エルダー2026年3月号
19/68

エルダー17特集令和7年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅡ〜シニア期出口を見すえた長期キャリア設計山﨑 パネルディスカッションの最初のテーマは「キャリアのマルチステージ化への対応」です。シニア期が長期化するなか(55歳から70歳までの約15年間)、シニア社員の人材マネジメントはこれまでの「福祉的雇用」ではなく、より戦略的な人材戦略として位置づけていく必要があります。三菱UFJ信託銀行株式会社の仕事と介護の両立支援や、ライオン株式会社のキャリアデザインサポート、副業といった制度は、そういった戦略性を意識しての設計ではないかと思いますが、詳しく説明していただけますか。中村 シニアの方は介護や健康面への配慮が必要です。両立支援が一番の肝だと考えています。最終ステージで輝いていただき「ご卒業いただく」形を会社として支援していきたいです。青木 55歳や60歳で初めて「これからのキャリアをどうしたい?」といわれても描きづらいものです。40代など早い段階からキャリアを考える機会や副業で経験を試し、60歳を迎えるときには選択肢が増えている状態をつくりたいと思っています。山﨑 出口戦略は、その後のキャリアや会社のブランディングにもつながります。入口と出口を両方見ていく人事の考え方が重要ですね。個別化と公平性が両立するジョブ型設計山﨑 次のテーマは「配置、処遇、働き方の個別化」です。研究では、シニアの方々は経験が豊富なため個別化が進んでおり、一人ひとりの希望に合わせた柔軟な制度設計が必要だといわれています。一方で、個別化は「特別扱い」ととらえられる懸念もあります。西欧においては本人のパフォーマンスや志向性に合わせたものが公平であるという考え方ですが、日本の場合は「分配的公平」といわれるように、だれにも同じように分配することが公平であるという価値観があるため、不公平感への懸念があります。三菱UFJ信託銀行の「キャリアパス・シニアジョブコース」では対話を重視していますが、不公平感が出ないようにどんな工夫をされていますか。中村 山﨑先生がおっしゃるように、まさに特別感を出すための制度であることは事実で、当初はシニアジョブではない社員のモチベーション2025年10月24日開催令和7年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム「シニア社員を活性化するための人材マネジメント」パネルディスカッション「キャリアのマルチステージ化への支援 ーミドル・シニア期も含めたキャリア再設計を支える制度と実践を共有する」★ 「令和7年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム」パネルディスカッションは、JEEDのYouTube公式チャンネルでアーカイブ配信しています。こちらから、ご覧いただけます。https://www.youtube.com/watch?v=OROWq1Pd65w

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る