イキイキ働くための脳力アップトレーニング!  いまや電子マネーの時代です。しかし、合計額の計算、お釣りの計算、お釣りに合わせた小銭の出し方の計算など、これらは大事な脳トレになります。頭の中での計算なので、すばらしいワーキングメモリトレーニングです。電子マネーの時代だからこそ、こんな問題に挑戦し、脳力を鍛えましょう。 第92回 お金の計算 目標10分 問1 財布のなかのお金で120 円のジュース2缶と130円の肉まん2個を買うと、残りのお金はいくらでしょうか。 消費税の計算もお忘れなく。 残り   円 問2 Aさんが買い物をしました。支払った紙幣と硬貨の枚数、お釣りの金額から、支払った金額とその内訳を考えましょう。 お会計は7,716円(税込)になります 【支払った紙幣と硬貨の枚数】 紙幣3枚、硬貨5枚 【お釣り】 85円 支払った金額=  円 内訳=5,000円× 枚 1,000円× 枚 500円× 枚 100円× 枚 1円× 枚 ど忘れ・うっかり・アレソレ会話を減らそう  ど忘れ・うっかり・アレソレ会話の解消に関係する脳の部位は「前頭葉」であり、すべての筋肉と結びつく運動野、言葉を発したり文の構造を理解したりすることにかかわる発話性言語野(ブローカ野)のほか、ちょっと覚えておいてあれこれするワーキングメモリ(作業記憶)という力に深くかかわります。  このワーキングメモリの力が衰えると、ど忘れ・うっかり・アレソレ会話が増えがちになりますが、認知トレーニングをすることにより、鍛えることができます。  今回の「お金の計算」では種類の違うお金を数え、計算していくことで、覚えながら(メモリー)作業をする(ワーキング)ので、ワーキングメモリの力を盛んに使います。  また、ワーキングメモリの力は、このような認知トレーニングのほか、運動、禁煙、野菜や魚が豊富なバランスのよい食事、アルコール使用障害への対処、過体重、高血圧、高脂血、高血糖への対処によって改善することが示されています。  運動し、健康に気をつけながら、頭を使いましょう。 篠原菊紀(しのはら・きくのり) 1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。 【問題の答え】 問1 残り882円 解説:買ったものの値段、120円×2+130円×2の合計に8%の消費税をつけて540円。 財布のなかには1,422円のお金がある。 1,422円−540円=882円 問2 支払った金額7,801円 内訳:5,000円×1枚、1,000円×2枚、500円×1枚、100円×3枚、1円×1枚