エルダー2026年3月号
52/68

有期労働契約を締結することは、高年齢者雇用安定法の趣旨に反する取り扱いとして、違法になるおそれがあるので、留意する必要があります。法定外労働時間について1労働基準法では、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない」(労働基準法第32条1項)、「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて労働させてはならない」(同貴社が労働者の副業を認識していなかった場合には、貴社は、時間外の割増賃金の支払義務を負わないと判断される可能性があります。他方で、貴社が労働者の副業を認識していた場合には、1時間分について、法定外の割増賃金の支払義務を負う可能性があります。A社員の無断副業が発覚したのですが、時間外の割増賃金を当社が支払わないといけないのでしょうかこのたび社員が、会社に無断で、当社の就業時間後に1時間の副業を行っていたことが判明しました。どうやら当社に入社前からの副業のようです。当社の一日の所定労働時間は8時間としていますが、副業先での労働時間を合わせると一日の法定労働時間を超過することになります。この場合、当社は時間外の割増賃金を支払わなければならないのでしょうか。Q2第32条2項)と規定されています。もっとも、労使協定(いわゆる三六協定)の締結および届出がなされた場合には、上記規定にかかわらず、三六協定により認められた範囲においては、法定労働時間の規制を超えて労働させることが可能となります(同第39条)。なお、法定時間外労働がなされた場合には、通常の賃金額に25%以上の割増率を乗じた賃金の支払いが必要となります(同第37条)。例えば、一日9時間働いた場合には、法定内労働時間が8時間、法定外労働時間が1時間となりますので、法定外労働時間の1時間分について割増賃金の支払義務が生じることになるのです。労働時間の通算2⑴ 副業・兼業時の労働時間の考え方では、異なる事業所や異なる使用者のもとで副業ないし兼業して働いた場合の労働時間はどのように考えるべきでしょうか。これについては、同第38条1項が規定しています。同項は、「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と規定しています。なお、「事業場を異にする場合」とは、同一の使用者のもとで事業場を異にする場合のみならず、別使用者で事業場を異にする場合も含むとされていますので(昭和23年5月14日基発769号)、副業ないし兼業時にも同第38条1項が適用されることになるのです。そして、通達(令和2年9月1日基発769号)によれば、時間外労働の労働者単位の上限規制(休日労働も含めて単月100時間未満、複数月平均80時間以内)や、割増賃金の支払義務は、通算された時間に対して適用されるとされています。2026.350

元のページ  ../index.html#52

このブックを見る