エルダー2025年12月号
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2025.1214図表5 高齢者と若者との協働による創造性の考察出典: 田渕 恵・三浦麻子(2019)「創造的課題における高齢者と若年者の世代間相互作用の特徴」『老年社会科学』41(3):322–330研究概要:被験者を「若者同士」、「高齢者同士」、「若者×高齢者」のペアに分け、創作課題に取り組むことで創造的アイデアの創出を比較する研究結果:▪異世代ペアの方が創造的な成果を出す傾向があった▪ 高齢者は経験的・現実的な視点を、 若者は新奇な発想を提供した▪ 相互の尊重や傾聴が 創造性を高める鍵になった▪ 世代差は対立ではなく 刺激として機能したることで、安心して働ける職場環境が整います。6高齢社員と高齢社員と組織コミュニケーションのあり方組織コミュニケーションのあり方高齢社員と若手社員など、異世代がともに働くことは高齢社員のワーク・エンゲージメントを高めるだけでなく、ほかの社員のワーク・エンゲージメントも高めることができます。① 異世代チームの協働メリット異世代チームで働くことは同世代チームより創造的アイデアが生まれやすいという報告があります(図表5)。この研究では高齢者と若者が三つのチーム(高齢者同士のチーム、若者同士のチーム、高齢者と若者のチーム)に分かれて創作課題に取り組みました。結果は高齢者と若者チームの異世代チームがもっとも創造的に課題を解決しました。若者の新奇なアイデアを高齢者が引き出し、ブラッシュアップしたことが寄与したというのです。高齢者と若者が互いの特性を活かすことで1プラス1が2以上になる可能性が示唆されました。このことから各世代が持っている強みを互いに活かすことによりワーク・エンゲージメントが高まることがわかります。② リバース・メンタリングの効果若手が上司やベテランに新しい知識や価値観を教える「リバース・メンタリング」の取組みも注目されています。若手がDXや新しいツールなどの使い方や知識をベテランに教えるのです。一方、ベテランは洞察力や人間関係づくりなどを伝えることで双方向学習が可能になります。こうした上下関係を超えた関係は、世代間の壁を取り除き、信頼関係を構築することから、組織としての取組みが望まれます。③ コミュニケーションの場をつくる高齢社員とのコミュニケーションは、会社としてなんらかのしかけづくりをすることでスムーズに行われる場合もあります。例えば、高齢社員が持っている知識・スキルを発表する勉強会やセミナーなどの場をつくることで、質問や提案を通じて話すきっかけが生まれます。また最近ではコミュニケーションアプリなどを活用し、事前にいろいろな世代を無作為に組み合わせて仕事以外の話題を話し合うようにしかける会社も増えてきました。ささいな会話からコミュニケーションが深まることもあるので、そのきっかけづくりが重要です。こうしたコミュニケーションの工夫も高齢社員のワーク・エンゲージメントを高めることになります。7経営者・管理職に求められる姿勢経営者・管理職に求められる姿勢AIの発展が加速するいま、企業の成長を左右するのは 単に効率的なデータ処理や自動化ではなく、むしろ人がつくり出す創造的視点が必要になってくるといわれています。そのようななか、高齢社員をいままでのように「支援の対象」として見るのではなく、「ともに組織をつくる仲間」としてとらえる視点が求められます。高齢者がいままでつちかってきた経験、知識、スキルを最大限活かせる職場環境をつくり、また全世代のコミュニケーションを活性化させる取組みが、企業競争力を高める要になるのです。

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