特集助を支給し、オプション以外の基本メニューを自己負担なしで受診可能としている。受診結果により産業医によるていねいなアフターケアを実施している。年齢を重ねるにつれて生活習慣病などの危険性が高まる高齢従業員にとって、有益な制度となっている。(4)その他の取組み年2回、社会保険労務士による年金相談をメインとした個別ライフプラン相談会を会社負担で開催している。事前予約制で年金受給予定額を社会保険労務士が調査のうえ、ライフプランの相談を受けている。老後の生活設計などに不安を抱える高齢従業員にとって、一人ひとりの面談で行われる専門家による個別相談は貴重な機会となっている。また、定年引上げなどの人事制度変更・改善にあたり、「幸せデザインサーベイ」を実施し、制度変更の影響をモニタリングしている。その結果をもとに、実態把握・課題抽出を行い、それをふまえたワークショップを開催。従業員の率直な意見交換を促進している。ワークショップで出た「社員の声」を受けて具体的な改善に取り組んでおり、「ほかの人がどんな仕事をしているのかわからない」という声に対して、社内報『Konominoko』を2024年6月に創刊するなど、職場コミュニケーションの向上に継続的に取り組んでいる。また、創業メンバーである84歳の従業員による社内史(回想録)を作成し、全従業員に配付。創業からの歴史を従業員に知ってもらうことが、高齢従業員を含む先人へのリスペクトの醸成につながっている。愛社精神の高揚に寄与するとともに、若手従業員の人材育成にも役立っている。(5)高齢従業員の声 Aさん(69歳)は監査業務に従事し、「監査を通して、これまでの経験が活きることもあれば、新しい学びを得る機会も多いです。自分が社内でつちかったノウハウや知見を活かして、少しでも会社の成長や発展に寄与していきたいです。ただ、うまく伝わらないことも少なくなく、そうした困難さが逆にやりがいにつながっています。健康で毎日仕事に従事できることも、やりがいであり、生きがいと感じて感謝しています」と語っている。(6)今後の課題現在、60歳超の高齢従業員については、人事担当役員による面接の実施を検討している。本人の要望や今後のライフプランを聴取し、会社からの役割期待を明確化することで、より活躍できる環境を整えていく方針である。また、新たなシニア向け研修の実施も検討している。高齢者世代の働き方やライフプランを学ぶ機会として、シニア層特有の課題に対応した研修プログラムの構築を目ざしている。2024年3月には「ユースエール認定企業」として認定を受けた実績をふまえ、処遇の継続的改善も進めている。2025年で最終年度となる中期計画では「従業員の幸せを実現する」ことを事業戦略として位置づけている。「従業員ひとりひとりの成長を支援する」、「処遇の継続的改善をする」、「そのために必要な収益を極大化する」を三位一体の取組みとして拡大し、高齢従業員をはじめ全従業員が幸せを実感できる会社の構築に引き続き尽力していく。エルダー23令和7年度 高年齢者活躍企業コンテスト機械化の取組みの一つ、パッキングロボット監査業務に従事する高齢従業員Aさん(69歳)
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