BOOKS できるリーダーは、「共感・支援」型!! すぐに実践したくなる秘訣が満載! リーダーシップは見えないところが9割 吉田(よしだ)幸弘(ゆきひろ) 著/青春出版社/1100円  目標達成に向けて、どのようにリーダーシップを発揮するのか。求められるリーダーの姿は、時代によって変化しているようだ。  人材コンサルタントとして3万5千人以上の管理職の育成にたずさわってきた本書の著者は、変化が激しく、価値観が多様化しているこれからの時代に求められるリーダーシップは「指示命令型」ではなく「共感型」であり、部下に直接命令して「やらせる」のではなく、部下が自主的に「やりたくなる」しかけをつくることが、リーダーの重要な役割になる、と説く。そして、できるリーダーには、部下をさりげなくフォローしたり仕事の流れを整えたりという、「見えないところ」で働きかけをして部下をうまくサポートしている共通点がみられるという。  本書は、そうしたリーダーが「見えないところ」で行っている部下育成や仕事の工夫、チーム力を高めるための習慣などをまとめている。部下育成については、役職定年や定年後再雇用で最近増えている「年上部下」にも注目し、年上部下のタイプ別にモチベーション向上への対応などを説いている。  リーダーシップのスキルに加え、自分を高めるためのノウハウも学べるビジネス書である。 充実した人生を送り心から満足するために。意識を変革させる一冊 後悔しない時間の使い方 ティボ・ムリス 著、弓場(ゆみば)隆(たかし) 訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン/1980円  「つい先延ばしにしてしまう」、「集中力が続かない」、「『時間がない』という不平や口実をいい続けている」…。いずれも「自分のことのようだ」と胸に手をあてた人が多いのではないか。  「できるかぎり有意義な時間を過ごし、なるべく後悔せずに充実した人生を送るにはどうすればいいだろうか?」。本書は、この問いをメインテーマにして、後悔しない時間の使い方を伝えていく。時間管理術のようなノウハウを学ぶものではなく、意識改革をうながす内容だ。五つのサブテーマ(生産性の本質を理解する、時間に対する認識を改める、有意義な時間を過ごす、時間を有効に使う、驚異的な集中力を養う)について、その意義を学んだり考えたりしながら、「時間」に対するとらえ方を変えていく。  例えば、生産性に関するサブテーマでは、先延ばし癖の本質とその克服法を取り上げ、先延ばしする理由を八つあげて、対処法を示している。解説の合間には、読者が自身を見つめるための「エクササイズ」がいくつか散りばめられていて、飽きずに読み進めることができる。  年齢にかかわらず、「時間を大切にして、より大きな充実感を得たい」と望んでいる人にとって有意義な一冊といえるだろう。 これからの時代に必須なスキル、ChatGPTの基礎から応用まで 基礎からDALL・E、GPTsまで徹底解説 ChatGPTスゴイ活用術 AI部 著/マイナビ出版/2288円  ChatGPTは、2022(令和4)年11月に発表された。以降、ものすごい勢いで世界にユーザーが増えている。ChatGPTのサイトで質問したいことをテキストで入力すると、すぐに回答してくれるAIのサービスだが、まるで人間と対話しているような自然な文章で答えてくれることで注目を集めた。文章の作成や要約、翻訳、プログラミングを行うこともできる。しかも、さまざまな言語に対応している。  本書は、ChatGPTの基礎知識から応用的な活用方法まで網羅的に紹介。本書を読むことで、ChatGPTを効果的に活用する方法を理解することが期待できる。  大きく3部構成で、はじめに基礎知識の紹介。次に、シーン別(「仕事で使う」、「学習に使う」、「プログラミングに使う」、「クリエイティブに使う」、「日常生活や遊びで使う」)の活用術の解説。さらに、画像生成や応用的な活用方法、AIの未来、現状の課題を紹介している。  ChatGPTの登場により、AI活用の分野は急速に広がっている。AI活用のスキルは、これからの時代に必須といっても過言ではないだろう。知っておきたい知識がまとめられた本書は、一読の価値がある実用書である。 すぐ読んで、すぐ安心。メンタル&体調不良の症状や対処法がわかる実用書 職場の医学事典 池井(いけい)佑丞(ゆうすけ) 著/ワニブックス/1650円  働く人の健康問題は、「毎日忙しい」、「受診や治療に抵抗がある」、「検査に行くのが面倒」などさまざまな理由から放置されがちだ。  産業医である著者は、「多くの労働者が未治療の不健康状態を抱え、その影響が個人の幸福、仕事のパフォーマンス、そして生産性に深刻な影響を及ぼしていることを日々実感しています」と本書の「はじめに」で綴っている。  本書は、働く人々に向けて、病気や検査に関する基本的な知識をわかりやすくまとめた医学の実用書である。頭痛や腹痛などの身近な症状をはじめ、会社員に多い精神疾患、毎年受ける健康診断にかかわる検査と病気についての解説のほか、睡眠や日光浴など健康のためのおすすめ習慣も紹介。多くは症状別に書かれているので、日々の生活で健康に関する疑問が生じたときや、具体的な健康管理の方法を知りたいときに、辞書のように活用できる。  さらに、産業保健に関する基本情報や、最近よく聞く「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」、「インターネット依存」の影響など働き方と健康にかかわる最新動向についても紹介。職場に置いて、従業員が気軽に手に取れるような一冊としてもおすすめしたい。 「定年はただの通過点」。医師が説く、すぐに始められる心と体の整え方 老後をやめる 自律神経を整えて生涯現役 小林(こばやし)弘幸(ひろゆき) 著、石井(いしい)晶穂(あきほ) 編集協力/朝日新聞出版/924円  老後を想像したとき、お金、健康、孤独などをあげて、多くの人が不安を口にする。そうした「老後不安」をいかにコントロールするかが、「人生の後半戦を幸せなものにするカギとなる」と、医師で、腸と自律神経研究の第一人者である著者は指摘。そして、老後不安をなくす方法として、「老後をやめる」を提案する。  生涯現役で働いている人たちの生活は、老後とはいわれない。趣味やボランティア活動も同じだという。仕事や趣味などの活動に励み、身につけたスキルを活かしたり、人と出会ったり、感謝されたりして日々をイキイキ、ワクワクして生きている人は、何歳であっても老後ではなく、つまり老後不安を解消、少なくとも軽減することが可能だと著者は説く。  そのうえで、定年は「通過点」ととらえ、3年ほど前から準備をして、定年のその日からやりたいことに突き進む、という生涯現役で毎日をワクワクして生きるための心と体の整え方を、医師としての知見をふまえて伝授する。「寝る前の『3行日記』」、「やりたいことが見つかる108のリスト」など、すぐに始めたくなる習慣や胸が躍るような方法が紹介されていて、読むことで人生の新たな楽しみが見つかりそうだ。 ※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「税込価格」(消費税を含んだ価格)を表示します