イキイキ働くための脳力アップトレーニング!  今回は、果物イラスト問題です。たくさんの果物のなかからイチゴだけを探したり、サクランボだけを数えたりするというような、特定の種類だけを探したり、数えるのは、なかなか根気がいります。このとき、眼球のコントロールにかかわる前頭眼野や頭頂間溝(とうちょうかんこう)のほか、がまんにかかわる右の前頭葉の下側も活性化しています。集中力アップだけでなく、粘り強いがまん力も鍛えられます。 第82回 果物イラスト問題 @〜Cの質問に答えてください。 …バナナ …イチゴ …サクランボ 目標 5分 @イチゴは何個ありますか? □個 Aイチゴとバナナではどちらが何個多いですか? が□個多い Bサクランボはすべて1房に2個ついています。 全部で何個ありますか? □個 Cすべてのバナナを3 等分して食べます。 全部で何切れになりますか? □切れ 見ることが集中のはじまり  私たちの脳は、一つのことに集中し始めると、前頭葉の一部から強い信号が送られ、前頭葉から頭頂葉が活性化します。このとき眼球運動が制御されます。  集中できないとき、余計なことに集中してしまうときは、今回の脳トレのような眼球を動かす問題にチャレンジしてみるとよいでしょう。眼球運動をすることで、集中できない状態に眼球が制御されてしまったのを、一旦解除することができます。  しっかり見ること、眼球を動かすことが、集中力を高める第一歩になります。どうしても視線が泳いでしまう人は、シールを貼ったりマークをつけたりして目印をつけましょう。  また、手を動かしたり嗅覚を刺激したりすることでも集中力は高まります。勉強や仕事などで蛍光ペンを使う、アンダーラインを引くなども大事な集中力アップ方法です。  パソコンを使用している場合は、パソコンの四隅(よすみ)を目で追っていくだけでも切り替えることができ、集中できるでしょう。 篠原菊紀(しのはら・きくのり) 1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRS を使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。 【問題の答え】 @21 Aイチゴ・9 B38 C36