日本史にみる長寿食 FOOD 372 ブロッコリーは野菜の王様 食文化史研究家● 永山久夫 栄養の宝庫  ブロッコリーが、このところ、健康野菜の王様のように人気を呼んでいます。  抗酸化作用の強い成分が豊富に含まれ、老化を防ぐ作用で人気を集めているのです。私は今年で92歳になりましたが、ブロッコリーが大好きで、ゆでてマヨネーズをかけては、「うまい、うまい」と毎日のように口に運んでニコニコ。  ブロッコリーはイタリアを中心とした地中海沿岸が原産地といわれる、アブラナ科の野菜です。日本には明治時代に渡来しましたが、その栄養価が注目され1970年代ころからよく食べられるようになりました。  老化を防いだり、免疫力を強化するうえで欠かせないビタミンCはホウレンソウより多く、ブロッコリー100g中に約140mgも含まれています。  ビタミンB群の仲間である葉酸は水溶性なので、手早くゆでないと減ってしまいます。私は固ゆでぐらいにして、コリコリと食べるようにしています。生に近い噛みごたえですが、かすかな甘味が感じられ、長生きできそうな食感があります。 抗酸化作用で老化防止  ブロッコリーはカロテンが豊富で、ビタミンCやビタミンEも多く含まれています。どれも抗酸化作用があり、体の細胞が丈夫になり、動脈硬化や老化の防止などにも効果があるといわれています。  豊富に含まれているビタミンEには、抗酸化作用に加えて、血行をよくする働きがあり、脳の若返りが期待できますから、情報化時代に働く現代人にとっては、大切な野菜といってよいでしょう。  ブロッコリーは、濃い緑色で花蕾(からい)がふっくらと盛り上がっていて、根元の切り口がみずみずしいものを選びましょう。花蕾は、中央がこんもりしていて、かたく締っているのが栄養効果も高いとみてよいでしょう。  温かい所に置くと、すぐに花蕾が開いて、黄色くなり、日持ちも悪いので、早めに食べてしまうことが大切です。