イキイキ働くための脳力アップトレーニング!  年齢とともに低下しやすいのが、「ワーキングメモリ(作業記憶)」の力です。ちょっと脳に記憶しながら(メモリ)、そこに知的作業を加えていく(ワーキング)、という力です。このじゃんけんトーナメントもメモを取らず、頭の中でチャレンジしましょう。そして、すらすらと順を追って答えられるようになるまでくり返しましょう。 第84回 負けじゃんけんトーナメント 例題 負けた方が勝ちのじゃんけんトーナメント、優勝したのはだれ? 優勝 Aグー Bチョキ Cパー Dグー 【答え】優勝はB 本題 目標1分 負けた方が勝ちのじゃんけんトーナメント、優勝したのはだれ? 1分で答えてください。メモを取ってはいけません。 優勝 Aパー Bグー Cチョキ Dグー Eチョキ Fパー Gグー Hパー 健康こそ脳の力を保つ  今回は、脳にしっかりメモをしながら、順に考えていく力が要求される問題です。脳にメモをして、そこで何かをするのは、面倒でストレスです。また、年齢を重ねるほどにこういった頭の使い方を避けるようになっていきます。しかしながら、記憶力を保持するには「脳のなかで正しくメモを取る力」が必要なため、あきらめず、順序よく考えていきましょう。  さて、WHO(世界保健機関)は2019年に認知機能低下予防のためのガイドラインを公表しています。それによると、運動、禁煙、地中海食などの健康的でバランスのとれた食事、危険で害ある飲酒行動を止めたり減らしたりすること、認知的なトレーニング、過体重・肥満・高血圧・高脂血・糖尿病への介入が、強くまたは条件つきで推奨されています。  運動すること、健康的な食事を摂ること、健康に気を使うこと、つまるところ、脳も体の一部なので、健康こそ脳の力を保つ源泉なのです。いまやSNSをのぞき込めば、さまざまな筋トレ法、運動法があふれています。しっかり運動しましょう。 篠原菊紀(しのはら・きくのり) 1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。 【問題の答え】 本題の答え→優勝はC