イキイキ働くための脳力アップトレーニング!  今回は「不等号ナンプレ」。「ナンプレ」、「数独」と呼ばれている脳トレをひとひねりしています。わかりにくいルールの理解も、記憶や情報を一時的に保持しながらあれこれ考えるワーキングメモリ(作業記憶)を使います。しっかりルールを理解し、ワーキングメモリを使って答えましょう。 第87回 不等号ナンプレ 目標 4分  タテ、ヨコのそれぞれの列に、1から7までの数字が必ず一つずつ入ります。マスの間にある不等号は、上下左右それぞれのマスに入る数字の大小を表しています。  空いているすべてのマス目を埋めて完成させましょう。 □<6>2<5>3>1<□ ∧ ∨ ∨ ∨ ∧ ∧ ∨ 6>3>□<2<□<7>5 ∨ ∧ ∧ ∧ ∨ ∨ ∨ 3<□<6<□>2<□>1 ∨ ∧ ∨ ∨ ∧ ∧ ∧ □<7>4>□<5<6>□ ∧ ∨ ∨ ∧ ∧ ∨ ∧ 2>□<3<□<7>□<6 ∧ ∧ ∧ ∨ ∨ ∨ ∨ 5>4<□>1<□>2<3 ∧ ∨ ∨ ∧ ∨ ∧ ∧ □>2<5<6>1<3<□ 「年をとると脳は衰える一方」という間違った常識  「脳を鍛えましょう」、「認知機能(頭の働き)の低下を予防しましょう」などと聞くと、「ああ、年をとると脳はダメになっていく。衰える一方だからそれを防ごう、という話なんだ」と思われる人が多いかもしれません。  しかし、実際のところ、脳は強力な「メモリーマシン」であり、これまでつちかってきた人生のなかでのさまざまな知識や経験が蓄えられています。そして50歳、60歳…90歳、100歳になっても、新しい記憶はどんどんインプットされ続けます。  もちろん、新しい知識や経験を脳に入れたり、出したり、組み合わせたりしていく力は年齢とともに低下していくのは仕方がありませんし、若い人のほうが優れているのはその通りです。しかし、脳に蓄積された知識や経験の総量は、年齢を重ね、経験を重ねた脳のほうが豊富になっていきます。  つまり、今回の脳トレ問題にチャレンジすることも含めて、「脳を鍛える」ことは、若いころの脳に戻ろう、ということではなく、「年齢を重ねたからこそ充実した脳の特性を、最大限に活かしていく」ことなのです。 篠原菊紀(しのはら・きくのり) 1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。 【問題の答え】 4<6>2<5>3>1<7 ∧ ∨ ∨ ∨ ∧ ∧ ∨ 6>3>1<2<4<7>5 ∨ ∧ ∧ ∧ ∨ ∨ ∨ 3<5<6<7>2<4>1 ∨ ∧ ∨ ∨ ∧ ∧ ∧ 1<7>4>3<5<6>2 ∧ ∨ ∨ ∧ ∧ ∨ ∧ 2>1<3<4<7>5<6 ∧ ∧ ∧ ∨ ∨ ∨ ∨ 5>4<7>1<6>2<3 ∧ ∨ ∨ ∧ ∨ ∧ ∧ 7>2<5<6>1<3<4