エルダー2025年12月号
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エルダー7特集高齢社員のワーク・エンゲージメントの高め方図表1 65歳以上の就業者数の推移(左軸)と就業者総数に占める65歳以上の就業比率の推移(右軸)出典:総務省統計局(2025)「統計トピックスNo.146統計からみた我が国の高齢者―『敬老の日』にちなんで―」より筆者作成https://www.stat.go.jp/data/topics/pdf/topics146.pdf68273277080686089090390991291493010.711.411.912.312.913.213.513.513.613.513.7-1.01.03.05.07.09.011.013.015.002004006008001000120020142015201620172018201920202021202220232024(万人)(年)(%)総 論いま高齢社員の活躍が重要な理由1わが国では、65歳以上の就業者が930万人 (2024〈令和6〉年)に達し、就業者全体に占める65歳以上の就業者の割合も13・7%まで高まり、過去最高となっています(図表1)。つまり、働く人の約7人に1人は65歳以上という状況です。高齢層の就業率も上昇が続き、65~69歳は53・6%、70~74歳は35・1%、75歳以上は12・0%(2024年)と、いずれの年齢階層でも過去最高です★1。人手不足が慢性化するなかで、高齢社員は労働供給の「埋蔵資源」ではなく、すでに各現場の生産性と品質を支える「戦略的人材」の役割をになっています。価値創出とは、単なる「生産性の底上げ」ではありません。現場の言葉に置き換えれば、①信頼性、②顧客価値、③知の継承と改良、④組織のしなやかさの四つです。「信頼性」は、工程やサービス提供の流れが日々ぶれずに機能することをさします。例えば、欠陥率やヒヤリハットの記録、手戻り件数などは、現場で日常的に見ている数字です。「顧客価値」は、顧客の手元に届く対応の質と一貫性です。問合せ対応時間、約束の遵守率、再購入の割合などが代表例です。「知の継承と改良」は、ベテランが知っている要点を言語化し、次の担当者に渡し、少しずつ改善が積み重なることを意味します。標準手順の更新回数や、作業手順の変更が不具合減少につながった割合などで可視化できます。「組織のしなやかさ」は、想定外の事態が起きたときの判断と回復の速さです。代替手順の整備や、回復までに要した時間の短縮などが参早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授 竹たけ内うち規のり彦ひこ高齢社員とワーク・エンゲージメント高齢社員とワーク・エンゲージメントーー人手不足時代の「戦略的人材」から「価値創出の主役」へ人手不足時代の「戦略的人材」から「価値創出の主役」へーー

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