BOOK すぐに実践できる3ステップ。仕組みを変えたら部下が育った! 部下の育成は仕組みが9割 〜6000の現場で磨かれた実践メソッド 岡本(おかもと)陽(あきら) 著/みらいパブリッシング/1650円  性別や年齢などの違いを尊重し多様な人材を受け入れて、個々の特性を活かし、生産性を向上させる組織づくりが求められる現代。新人の育成やベテランのモチベーション維持などに悩むリーダー、管理職が増えているという。  本書は、手のかかる部下への向き合い方に悩む上司に向けて、「部下を変える」のではなく、「育成の仕組みを変えることで、人が変わり、結果として組織を変えていく」方法を説く。  その方法とは、人材育成コンサルタントの著者が約6000の現場と向き合い、どんな企業でも対応できるように磨いた「部下を成長させる仕組みづくり」。現場ですぐに取り組むことができるという内容で、「基礎編(部下を育成するための土台づくり)」と「実践編(3ステップ)」からなる。基礎編では、おもにコミュニケーションのとり方を、実践編のステップ1では、部下を必要以上に悩ませず「習慣化で経験値を蓄積させる」などの対応ポイントをていねいに解説。ステップ3まで実践することで、部下の変化、成長を実感するという。ある会社では、この方法によって社員間のコミュニケーションが増えて、離職者が激減、仕事の質が向上したという成功事例や現場からの声も掲載されている。 92歳の著者が説く、食べ物の「健康サポートパワー」 食べて、100歳 サプリメントより滋養食 永山(ながやま)久夫(ひさお) 著/きずな出版/1540円  著者の永山久夫さんは、食文化史研究家であり、本誌では「日本史にみる長寿食」の連載でおなじみだ。古代から明治時代までの食事復元の第一人者で、「長寿食」や「健脳食」の研究者としても知られる。今号の前ページでは、2024(令和6)年に92歳になったと、ご自身の年齢を明かしている。サプリメント類は飲んでおらず、「野菜や果物、豆などを美味しく食べて仕事をしています」と記す生涯現役の実践者でもある。  90年間の食生活を通して、「食べ物や料理には強力な健康サポートパワーがある」ことを永山さんは心得た。本書は、食材や料理、歴史の偉人たちの食の知恵なども紹介しながら、そのパワーをふんだんに楽しく伝えている。  第1章では100歳に向けて、「健康力」と「長寿力」を養うのに役立つニンニクや、若返り効果が期待できるワカメの味噌汁の魅力など身近な食べ物の滋養を説明。さらに、江戸っ子の元気、免疫力アップ、不老長寿をテーマに、今日から取り入れたくなるような食の話題が続く。また、「長く生きるためには、長く働く」ことが永山さんの考える長寿社会の生き方だと綴り、「大いに食べて楽しく稼ぎましょう」と呼びかける。身体にも心にも元気を与えてくれる一冊。 ※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「税込価格」(消費税を含んだ価格)を表示します