エルダー2026年1月号
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エルダー9特集年金入門※4 第16回社会保障審議会年金部会(2024年7月3日)資料1、p.4※5 第16回社会保障審議会年金部会(2024年7月3日)資料4-2、p.13※6 農林水産省ホームページ「農業労働力に関する統計」 https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/08.html報酬比例部分が増えるからです。2024年財政検証における2060年度のモデル年金(2024年価格)は、成長型経済移行・継続ケースで33・8万円、過去30年投影ケースで21・4万円となっています。後者は、2024年度の22・6万円より少し減ります※4。これに対し、いまの若い女性は、厚生年金加入期間が彼らの母親たちよりはるかに長い人生を送るので、将来の報酬比例部分が増えます。1959年度生まれの女性の平均が9・3万円のところ、2004年生まれの女性の平均は、成長型経済移行・継続ケースで19・8万円、過去30年投影ケースでも11・6万円に増えます※5。若者への説明では、「夫が40年間厚生年金に加入して平均的な収入を得て、妻は40年間専業主婦」という前提のモデル年金は、いったん、脇に置いてもよいでしょう。彼らが結婚する場合のライフプランニングに関し、「①夫婦共働き、②45~50年の勤労、③70歳または75歳までの受給繰下げ」という選択肢(受給額はモデル年金をはるかに超える)にも目を向けさせることが賢明ではないでしょうか。労働力稀少社会の到来と労働力稀少社会の到来と経済の潮目の変化経済の潮目の変化42010年ごろ、人数が多いベビーブーマーは60代前半、ベビーブーマージュニアは30代から40歳前後の働き盛りでした。つまり、当時のわが国の労働市場には、ともに人数の多いベビーブーマーとベビーブーマージュニアがいて、労働力を供給しました。さらに、女性が家庭から出て就業することが増え始めていたので、労働力の需要側の企業にとっては、選りどり見どりの天国ともいえるものでした。ところが、いまや、状況は一変し、ベビーブーマーの引退などからどこもかしこも人手不足です。本格的な労働力稀少社会が到来しつつあります。労働市場において、最低賃金が上昇し始めました。ここ数年、年に5~6%ずつ上昇しています。企業の間では、初任給を30万円以上にするなどの積極的な人材確保策の事例が増えてきました。5年前の2020年(コロナ禍が始まった年)は、まだ、デフレ脱却が叫ばれていましたが、いまや政治の焦点の一つは物価高対策です。経済の潮目が変わったのかもしれません。経済の潮目の変化と年金制度経済の潮目の変化と年金制度5こういう経済の潮目の変化と年金制度はどう関係するでしょうか。短時間労働者などへの被用者保険(厚生年金保険など)の適用拡大を巡る環境に変化が生じるかもしれません。今回の年金制度改正では、適用拡大に向け、企業規模要件が撤廃されたり、個人事業所の非適用業種において適用拡大の道が部分的に開かれたりしました。しかし、企業規模要件の撤廃は2035年にかけて段階的に行うとされ、また、非適用業種の撤廃は「既存事業所は、経過措置として当分の間適用しない」という制約がついています。しかし、労働力稀少社会とは、雇う側が雇われる側に選んでもらうべく努力する社会です。労働市場の需給関係の逆転という地殻変動が、適用拡大を巡る世論や政治の領域の風向きに変化をもたらすのか否か、注目したいところです。より長生きする社会にふさわしいより長生きする社会にふさわしい「「4545年加入」と厚生年金の所得再分配効果年加入」と厚生年金の所得再分配効果6現行制度では、農家や自営業主などは1号被保険者であって、月1万7510円(2025年度)の定額の保険料を40年間払うと、基礎年金を満額(年に約83万円)受給できます。会社員やその被扶養配偶者(2、3号被保険者)が受け取る基礎年金も同額です。40年加入で満額ということは、多くの人が20~59歳の保険料納付で終わりということです。しかし、いまや、わが国の基幹的農業従事者の平均年齢は69・2歳、65歳以上の比率は79・9%です※6。

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