に配置。ガバナンス向上と高処遇維持を両立させた。4「幸せデザインサーベイ」とワークショップにより従業員の声を制度に反映し、職場のコミュニケーションを向上させた。東洋ナッツ食品 株式会社(兵庫県神戸市)従業員の幸せ実現を根幹とした定年延長と能力本位人事制度へ転換東洋ナッツ食品 株式会社(兵庫県神戸市) 創業 1959(昭和34)年 業種 製造業(食品加工) 従業員数 227人(2025〈令和7〉年4月1日現在) 60歳以上 47人 ( 内 訳 ) 60~64歳 25人 (11.0%) 65~69歳 13人 (5.7%) 70歳以上 9人 (4.0%) 定年・継続雇用制度定年65歳。一定条件のもと70歳まで継続雇用。70歳以降は運用により年齢上限なく勤務延長可能。最高年齢者は84歳高年齢者活躍企業コンテスト令和7年度独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長表彰優秀賞企業プロフィール2025.1120
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