世界でもっとも高齢化が進行している国が日本であることは、読者のみなさんもご存 世界でもっとも高齢化が進行している国が日本であることは、読者のみなさんもご存じだと思いますが、高齢化は世界各国でも進行しており、その国の法制度に基づき、高じだと思いますが、高齢化は世界各国でも進行しており、その国の法制度に基づき、高齢者雇用や年金制度が整備されています。本連載では、全6回に分けて、各国における齢者雇用や年金制度が整備されています。本連載では、全6回に分けて、各国における高齢者雇用事情を紹介します。第2回は「ドイツ連邦共和国」、「フランス共和国」です。高齢者雇用事情を紹介します。第2回は「ドイツ連邦共和国」、「フランス共和国」です。独立行政法人労働政策研究・研修機構 人材開発部門 副統括研究員藤ふじ本もと 真まことドイツ連邦共和国、フランス共和国諸外国の第2回2026.150年金受給開始年齢とリンクする「定年」年金受給開始年齢とリンクする「定年」――ドイツ――ドイツドイツ連邦共和国(以下、「ドイツ」)には、日本のように法律で定められた「法定定年年齢」は存在しません。しかし、多くの雇用契約や労働協約において、「標準年金受給開始年齢(Reg‑elaltersgrenze)」への到達をもって雇用関係が自動的に終了する旨が規定されており、実質的な「定年」として機能しています。ドイツのように年金の受給開始年齢と定年とを紐づける体制は、ヨーロッパのほかの国々でも見られます。ドイツの標準年金受給開始年齢は、2007(平成19)年に制定された「年金保険の財政基盤強化のための適応法」により、65歳から67歳へ引き上げられることとなりました。この受給開始年齢の引上げは2012年に開始され、2031年の完了を目ざして現在も進行中です。引上げは急激なものではなく、受給対象者の生年に基づいて厳密に計算されたスケジュール(図表)に沿って行われています。この政策の背景には、長寿化による年金受給期間の延伸から発生する恐れのある財政負担を、就労期間の延長によって相そう殺さいしようとするねらいがあります。標準年金受給開始年齢よりも早く受給を開始する場合は、月あたり0・3%の恒久的な年金減額が適用されます。年金に関連する政策としては、2017年に高齢者の就労継続を促進するために「フレキシ年金法」が施行されました。この法律は年金受給開始後の高齢者の就業継続促進を目的としています。従来は年金以外の追加収入が一定以上ある場合に年金受給額の減額が行われていたのですが、この法律により減額が実施される収入の上限額が引き上げられ、2023(令和5)年には上限が撤廃されました。一方で、2014年には当時の連立政権(キリスト教民主・社会同盟と社会民主党)によって、長期間労働市場に貢献した人々への「配慮」として、通称「63歳からの年金(Rente mit 63)」が導入されました。この年金制度を利用するためには45年間の公的年金保険料納付期間を満たす必要があり、要件を満たせば標準年金受給開始年齢に到達する前に、減額なしで年金を受給することができます。実際に63歳で受給できるのは1952(昭和27)年以前に生まれた人にかぎられており、標準年金受給開始年齢の引上げに連動して、この早期受給年齢も段階的に65歳へと引き上げられています。ドイツにおける60~64歳の就業率は2013年の50%から2023年には65%にまで伸び(Destatis 2024)、年金受給開始年齢の引上げが
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