世界でもっとも高齢化が進行している国が日本であることは、読者のみなさんもご存 世界でもっとも高齢化が進行している国が日本であることは、読者のみなさんもご存じだと思いますが、高齢化は世界各国でも進行しており、その国の法制度に基づき、高じだと思いますが、高齢化は世界各国でも進行しており、その国の法制度に基づき、高齢者雇用や年金制度が整備されています。本連載では、全6回に分けて、各国における齢者雇用や年金制度が整備されています。本連載では、全6回に分けて、各国における高齢者雇用事情を紹介します。第4回は北欧のデンマーク、スウェーデン、ノルウェーです。高齢者雇用事情を紹介します。第4回は北欧のデンマーク、スウェーデン、ノルウェーです。独立行政法人労働政策研究・研修機構 人材開発部門 副統括研究員藤ふじ本もと 真まことデンマーク、スウェーデン、ノルウェー諸外国の第4回2026.352福祉国家である北欧諸国でも福祉国家である北欧諸国でも高齢化が課題に高齢化が課題に北欧諸国は、包括的な福祉国家体制、高い税負担と再分配機能、柔軟性と安全性の両立、平等主義といった、経済・社会体制上の特徴(いわゆる「北欧モデル[Nordic Model]」)を共有しているといわれます。しかし北欧諸国においても徐々に高齢化は進んでおり※、現役世代が高齢世代を支える伝統的な賦課方式の年金財政の圧迫や、労働供給の制約による経済成長の鈍化が懸念されています。今回は北欧諸国のうち、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーを取り上げ、経済・社会体制を持続可能なものへと再構築するプロセスにおいて、高齢者の就業にかかわる諸制度や慣行がどのように扱われ変化してきているか、また、そうしたなかでの高齢者の雇用・就業をめぐる現状と課題について見ていきます。年金制度における「自動調整メカニズム」の年金制度における「自動調整メカニズム」の厳格な運用と高齢者就業促進――デンマーク厳格な運用と高齢者就業促進――デンマークヨーロッパ諸国の多くは、少子高齢化にともなう財政負担の増大を抑制するため、人口動態や経済状況の変化に合わせ、給付額や受給開始年齢を自動的に調整する仕組みを年金制度において導入しており、なかでもデンマークはこの「自動調整メカニズム」を厳格に適用していることで知られています。デンマークの自動調整メカニズムの基礎は、2006(平成18)年の「福祉協定(Velfærdsforliget)」によって確立されました。この協定は、公的年金受給開始年齢を、平均余命の上昇に合わせて5年ごとに見直すことを法制化したもので、長期的な年金受給期間を14・5年に固定することを目標としています。この協定の施行により、デンマークの公的年金受給開始年齢は、2030年には68歳、2035年には69歳へと引き上げられることが確定しています。公的年金受給開始年齢の引上げに対応するため、デンマークでは高齢者の就業に関連した諸制度の改革が行われました。従来は雇用契約や労働協約において70歳での強制退職を定めることが認められていましたが、2016年1月に施行された改正差別禁止法により、一部の例外を除いて特定の年齢に達したことを理由に自動的に退職となる条項を設けることは違法となりました。また、長年の重労働に従事した労働者を保護する目的で設けられていたものの、実際は中産階級の早期引退手段として広く利用されていた「早期退職制度(Efterløn 60歳から公的年金開始までの間、失業保険基金を通じて給付※ 国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2025年版)」によると、1990(平成2)年から2020(令和2)年にかけての65歳以上人口の割合の推移は、デンマーク15.6%→20.0%、スウェーデン17.8%→20.1%、ノルウェー16.3%→17.7%となっている
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