TOPIC 「更年期の仕事と健康に関する定量調査」 株式会社パーソル総合研究所  加齢によるホルモンバランスの変化により、さまざまな症状があらわれる更年期障害。働く人たちの健康の保持・増進に取り組むことの重要性が年々高まりつつあるなかで、更年期障害に悩む社員のサポートに取り組む企業も増えてきています。そこで今回は、株式会社パーソル総合研究所が、2024(令和6)年に行った「更年期の仕事と健康に関する定量調査」のなかから、一部を抜粋して紹介します。 更年期症状の保有状況【男女/40-50代正社員】  男女ともに40・50代正社員の4割前後が軽度レベル以上の更年期症状を保有している。ただし、症状には個人差が大きい。女性の1割弱が要長期治療レベル、男性の1割弱が重度レベルに分類される。 女性 ※更年期症状スコアによる分類(SMI) 40-50代正社員女性 n=622 (%) 軽度レベル以上 44.5% 要長期治療 8.0% 受診推奨 9.2% 軽度 27.3% なし 55.5% 男性 ※更年期症状スコアによる分類(AMS) 40-50代正社員男性 n=2404 (%) 軽度レベル以上 37.2% 重度 7.1% 中程度 11.9% 軽度 18.2% なし 62.8% 症状が仕事の支障になる程度/1か月あたり日数【男女/軽度以上の症状保有者】  症状が仕事の支障になる日数は、症状レベルが上がるほど多い傾向が見られる。平均すると、女性では、軽度レベルで月に約6日、要長期治療レベルで約11日。男性では、軽度レベルで月に約4日、重度レベルで約9日。ただし、同じ症状レベルであっても個人差が大きい。 女性 1日未満 1日以上3日未満 3日以上5日未満 5日以上10日未満 10日以上20日未満 20日以上 % 軽度(604) 25.8 23.7 17.9 11.1 10.4 11.1 受診推奨(241) 15.8 18.3 20.7 14.9 12.0 18.3 要長期治療 (155) 13.5 11.6 12.9 11.6 22.6 27.7 平均(日) 5.76 8.20 11.17 男性 1日未満 1日以上3日未満 3日以上5日未満 5日以上10日未満 10日以上20日未満 20日以上 % 軽度(249) 28.5 25.3 22.1 8.8 10.4 4.8 中程度(139) 23.0 19.4 21.6 12.2 10.1 13.7 重度(112) 25.9 15.2 16.1 9.8 8.0 25.0 平均(日) 4.19 6.34 8.72 ベース:軽度以上の症状を保有している40-50代の正社員 ※カッコ内はn 症状があるときの生産性【男女/軽度以上の症状保有者】  男女ともに、症状があるときの生産性は、症状レベルにかかわらず平均で50% 前後に低下する。ただし、同じ症状レベルであっても個人差が大きい。 女性 0%(仕事ができない) 1%以上40%未満 40%以上60%未満 60%以上80%未満 80%以上100%未満 100%(生産性低下なし) % 軽度(604) 5.1 17.1 21.7 27.8 22.2 6.1 受診推奨(241) 4.6 23.7 34.4 20.3 12.9 4.1 要長期治療(155) 5.8 23.9 31.0 24.5 12.3 2.6 平均(%) 57.27 49.98 48.43 男性 0%(仕事ができない) 1%以上40%未満 40%以上60%未満 60%以上80%未満 80%以上100%未満 100%(生産性低下なし) % 軽度(249) 4.8 25.3 19.3 29.7 14.5 6.4 中程度(139) 4.3 28.1 26.6 23.0 14.4 3.6 重度(112) 9.8 25.9 30.4 18.8 9.8 5.4 平均(%) 52.84 48.89 46.48 ベース:軽度以上の症状を保有している40-50代の正社員 ※カッコ内はn パフォーマンスや継続就業意向との関係性  症状レベルが高い場合(女性の要長期治療レベル/男性の重度レベル)、ジョブ・パフォーマンス(役割遂行度)や継続就業意向が低い傾向が見られる。 症状レベル別|ジョブ・パフォーマンス (役割遂行度) ※ジョブ・パフォーマンス(役割遂行度):任された役割を果たしている、会社から求められる成果を出しているなど5項目の平均値 5件法 5項目平均値 (pt) 40-50代正社員女性・計 (232) 3.61 軽度 (604) 3.61 受診推奨 (241) 3.55 要長期治療 (155) 3.42 40-50代正社員男性・計 (902) 3.40 軽度 (249) 3.45 中程度 (139) 3.34 重度 (112) 3.06 症状レベル別|継続就業意向 そう思う・計(%) 40-50代正社員女性・計 (232) 51.3 軽度 (604) 46.5 受診推奨 (241) 44.0 要長期治療 (155) 33.5 40-50代正社員男性・計 (902) 44.8 軽度 (249) 46.2 中程度 (139) 36.0 重度 (112) 25.0 ベース:・軽度以上の症状を保有している40-50代正社員:女性1000人、男性500人 ・40-50代正社員・計は、別枠で確保した40-50代正社員(症状を保有していない人を含む)の結果を掲載:女性232人、男性902人 ※カッコ内はn 上司や同僚への相談実態  症状について(症状の状態やケア、治療方法、症状による働き方の調整について)、職場で上司や先輩・同僚に相談をしている女性は症状レベルにかかわらず1〜2割程度、男性は1割前後に留まる。男性と比べると、女性は、職場の先輩・同僚に相談している割合が高い。 ※「症状の状態やケア、治療方法」「症状による働き方の調整」のいずれかについて相談した人 症状レベル別|相談した人の割合 女性 複数回答(%) 相談した人の割合 上司 軽度(604) 9.3 受診推奨(241) 10.8 要長期治療(155) 11.6 職場の先輩・同僚 14.7 14.5 17.4 男性 上司 10.0 11.5 13.4 職場の先輩・同僚 軽度(249) 9.2 中程度(139) 6.5 重度(112) 7.1 ベース:軽度以上の症状を保有している40-50代の正社員 ※カッコ内はn