エルダー2025年11月号
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特集ら、施設の職員休憩室に感染症や熱中症予防のポスターを掲示し、注意喚起している。ポスターが日常的に目にふれることで、無意識のうちに健康リスクへの関心を高める効果につながっている。(4)その他の取組み大分県が実施する精神障害者社会適応訓練事業の一環として、障害者雇用を積極的に推進しており、豊富な人生経験と柔軟な対応力を持つ高齢職員を中心として「職親」としての役割をになっている。高齢職員は障害のある職員と職員の橋渡し役として、障害者が安心して働くことができる環境づくりに貢献している。このほか、地域貢献の一環として同法人単独で「盆踊り大会」を主催、高齢職員が率先して参加して、準備・運営の役割をになった。参加した高齢職員の一人は、「地域のみなさんと一緒に何かをつくりあげることができるのは本当にうれしく、私たちの生きがいにもなっている」と話している。(5)高齢職員の声 田た辺なべ由ゆ加か里りさん(61歳)は20年以上勤務しており、最近60歳の定年を迎えて継続雇用に切り替わったが、後任を育成するために引き続き施設長としてフルタイム勤務をこなしている。「後任の育成が一段落ついたら、特定技能外国人の支援・サポート業務を担当したいと思っています」と話す。後ご藤とう平へい八はちさん(82歳)は環境整備(草刈り)を担当しており、現在勤続5年目。施設の環境整備全般を任され、やりがいを持って作業を行っている。「健康でいるかぎり、働き続けたいと思います」と、笑顔で抱負を語ってくれた。(6)今後の課題いま、時代は労働環境の整備、作業の自動化に向けて介護テクノロジー導入を進め、高齢職員の業務の負担を軽減することが求められている。そこで職務の効率化を図り、高齢職員がより長く、無理なく働き続けられる環境の整備を図っていきたいと考えている。また、地域との連携を強化し、地域社会に根ざした「高齢職員活躍のモデルケース」としての役割を自覚し、地域全体に貢献する存在となることを目ざしていくという。④転倒災害の防止対策の推進転倒災害は大きなけがにつながることから、転倒防止対策として職員同士、あるいは利用者との衝突を避けるために直角となっている廊下の3カ所にカーブミラーを設置した。また、利用者や職員の転倒による骨折の予防、職員の足腰の疲れの軽減のため、床に衝撃吸収フロアーを施した。さらに、階段の段差が判別できるよう各段の端に橙だいだいいろ色の二重線を引き、注意を喚起している。エルダー43令和7年度 高年齢者活躍企業コンテスト感染症予防のためのポスターを掲示施設長を務める田辺由加里さん(61歳)施設の環境整備を担当する後藤平八さん(82歳)

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