イキイキ働くための脳力アップトレーニング!
 今回は、空間認知力と注意の持続力を鍛える問題です。簡単に見つかるときはよいのですが、そうでないときには根気が必要です。注意の持続力は年齢とともに低下しやすい力の一つなのでこういう機会にじっくり鍛えましょう。
第85回
漢字パズル「足りない漢字は?」
左の図にはあるのに、右の図にはない漢字が一つがあります。その漢字を◯で囲んでください。
目標2分
問1
光雲風雨霜霧虹潮波雪雷
光霧雪雲潮虹波雷雨風
問2
卯午寅丑亥酉辰戌申未子巳
戌酉午寅亥辰巳子申未卯
努力をほめるのが認知機能アップにつながる
 スタンフォード大学の心理学教授キャロル・S・ドゥエック氏らによる小学5年生400人余りを対象とした実験を紹介します。
 子どもたちに比較的簡単なパズル問題を与え、パズル終了後、子どもたちに点数を伝え、ほめました。半分の子どもには、「わあ、90 点だ。あなたは頭がいいんだね」といった具合に、賢さ、その子がもともと持っている能力、素質などをほめます。一方、残りの半分の子どもには、「すごい! 90点だ。一生懸命やったね」などと、努力や直近の行動をほめます。
 それから、子どもたちには二種類のパズルを与え、「どちらでも好きなほうをやりなさい」と伝えます。一方は、最初のパズルよりむずかしいけれど、やればとても勉強になるパズル。もう一方は、最初のものと同じように楽にできるパズルです。
 結果、賢さをほめられた子どもの7割強が、楽にできるほうを選びました。一方で、努力をほめられた子どもの9割近くが、むずかしいパズル問題にチャレンジしました。
 この結果は小学5年生だけでなく、幼児や青年、中高年にもあてはまると考えられています。
篠原菊紀(しのはら・きくのり)
1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。
【問題の答え】
問1
雷雪光雲風雨霜霧虹潮波
問2
巳子卯午寅丑亥酉辰戌申未