NEWS FILE ニュース ファイル 行政・関係団体 厚生労働省 「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」を公表  厚生労働省は、求職者と企業のよりよいマッチングの促進に向けて、「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」を策定し、公表した。  厚生労働省の調査によると、「自身が経験した転職・就職活動の中で入手した企業の職場情報と比較し、転職・就職後に働き始めてから知った実際の職場環境との間に自身にとって不都合なギャップがあった者」は、全体の約6割となっている。このようなギャップが生じないようにするために、企業には求職者が就職前に収集する職場情報の充実を図り、実際の職場環境とのギャップを解消することが求められる。このため同省では、転職経験者、求人企業および民間人材サービス事業者を対象とするヒアリングなどの調査研究を行い、それらをふまえて、労働政策審議会において議論を重ね、この手引きを策定した。  手引きは、各企業がよりよい採用活動を行ううえで参考にできるよう、現行の労働関係法令で定められている開示項目などの整理および求職者が求める情報を例示しているほか、企業が職場情報を提供するにあたっての一般的な課題や対応策を示している。一般的な課題やその対応例として、「職場情報の提供時期・提供方法」、「提供する情報の量」、「資本市場における人的資本に関する情報の活用」などを取り上げている。 ◆「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」https://www.mhlw.go.jp/content/001237234.pdf 厚生労働省 「job tag」(職業情報提供サイト)をリニューアル  厚生労働省は、職業情報提供サイト「job tag(じょぶたぐ)」をリニューアルした。  「job tag」は、500を超える職業について、ジョブ、タスク、スキルなどの観点から職業情報を「見える化」し、求職者の就職活動や企業の採用活動、人材育成などを支援するウェブサイト。就職活動においては、各種検査によって自身の適職を探索できるほか、自己分析や、希望する職業の情報と自身のこれまでの経験などを照らし合わせることでアピールポイントを検討することなどに活用できる。  また、企業の採用活動においては、求める人物像の明確化、人材育成では、従業員のスキルの棚卸しなどによる教育や訓練の検討などにも活用できる。さらに、キャリアコンサルティングにおいては、職業情報を参考にした客観的な助言や、相談者がこれまでの職業経験で蓄積したスキル・知識の棚卸しや各種自己診断ツールの結果などをふまえた相談に活用できる。  年間のアクセス件数は2000万件を超えるが、仕事を探している人や企業の採用・人事担当者、転職・就職を支援するキャリアコンサルタントなどより幅広い人々に活用してもらえるよう、サイト機能を紹介する使い方動画を追加した。加えて、IT分野の職業情報の拡充、自己診断ツールの機能の充実、500超の職業情報をさらに追加するなどのリニューアルを行った。 ◆job tag(職業情報提供サイト)https://shigoto.mhlw.go.jp/User 厚生労働省 「地域で活躍する中小企業の採用と定着成功事例集」を公表  厚生労働省は、中小企業における人材確保の取組みを進める際のヒント集として「地域で活躍する中小企業の採用と定着成功事例集」を作成し、公表した。  全国的に人手不足感が高まるなか、特に地方の中小企業では人材確保が大きな課題となっている。このことをふまえ、採用や定着に成功している20社について、成功事例としてまとめたものである。  掲載事例の職種は、医療介護、保育、建設、警備、運輸などの人手不足分野に加え、製造、卸小売、飲食、宿泊、情報通信など多岐にわたる。各事例は、採用と定着について各社で認識している課題とその解決に向けた取組みについて、事業戦略の転換や業務内容の見直し、働く環境の整備や採用活動の工夫など、さまざまな角度から掘り下げている。  例えば、有料老人ホームを運営する株式会社アピイ(青森)では、身体的負担が大きい介護職には長期勤続への不安があることが、採用難や定着率低下の要因になっていると考え、「従業員がいくつになっても働くことができる職場を作る」を目標にかかげた。従業員のやる気に寄り添い、いつでも相談に乗る姿勢、資格取得の支援、研修の充実、従業員が望む働き方を実現できる環境整備などに取り組んだところ、質の高いサービス提供につながり、経営基盤が安定し、人への投資をさらに強化。その結果、さまざまな応募者が集まる人気職場になっている。 ◆「地域で活躍する中小企業の採用と定着成功事例集」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38019.html 厚生労働省 「令和5年賃金構造基本統計調査」結果を公表  厚生労働省は、「令和5年賃金構造基本統計調査」の結果を公表した。調査は、2023(令和5)年6月分の所定内給与について調べたもので、今回まとめられたのは、常用労働者10人以上規模の約4万9000事業所について集計したもの。  調査結果によると、一般労働者(短時間労働者以外の労働者)の男女計の賃金額は31万8300円(前年比2.1%増)、男女別では、男性35万900円(同2.6%増)、女性26万2600円(同1.4%増)となっている。男女間賃金格差(男性=100)は74.8(前年差0.9ポイント低下)。男女計の前年比2.1%増(金額、率とも令和6年1月24日公表の速報から変わらず)は、1994(平成6)年に2.6%増となって以来29年ぶりの水準。  学歴別に賃金がピークとなる年齢階級をみると、男性では大学卒が55〜59歳52万600円、高専・短大卒が55〜59歳44万3200円、高校卒が55〜59歳36万500円、一方、女性では大学卒が55〜59歳38万6100円、高専・短大卒が50〜54歳30万3200円、高卒が50〜54歳24万7900円となっている。  短時間労働者の1時間当たり賃金は、男女計1412円(前年比3.3%増)、男性1657円(同2.0%増)、女性1312円(同3.3%増)となっている。男女別に1時間当たり賃金を年齢階級別にみると、1時間当たり賃金が最も高い年齢階級は、男性では40〜44歳で2506円、女性では30〜34歳で1488円となっている。 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/dl/12.pdf 内閣府 「生活設計と年金に関する世論調査」結果を公表  内閣府は、「生活設計と年金に関する世論調査」の結果を公表した。調査は、全国の18歳以上5000人を対象として、2023(令和5)年11月から12月にかけて実施した。  調査結果から、「何歳まで仕事をしたいか、またはしたか」についてみると、「66歳以上」と回答した人が42.6%となっている。年齢階級別では、「61〜65歳」28.5%、「66〜70歳」21.5%、「71〜75歳」11.4%の順となっている。  「61歳以上」と回答した人に、その年齢まで働きたい理由、または退職した年齢まで働いた理由をたずねた質問では、「生活の糧を得るため」が75.2%、「いきがい、社会参加のため」が36.9%。また、「61歳以上」と回答した人に、「61歳以降も収入を伴う仕事をする場合、どのような形態での就労を最も希望するか、または退職した年齢まで主にどのような形態で就労したか」をたずねた質問では、「期間従業員、契約社員、派遣社員を含む、非正規の職員・従業員」が39.5%、次いで「役員を含む、正規の職員・従業員」が34.9%、「自分で、または共同で事業を営んでいる自営業主・自由業」が12.2%となっている。  次に、厚生年金を受け取る年齢になったときの働き方についてみると、44.4%が「年金額が減らないように、就業時間を調整しながら会社などで働く」と回答。ほかには、「働かない」が23.6%、「年金額が減るかどうかにかかわらず、会社などで働く」が14.0%と続いている。 https://survey.gov-online.go.jp/r05/r05-nenkin/ 経済産業省 「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」を公表  経済産業省は、仕事をしながら家族の介護に従事する「ビジネスケアラー」を取り巻く諸課題への対応として、より幅広い企業が両立支援に取り組むことをうながすため、「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」を策定した。  ビジネスケアラーは増加傾向にあり、2030(令和12)年時点では約318万人にのぼり、経済損失額は約9兆円と試算されている。従業員が抱える介護の問題は、その個人だけでなく、パフォーマンス低下や介護離職などにつながり、結果として企業業績に影響をおよぼす可能性がある。また、共働き世帯が増加し、2023年には共働き世帯1278万世帯、専業主婦世帯517万世帯と倍以上の開きとなっているなか、家族介護のにない手は変化し、働くだれもがにない手になり得る状況にある。  本ガイドラインは、仕事と介護の両立をめぐる問題は日本の未来を左右する重要課題であるとして、両立支援を先導していくことが期待される経営層を対象にして作成された。企業が取り組むべき事項を「経営層のコミットメント」、「実態の把握と対応」、「情報発信」の三つのステップに沿って、具体的な取組みと好事例を示している。  本編のほかに、「入門編」、先進企業事例集と仕事と介護の両立支援に関する支援施策などをまとめた「参考資料集」も作成し、公表している。 ◆「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」について https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kaigo/kaigo_guideline.html