エルダー2025年11月号
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特集につながっている。また、福利厚生の一環として、希望者による積立て旅行制度を実施。正職員からパートタイム職員まで希望者は毎月積立てを行い、日帰り旅行を実施しており、職員間の親睦を深める貴重な機会となっている。(4)その他の取組み①ドライバーの年齢制限撤廃ドライバーについては、以前は75歳までの年齢制限を設けていたが、2023年からは75歳以上のドライバーを対象に、法人負担で自動車学校の高齢者講習(半年に1回)と健康診断の受診を義務づけており、合格すれば引き続きドライバーとして従事できる仕組みとした。不合格の場合でも送迎介助など別の仕事内容を案内し、業務転換を行いながら働き続けられるようにしている。現在、75歳以上のドライバーは4人おり、1人が業務転換して勤務している。また、業務上で車を使用する職員向けに、保険会社に委託して安全運転講習を実施している。②職場のIT化への配慮2020年に新たな勤怠管理システムを導入した際には、高齢職員への操作方法のフォローを事務職員が行い、画面操作がむずかしい職員には以前の紙ベースでの方法も可能とするなどの配慮を行っている。③中高年齢者の積極的採用と地域貢献障がいのある子どもを育てた経験を活かして仕事に従事してもらうため、利用者の保護者を採用するなど、中高年齢者の採用に注力している。(5)高齢職員の声 児童発達支援管理責任者兼ヘルパー事業所業務管理者の溶うね田だ洋よう子こさん(68歳)は、「43歳で先代理事長が運営していた保育園に就職し、その後、理事長からの誘いで障がい福祉の分野へ移りました。以来、小さな作業所から始まり、グループホームの立ち上げ、児童発達支援、そして現在はヘルパー事業所の業務管理者として勤務しています。今後の目標は、後継者を育てて事業を託すことと、大好きなこの仕事をできるかぎり長く続けることです」と話す。相談支援専門員の小お椋ぐら幸ゆき子こさん(75歳)は、「神戸市の社会福祉法人で60歳定年後も嘱託として5年間働き、68歳のときにこぐまくらぶに転職しました。自身のアイデアや『夢』が実現できる身軽さや、ニーズを感じて迅速に動く法人の姿勢に感動しています。やりがいは、障がいのある人に寄り添い、必要な情報を提供しつつ、地域で安心して暮らせるようお手伝いをすることです」と話す。(6)今後の課題同法人では、50代後半の経験豊富な職員が、近い将来60歳を迎えることから、今後は健康管理だけでなく、勤務時間外の生活面にも着目した支援が重要と考えている。そして、60歳以上の職員の健康管理を基礎としながら、各種活動を通じて趣味や運動機会を提供し、職員が仕事と私生活の両面で充実感を得られる環境の構築を目ざす方針。これにより、長期にわたって意欲的に働き続けられる職場づくりを推進していく。エルダー27令和7年度 高年齢者活躍企業コンテスト相談支援専門員の小椋幸子さん(75歳・左)と児童発達支援管理責任者を務める溶田洋子さん(68歳・右)日帰り職員旅行の様子

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