特集れにより、作業の効率化だけでなく、動線の可視化によって、フロアに余裕ができた。また、高齢社員が若手の変化に気づいて声をかけることが可能になり、コミュニケーションを深めている。②健康管理定期健康診断において、35歳以上74歳までの社員については、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病予防のための検診の費用を会社が負担する保険に加入している。所見のある数値がみられた社員については、再検査、精密検査、治療等受診をフォローアップし、残業時間や出張の制限、身体の負荷の少ない業務等への変更を行う。持病のある社員にとって継続的な経済的負担軽減になるとともに、会社としても、健康な状態を長く維持してもらえることは戦力の維持にもなるため、双方の利益となっている。③病気の補償制度2023年に病気についての補償保険に加入した。具体的には、公的医療保険の対象外となる自己負担費用を100%補償、例えば入院して個室を利用する場合の差額ベッド料金の補償、健康保険医療費を超える先進医療費の補償が実現した。医療相談窓口の設置等のサービスも含まれており社員からは「安心感が得られる」と評価されている。(4)その他の取組み地域の定年後の高齢者を積極的に活用するために、現在、62歳から83歳まで8人の社外の高齢者に業務を委託している。すべてオンラインによる設計図面作成が可能になったことで社外への業務委託が容易になり、地域の高齢者の人材活用が実現した。(5)高齢社員の声 石いし田だ哲てつ也やさん(71歳)は最高齢の社員で、1日8時間、週4日間の勤務を元気にこなしている。「肉体的な負担も少なく、パソコンがあれば設計の仕事はできるので、仕事が続けられます。70歳到達時に、継続雇用にするか、業務委託契約を結ぶかを選択することになりました。自分の性格上、あまり自由すぎても、だらしなくなってしまうかもしれないので、規則正しい生活を続けることができる継続雇用を選択しました。やりがいを持って楽しく働いています」と現在の仕事に満足している表情を見せた。(6)今後の課題インドネシアからの外国籍の社員は、知識もスキルも高く即戦力となっている。なかには、役職に就いた者もいる。海外の船舶に関するコンセプト設計の事業展開を視野に入れているので、外国籍の社員が母国に戻ったあとの事業継続を応援していきたいという。また、地域の雇用に貢献するために、業務委託の制度化や、70歳以上の社員を対象とした本人の希望によるテレワークを推進していく。高齢社員が働きやすい職場づくりを進めながら、さらなる高みを目ざす同社の挑戦が続く。エルダー31令和7年度 高年齢者活躍企業コンテスト石田さんは、複数のモニターを駆使して設計を行っている週4日勤務で業務を行う石田哲也さん(71歳)
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