日本史にみる長寿食 FOOD 374 リンゴで元気を出しましょう! 食文化史研究家● 永山久夫 リンゴが赤くなると医者が青くなる  「一日一個のリンゴは、医者と薬を遠ざける」。これはイギリスに古くから伝わることわざで、「リンゴが赤くなると、医者が青くなる」と表現する場合もあるそうです。また、北欧の神話にも、神々が「永遠の青春をもたらすリンゴを食べて、不老長命を得た」という話があります。  リンゴの原産地は諸説あり、中央アジア地方やコーカサス地方。寒冷な環境を好むバラ科の植物です。そのためでしょうか、とてもさわやかで、甘い香りを持っています。  リンゴの栽培の歴史は古く、4000年前には、すでに始まっていたといわれています。日本にリンゴが中国から伝わったのは平安時代とされ、その品種は「和リンゴ」といわれます。記録から鎌倉時代にはリンゴの栽培がされていたようです。その後栽培が広まり、明治時代には、いま一般的に食べられている西洋リンゴが栽培されるようになりました。 リンゴを食べて健康に  いまでも庭にリンゴの木を植えている家庭が多いそうですが、健康に役立つことを知っているからに、ほかなりません。  皮の赤い色素は、このところ注目されているアントシアニンで、すぐれた抗酸化作用があり、体細胞の老化を防ぎ、若々しさを保つうえで役に立つことがわかっています。したがって、よく洗って、皮ごと食べるのが理想的です。  皮をむいて食べる場合でも、皮を紅茶に入れるなどして、せっかくのアントシアニンと香りを活用したいものです。  東北地方の方たちは、昔から塩分の摂取量が多く、血圧の高い地域とみられてきましたが、リンゴ栽培農家にかぎっては、血圧が安定していることがわかっているそうです。  それは、リンゴを食する量が多く、血圧の安定に役に立っていたからで、リンゴに豊富なカリウムと食物繊維が、高血圧の原因となりやすいナトリウム(塩分)を排除していたのです。  リンゴの酸味は、リンゴ酸やクエン酸などで、食欲増進や疲労回復に役に立ちます。  これからさらに寒くなりますが、インフルエンザ対策として、リンゴをしっかり食べて免疫力を強化しておきましょう。