ジョブ・クラフティング研修のジョブ・クラフティング研修の事例紹介事例紹介4筆者自身も、ある企業と共同でジョブ・クラフティング研修を企画、実施してきました。その研修の特徴は「上司を巻き込む仕組み」と「継続的なフォローアップ」を取り入れた点です。従来の研修は1日かぎりの集合型で終わることそのうえで、各自がジョブ・クラフティング計画を作成します。シニア社員の場合、例えば「若手への指導を自分の役割として明確化する」、「体力的に厳しい作業は補助に回り、代わりに作業チェックをになう」、「患者への声かけにひとこと工夫を加える」といった小さな目標が設定されるとよいでしょう。計画はSMART(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限を意識する)※2の原則で具体化し、翌日からすぐに実行できるようにします。ジョブ・クラフティング研修では、「まずは自分の手持ち業務から工夫していこう」というように、「背伸びしすぎない目標設定」が重要です。また、シニア社員にとっては、研修を通じて同じ立場の仲間と体験を共有できることが大きな励みとなります。「ほかの人も工夫している」と知るだけで、モチベーションが維持されやすくなります。そして、シニアのジョブ・クラフティング研修に必要なことは、「これまでつちかった経験を棚卸しして活かすこと」と「新しい自分なりの工夫を見つけること」の両方を後押しする仕組みです。研修の場はあくまできっかけにすぎませんが、その後の実践と上司や職場の支援があれば、シニア社員は自分の役割を再定義し、活き活きと働き続けることができます。※2 具体的=Specific、測定可能=Measurable、達成可能=Achievable、関連性=Relevant、期限=Time-boundが多く、効果が数週間で薄れてしまう課題がありました。そこで、私たちは1回目の集合研修で各人にジョブ・クラフティング計画カード(図表)を作成してもらい、それを上司に説明する面談を必須としました。上司が計画の意図を理解し、承認やフィードバックを与えることで、現場での実践が進めやすくなります。研修効果を持続させるためには、上司を巻き込んだ研修デザインが必要となると考えたのです。その結果、シニア社員のジョブ・クラフティングの実践が職場に根づきやすくなります。あるシニア社員は「上司に『やってみればいいじゃないか』といわれただけで、自分の工夫に意味があると確信できた」と話しています★2。さらに、1カ月後には半日のオンライン研修を実施し、そこでの実践をふり返りました。同時にオンラインサロンを立ち上げ、研修受講者と講師、キャリアコンサルタントが交流できる場を設けました。仲間同士の支え合いが「ほかの人もがんばっている」と実感できる後押しとなり、行動が継続されました。研修受講者のジョブ・クラフティングの実践内容を見ると、シニア社員特有の「世代継承型ジョブ・クラフティング」が目立ちました。例えば、あるシニア社員は自らの担当業務を自主点検マニュアルにまとめ、暗黙知を形式知化しました。別のシニア社員は、顧客対応の場面で2025.1240図表 ジョブ・クラフティング計画カード出典:岸田泰則・大野瑠衣(2025)「ジョブ・クラフティング研修の実践的課題の検討」日本労務学会第55回全国大会ジョブ・クラフティング計画カード・何をしますか?・いつ?・どこで?(上司からのコメント)
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