イキイキ働くための脳力アップトレーニング!  今回のテーマは、マッチ棒を使ったクイズです。頭の中で考えながらマッチを移動する際には、空間認知力、ワーキングメモリの力が必要になります。また、答えを悩み考えている間、ずっと注意を保つ、注意の持続力も必要です。じっくり考え、脳をしっかり鍛えましょう。 第79回 マッチ棒パズル 目標5分 マッチ棒を1本だけ動かして、正しい計算式にしてください。 @5+12=18 A5+8=1 B9−2=8 ●マッチ棒の数字は下記の形を使用します。 注意力の種類  今回は注意力強化を図る脳トレです。うっかりミスが多くなった、なかなか集中できない、気が散りやすい、といったことが気になる方は特にチャレンジしてみてください。  神経科学の分野では、「集中力」という言葉はあまり使わず、「注意」「注意力」をよく使います。  注意は大きく三つに分けて調べられます。「選択的注意」、「分散的注意」、「持続的注意」です。  一つめの「選択的注意」は、どこか注目すべきところに注意を向け、ほかは無視するという注意です。一般的に「注意力」や「集中力」と呼ばれるものは、大体が「選択的注意」をさします。  二つめの「分散的注意」は、どこかに注意を向けつつも全体に気を配る注意です。これは生き物にとって重要な注意力であり、現代でも集団でのコミュニケーションの場面などでは必須となってきます。  三つめの「持続的注意」は、「選択的注意」や「分散的注意」を続けることです。集中力というのは概ね「選択的注意」の「持続力」のことをさします。  この機会に、漠然とでもよいので、注意力の種類を知りましょう。 篠原菊紀(しのはら・きくのり) 1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。 【問題の答え】 @5+13=18 A9−8=1 B8−2=6