エルダー2026年1月号
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■■■■■■■■人事用語辞典いまさら聞けないエルダー53め、労働基準監督官には強い権限が付与されています。これには、会社への立ち入りを行い、帳簿書類の確認や従業員への事情聴取、重大で悪質な事案については司法警察職員※3として捜査を行うといった権限も含まれます。次に臨検監督ですが、図表に記載のチャートが一般的な流れとなっています。労働基準監督署が毎月事業場を選定する「定期監督」と労働者からの申告に基づく「申告監督」のいずれかが起点となります。いずれの場合でも次のステップとしては労働基準監督官が事業場へ訪問し、立入調査を行います。この調査は証拠隠滅等を阻止し、事業場のありのままの現状を的確に把握するため予告なしに行うことが多くあります。その調査のなかで法令違反が認められない場合は臨検監督は終了しますが、違反が認められる場合はその状態を是正し報告することを求める是正勧告書や事業場の労働条件が定める基準や条件を満たしていない場合に改善を求める指導票、労働災害につながるおそれのある設備や機械の使用停止を求める使用停止命令書などの交付といった文書指導が行われます。これらの指導に対して、事業場が是正・改善を報告しそれらが確認された場合は臨検監督は終了しますが、確認されない場合は再度の立ち入り検査(再監督)が行われます。そのうえで、重大・悪質な事案と認定される場合は送検され、場合によっては裁判にかけられ罰金刑や拘禁刑となります。また、立入調査を拒んだり、妨げたりした場合も30万円以下の罰金が科されることがあるため注意が必要です。違反件数、再検査や送検は減少していない最後に数値に基づき、監督の状況や傾向について確認してみましょう。厚生労働省労働基準局が公表している「労働基準監督年報」※4を参照すると監督実施状況について、2023(令和5)年は監督対象全体で17万1679件、内訳では定期監督等81・1%、申告監督11・3%、再監督が7・6%となっています。この構成比は直近5年(2019年から2023年)でも傾向が変わりません。また、定期監督等実施状況13万9215件のうち違反事業場は9万6831件で69・6%と比率としては高い状態です。これも直近5年を確認すると違反事業場比率は7割前後で推移しています。送検結果の状況については、2023年の送検799件に対して起訴率が34・1%で直近5年では3~4割で推移しています。うち裁判の結果は罰金がほとんどですが、2019年、2020年ともに懲役刑が1件ずつ発生しています。このようにみていくと、毎年15万件を超える事業場に対して臨検監督が実施されているにもかかわらず、違反件数や再監督、さらには送検件数などは、全体として減少傾向にあるとはいいがたいのが実情です。企業や事業場にいっそうの法令遵守意識の向上とルールの徹底が望まれているといえます。* * *次回は、「インターンシップ」について取り上げます。※3 司法警察職員……犯罪行為に対して捜査・逮捕・送検することができる職務の者。警察官は一般司法警察職員、労働基準監督官は労働関係法令に対する違反に権限が限定される特別司法警察職員に区分される※4 労働基準監督年報……監督活動についての実績を毎年まとめて公表するもの主体的、計画的に、対象事業場を選定事業場へ訪問指導の終了送 検事業場への立入調査事情聴取、帳簿の確認など文 書 指 導是正勧告・改善指導・使用停止命令など事業場からの是正・改善報告再度の立入調査の実施労働災害の発生法違反が認められなかった場合重大・悪質な事案の場合法違反などが認められた場合是正・改善が確認された場合労働者からの申告(注1)上図は一般的な流れを示したものであり、事案により、異なる場合もあります。(注2)事業場への監督指導は、原則として予告することなく実施しています。出典:労働基準監督署の役割 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署 https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/131227-1.pdf図表 臨検監督の一般的な流れ

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