労務資料 第20回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況 厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室  厚生労働省は、2005(平成17)年度から、団塊の世代を含む全国の中高年世代の男女を追跡し、その健康・就業・社会活動について意識面・事実面の変化の過程を継続的に調査しています。このほど、第20回(2024〈令和6〉年)の結果がまとまりましたので、その結果を抜粋してご紹介します。  調査の期日は2024年11月6日(水)。2005年10月末時点で50〜59歳だった全国の男女を対象としており、第20回調査における対象年齢は69〜78歳。調査対象は1万8050人で、回収数は1万7263人。回収率は95.6%でした(編集部)。 1 世帯の状況 (1)世帯構成の変化  この19年間で、「夫婦のみの世帯」の割合は増加、「三世代世帯」、「親なし子ありの世帯」の割合は減少  第1回調査(2005年)から19年間の世帯構成の変化をみると、「夫婦のみの世帯」は、第1回21.3%から第20回48.0%と増加している。一方、「三世代世帯」は、第1回22.4%から第20回9.5%、「親なし子ありの世帯」は、第1回39.7%から第20回22.9%と減少している。  また、第1回の世帯構成別に第20回の世帯構成をみると、「夫婦のみの世帯」に変化した割合は、「親なし子ありの世帯」が46.7%、「親あり子なしの世帯」が45.5%と高くなっている。 (2)日頃から頼りにしている者  第20回(69〜78歳)調査での日頃から頼りにしている者は第11回(60〜69歳)調査と比べて男女ともに「同居していない親族」で最も差が大きい  日頃から頼りにしている者を、比較可能な第11回と第20回とで比較すると、男では、「同居していない親族」が11.3ポイント上昇し、「勤め先の同僚(元同僚を含む)」が4.7ポイント低下している。一方、女では、「同居していない親族」が10.4ポイント上昇し、「同居している親族」が5.6ポイント低下している。 2 健康の状況 (1)健康状態の変化  この19年間で、健康状態が「よい」と思っている者の割合は減少  第1回調査から19年間の健康状態の変化をみると、「よい」と思っている者は、第1回85.0%から第20回74.4%と減少している。  また、第1回の健康状態別に第20回の健康状態をみると、「よい」から「わるい」に変化した割合は19.2%となっている。 (2)健康維持のために心がけていることと健康状態  第1回(50〜59歳)調査から継続して健康維持のために心がけていることについて、健康状態が「よい」と思っている者では、男は「適度な運動をする」、女は「バランスを考え多様な食品をとる」が最も高い  第1回調査から継続して健康維持のために心がけている内容を第20回の健康状態別にみると、健康状態が「よい」と思っている者では、男は「適度な運動をする」が10.1%と最も高く、次いで「食事の量に注意する」「食後の歯磨きをする」の順となっている。また、女は「バランスを考え多様な食品をとる」が15.1%と最も高く、次いで「食後の歯磨きをする」「食事の量に注意する」の順となっている。 3 就業の状況 (1)就業状態の変化  この19年間で、「正規の職員・従業員」の割合は減少、「パート・アルバイト」の割合は減少傾向  第1回調査から19 年間の就業状況の変化をみると、「正規の職員・従業員」は、第1回39.0%から第20回2.1%と減少している。また、「パート・アルバイト」は、第1回17.0%から第20回12.3%と減少傾向となっている(図表1)。  第1回で「仕事をしている」者について、性別に第20回の就業状況をみると、男の「(第1回)正規の職員・従業員」では36.7%が第20回も仕事をしており、「(第20回)パート・アルバイト」が13.7%、「(第20回)労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員・嘱託」が7.6%と割合が高い。また、女の「(第1回)パート・アルバイト」では28.3%が第20回も仕事をしており、「(第20回)パート・アルバイト」が22.5%と割合が高くなっている(図表2)。 (2)19年前(第1回調査)の60歳以降の就業  希望と現在(第20回調査)の仕事の有無19年前(第1回(50〜59歳)調査)に60歳以降の就業希望がある者で、現在(第20回(69〜78歳)調査)仕事をしている理由は「健康を維持するため」が最も高い  19年前(第1回)の60歳以降の就業希望をみると、「60歳以降も仕事をしたい」と回答していた者は、71.2%となっており、そのうち、現在(第20回)仕事をしている者は41.2%となっている(図表3)(図表4)。  また、19年前(第1回)の60歳以降の就業希望別に、現在(第20回)仕事をしている者の仕事をしている理由をみると、19年前(第1回)に就業希望があった者では「健康を維持するため」が54.9%と最も高く、次いで、「現在の生活費のため」「現在の生活費を補うため」の順となっている。一方、19年前(第1回)に就業希望がなかった者では「健康を維持するため」が52.1%と最も高く、次いで、「社会とのつながりを維持したいから」「現在の生活費を補うため」の順となっている(図表5)。 (3)仕事への満足感  第20回(69〜78歳)調査での仕事への満足感は第6回(55〜64歳)調査と比べていずれの項目でも「満足+やや満足」の割合が増加  仕事をしている者の仕事への満足感を、比較可能な第6回と第20回とで比較すると、いずれの項目でも「満足+やや満足」の割合が増加している。最も差が大きいのは、「就業時間・休日」で6.1ポイントとなっており、次いで「賃金・収入」が5.8ポイントとなっている(図表6)。 図表1 第1回調査からの就業状況の変化 仕事をしている 自営業主、家族従業者 会社・団体等の役員 正規の職員・従業員 パート・アルバイト 労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員・嘱託 家庭での内職など、その他 仕事のかたち不詳 仕事をしていない 不詳 % 第1回 15.1 4.8 39.0 17.0 3.9 2.2 0.2 17.9 0.0 第5回 15.0 4.2 26.4 17.2 7.9 2.4 0.2 26.7 0.0 第10回 14.4 3.9 10.8 17.7 9.8 2.5 0.1 40.6 0.2 第15回 13.1 3.2 4.2 17.5 6.4 2.6 0.1 52.6 0.2 第17回 12.6 2.8 3.0 15.0 4.9 2.6 0.0 58.7 0.4 第18回 12.0 2.6 2.7 14.5 4.4 2.3 0.1 61.1 0.3 第19回 11.5 2.4 2.5 13.4 3.7 2.3 0.1 63.7 0.3 第20回 11.1 2.5 2.1 12.3 3.5 2.2 0.1 65.9 0.4 図表2 性、第1回の就業状況別にみた第20回の就業状況 (単位:%) 第20回の仕事の有無・仕事のかたち 総数 仕事をしている 自営業主、家族従業者 会社・団体等の役員 正規の職員・従業員 パート・アルバイト 労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員・嘱託 家庭での内職など、その他 仕事をしていない 性・第1回の仕事の有無・仕事のかたち 総数 (100.0)100.0 33.8 11.1 2.5 2.1 12.3 3.5 2.2 65.9 仕事をしている (82.1)100.0 39.5 13.1 2.9 2.5 14.1 4.2 2.6 60.2 仕事をしていない (17.9)100.0 7.6 2.0 0.3 0.3 3.9 0.5 0.5 91.8 男 (100.0)100.0 42.7 15.3 4.3 3.3 11.2 6.1 2.3 57.1 仕事をしている (95.9)100.0 43.8 15.8 4.4 3.3 11.5 6.3 2.4 55.9 自営業主、家族従業者 (18.0)100.0 67.0 53.3 4.1 1.2 4.9 1.6 1.9 32.9 会社・団体等の役員 (8.2)100.0 53.0 9.4 24.9 4.9 6.5 5.2 1.8 46.7 正規の職員・従業員 (62.5)100.0 36.7 6.8 2.2 3.8 13.7 7.6 2.5 63.0 パート・アルバイト (2.0)100.0 31.8 6.1 - 1.5 16.7 3.0 3.8 65.9 労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員・嘱託 (3.8)100.0 39.4 8.3 0.8 3.1 14.2 11.8 1.2 60.6 家庭での内職など、その他 (1.2)100.0 39.5 9.9 3.7 1.2 11.1 2.5 11.1 60.5 仕事をしていない (4.1)100.0 16.2 3.6 1.4 1.4 5.4 2.9 1.1 83.5 女 (100.0)100.0 26.5 7.6 1.0 1.2 13.1 1.4 2.1 73.1 仕事をしている (70.8)100.0 34.7 10.0 1.3 1.6 17.0 1.9 2.7 64.9 自営業主、家族従業者 (12.7)100.0 56.8 43.8 1.9 0.8 6.4 0.7 3.2 42.5 会社・団体等の役員 (1.9)100.0 49.1 8.8 23.9 3.1 8.2 0.6 4.4 50.3 正規の職員・従業員 (19.8)100.0 29.6 2.9 0.9 3.7 16.7 2.7 2.5 69.8 パート・アルバイト (29.3)100.0 28.3 1.9 0.1 0.5 22.5 1.3 1.8 71.4 労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員・嘱託 (3.9)100.0 33.5 2.2 0.3 2.2 20.3 7.4 0.9 66.5 家庭での内職など、その他 (3.0)100.0 28.3 4.0 - 0.8 10.5 1.2 11.7 71.7 仕事をしていない (29.2)100.0 6.7 1.8 0.2 0.2 3.7 0.2 0.5 92.8 注:「総数」「男」「女」には第1回及び第20回の仕事の有無の不詳を含み、「仕事をしている」には仕事のかたちの不詳を含む 図表3 19年前(第1回)の60歳以降の就業希望の割合 60歳以降も仕事をしたい 71.2% 60歳以降は仕事をしたくない 26.0% 不詳 2.8% 19年 前(第1回)での就業希望 図表4 19年前(第1回)の60歳以降の就業希望別にみた現在(第20回)の仕事の有無 現在(第20回)での仕事の有無 60歳以降も仕事をしたい 現在仕事をしている 41.2% 現在仕事をしていない 58.4% 不詳 0.3% 60歳以降は仕事をしたくない 現在仕事をしている 14.0% 現在仕事をしていない 85.7% 不詳 0.3% 注:第1回での60歳以降の就業希望の有無をそれぞれ100としたときの割合である 図表5 19年前(第1回)の60歳以降の就業希望別にみた現在(第20回)仕事をしている理由(複数回答) 19年前(第1回)に60歳以降での就業の希望ありで、現在(第20回)仕事をしている者 19年前(第1回)に60歳以降での就業の希望なしで、現在(第20回)仕事をしている者 % 現在の生活費のため 47.3 27.4 現在の生活費を補うため 43.0 36.3 生活水準を上げるため 15.2 10.4 自分のお小遣いのため 33.1 35.8 借金の返済のため 6.8 3.0 親族等への仕送りのため 1.7 0.7 将来の生活資金のため 22.8 18.1 子や孫の将来のため 12.1 10.8 健康を維持するため 54.9 52.1 社会とのつながりを維持したいから 41.7 43.4 社会に役立ちたいから 18.9 19.6 視野を広げたいから 9.1 9.3 今の仕事が好きだから 28.9 23.5 家にずっといるのは嫌だから 34.2 34.8 時間に余裕があるから 23.6 30.9 注:第1回での60歳以降の就業希望ごとに、現在(第20回)仕事をしている者で仕事をしている理由に回答のあった者をそれぞれ100としたときの割合である 図表6 第6回(55〜64歳)と第20回(69〜78歳)の仕事への満足感 % 【能力の活用・発揮】 満足+やや満足 普通 やや不満+不満 不詳 第6回(55〜64歳) 32.9 52.2 9.7 5.1 第20回(69〜78歳) 35.1(2.2pt) 52.2 4.7 8.0 【職場の人間関係】 満足+やや満足 普通 やや不満+不満 不詳 第6回(55〜64歳) 32.6 49.5 11.8 6.1 第20回(69〜78歳) 34.9(2.3pt) 49.1 6.6 9.3 【賃金・収入】 満足+やや満足 普通 やや不満+不満 不詳 第6回(55〜64歳) 18.2 36.9 40.7 4.2 第20回(69〜78歳) 24.0(5.8pt) 45.1 23.8 7.2 【就業時間・休日】 満足+やや満足 普通 やや不満+不満 不詳 第6回(55〜64歳) 24.3 47.7 23.2 4.8 第20回(69〜78歳) 30.4(6.1pt) 51.2 10.4 7.9 【仕事の内容・やりがい】 満足+やや満足 普通 やや不満+不満 不詳 第6回(55〜64歳) 37.5 47.1 11.6 3.8 第20回(69〜78歳) 39.3(1.8pt) 48.0 6.6 6.1 注:1)第6回及び第20回で仕事をしている者をそれぞれ100 としたときの割合である 2)( )の数値は、仕事への満足感の「満足+やや満足」の割合における第20回と第6回の差(「第20回」−「第6回」)である