エルダー2026年1月号
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定年後再雇用者の各種賃金に関する裁判例2福岡地裁令和6年11月8日判決(JR九州事件)においては、定年後再雇用者に対する賃金等の減額が同一労働同一賃金に違反するものとして争われました。争われた賃金の項目等を一覧にまとめると図表の通りとなります。いずれについても、賃金等の相違が不合理ではないと判断されていますが、判決の理由などから、使用者の取組みなどを参考にしておく点があります。⑴労働組合との協議、合意(労使自治の尊重)この事件の使用者は、企業内の労働組合と外部ユニオン二つとの間で、定年後再雇用労働者の処遇について協議を重ねていました。なお、企業内の労働組合には従業員の9割超が在籍しています。定年後再雇用労働者の処遇に関しては、企業内の労働組合と外部ユニオンのうち一つとの間で合意に至っており、当該合意に則した内容で賃金等の相違が設けられていました。また、期末手当Aの支給額についても各労働組合と協議を経たうえで合意に基づき決定がされています。これらの交渉経過および結果を個々の組合員にも伝えていたことは、相違の合理性を肯定する要素として考慮されました。⑵業務の内容等に関する相違点業務の内容については、定年前後で大きく相違するものではなく、転勤、転職および出向を命じることができる規定は共通していたことなど、業務内容等に相違が小さいことも指摘されています。しかしながら、高齢者用の業務負担の軽減措置をとっていたことや、転勤等については規定を用いることなく本人の同意なく転勤等を命じることがなかったという実態をふまえて、職務内容には若干の相違が生じていたことおよび配置の変更の範囲については明らかな相違が存在したと判断されています。配置の変更の範囲については、住宅援助金のように拠点の変更をともなうことに備えた手当の合理性との関係では特に意味が大きいものとなります。⑶定年後再雇用に共通する事情定年後再雇用労働者は、最高約1920万円、最低1642万円の退職手当を受給して一定の資産形成を遂げていることが考慮されており、退職金の支給額が影響することを示しています。そのほかにも高年齢者雇用継続基本給付金や一定の条件を満たせば老齢厚生年金の受給ができることも考慮されており、これらは高齢者雇用に共通することが多い事情といえるでしょう。ればなりません。ただし、①および②が同一である場合には、差別的な取扱いが禁止されているため、同一の取扱いが必要になりますので、合理的な範囲で異なる取扱いを行う場合においても、少なくとも①と②のいずれかについては相違点を設けておくことが前提になります。エルダー47知っておきたい労働法A&Q図表 争われた賃金の項目等※ 筆者作成賃金の項目性質減額幅結論基本給(期末手当B)正社員には長期就労の誘因目的がある約65%〜74%程度不合理ではない期末手当A業務への貢献程度の反映・労働意欲向上基準額が75%〜50%とされる不合理ではない扶養手当福利厚生(家族の扶養)再雇用者には支給なし不合理ではない住宅援助金福利厚生(住宅費の援助)再雇用者には支給なし不合理ではない

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