特別企画エルダー27「産業別高齢者雇用推進ガイドライン」のご紹介全国的な少子高齢化の進行により、ハイヤー・タクシー業界においても人手不足は深刻な課題となっている。タクシー運転者の平均年齢は60歳を超え、地域によっては高齢者が運転者の半数以上を占めるなど、高齢人材が業界を支える中核となっている。一方で、高齢者の就業意欲は依然として高く、健康や能力に応じて長く働き続けたいというニーズも明確である。こうした状況をふまえて策定した本ガイドラインは、2020(令和2)年策定の旧版をもとに、70歳までの就業機会確保の努力義務化やコロナ禍後の環境変化を反映して改訂されたもので、高齢者が安全かつ意欲的に働き続けられる環境づくりを目的としている。第1章「高齢者雇用に関するハイヤー・タクシー業を取り巻く環境」では、人口構造の変化や労働市場の現状を整理している。第2章「ハイヤー・タクシー業における課題と指針」では、現状をふまえて業界特有の課題を見渡したうえで、既存人材の流出防止として先進企業の取組みや労働者が会社を退職するおもな理由などについて、図表を交えて紹介している。新規採用に向けては、若年者を中心とした採用の重要性に触れつつも、地方都市における新規採用のむずかしさをふまえ、地域に根ざした生活基盤を持つ高齢者の存在が、安定した雇用につながる強みになると位置づけ、他産業を定年退職した未経験の高齢者をターゲットとする積極的な採用の重要性を示している。一方、65歳以上のドライバーを継続雇用する際、多くの企業が健康上の不安、交通事故の発生の不安があると回答した調査結果を示し、各社における高齢ドライバーの健康管理の確認方法、健康診断の項目のほか、安全・健康管理への具体的な配慮について、交通事故防止に直結する検査項目を示すとともに、賃金や労働時間等の労働条件に関する柔軟な対応に関する取組みを提示している。また、国土交通省の補助金制度を活用した実務的な対応策も紹介されている。第3章「人手不足を解消し、働ける環境にあり、働く意欲を有する高齢者が継続して働くことができるようにするために―まとめ―」では、人手不足解消と高齢者の継続就業に向け、業界全体での取組みの必要性を整理している。健康の維持・確保の必要性、検査・検診の費用負担の重要性などを示し、短時間勤務や兼業との組み合わせは、高齢者の就業意欲維持につながる制度として評価している。さらに本ガイドラインは、2019年と2024年のアンケート結果を比較し、70歳以上のドライバー増加や、経営側と現場の意識差をデータで明らかにしている。参考資料編では、高年齢者雇用安定法の概要や助成金情報など、実務に役立つ情報も整理されている。運転業務という高い安全責任をともなう職種において、本ガイドラインは具体性と実践性に富んだ内容となっており、業界の持続的な人材確保に資する指針といえる。一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会(ハイヤー・タクシー業高齢者雇用推進委員会)住 所〒102―0074東京都千代田区九段南4―8―13自動車会館3階TEL03―3239―1531 H Phttps://taxi-japan.or.jp産業別高齢者雇用推進ガイドライン2ハイヤー・タクシー業における高齢者雇用推進に向けたガイドライン
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