イキイキ働くための脳力アップトレーニング!  今回は「類義語」、「対義語」について考える問題です。考えるだけではなく、漢字をしっかり書きましょう。自分で書く習慣がなくなると、わかっているようでも、書いてみると書けない字が出てきます。漢字を書くことは、一種の技の記憶になるので忘れにくいのですが、やはり長い間書いていないと、書けなくなってしまいます。ときには筆記具を使ってしっかりと書いてみましょう。 第80回 類義語・対義語 目標10分 熟語の類義語(意味が似ている言葉)、対義語(逆の意味の言葉)を考えましょう。 右側の空欄を埋めてください。 類義語 例) 規定≒規則 @ 技量≒手□ A 快活≒活□ B 内訳≒□細 C 綿密≒□心 D 方法≒□段 E 冷酷≒□道 F 思慮≒□別 G 由緒≒来□ H 権威≒□家 I 理解≒会□ 対義語 例) 上昇⇔下降 @ 天然⇔人□ A 悲観⇔□観 B 華美⇔□素 C 模倣⇔□造 D 薄暮⇔黎□ E 理論⇔実□ F 寛大⇔□量 G 検挙⇔□放 H 集結⇔□開 I 優勝⇔□敗 脳を動かす漢字の力  現代では、パソコンやスマ―トフォンなどで文章を書くことが多くなりました。脳に刺激を与えるなら、手書きに勝るものはありません。なかでも、漢字を書くことには大きな効果があります。  漢字には、字形、書き順、意味など多彩な要素があり、書くことで後頭葉、頭頂葉、側頭葉などが活性化します。おもに後頭葉は、漢字を視覚的に処理します。また、頭頂葉は書き順などの動きにかかわり、側頭葉では、意味の理解にかかわります。  最近、大学院生を対象に、「漢字を書く能力」と「言語的な知識」と「文章作成能力」の関連を調べた興味深い調査結果が報告されました。そこでわかってきたのは、「漢字を書く能力」が高いと「言語的な知識」が豊富になるということ、また「言語的な知識」を介して「意味密度」が高まるということです。  「意味密度が高い」とは、文章のなかに多くの意味がある単語と単語の結合が使われていることをさし、文章作成能力の高さを示します。つまり、多くの漢字を書くことが言語力や文章力を高め、脳を活性化させるということを表しています。 篠原菊紀(しのはら・きくのり) 1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。 【問題の答え】 類義語 @ 技量≒手腕 A 快活≒活発 B 内訳≒明細 C 綿密≒細心 D 方法≒手段 E 冷酷≒非道 F 思慮≒分別 G 由緒≒来歴 H 権威≒大家 I 理解≒会得 対義語 @ 天然⇔人工 A 悲観⇔楽観 B 華美⇔質素 C 模倣⇔創造 D 薄暮⇔黎明 E 理論⇔実践 F 寛大⇔狭量 G 検挙⇔釈放 H 集結⇔散開 I 優勝⇔劣敗