集中連載 マンガで学ぶ高齢者雇用 教えてエルダ先生! Season3 第2回 65歳超雇用推進助成金活用のススメ 〈前回のあらすじ〉 株式会社ジード製作所は製造業を営む中小企業。このたび、高齢者雇用を推進するためエルダのもとを訪れ、65歳超雇用推進助成金の利用をすすめられた。 図表1 定年廃止・引上げと継続雇用制度の違い(典型例) 定年廃止・定年引上げ 継続雇用 雇用形態 正社員 嘱託社員など 雇用期間 期間の定めなし 1年更新 労働時間 フルタイム勤務 フルタイム勤務、またはパートタイム勤務 人事評価 定年まで同様の制度 定年を機に変更 ※『エルダー』2023(令和5)年8月号 三島寛之「『定年延長』か『再雇用』か、意思決定するために」より一部改変 https://www.jeed.go.jp/elderly/data/elder/book/elder_202308/#page=13 図表2 65歳超継続雇用促進コースの支給額 実施した制度 定年引上げまたは定年の廃止 継続雇用制度の導入 引上げた年齢 対象被保険者数 65歳 66〜69歳 5歳未満 5歳以上 70歳以上※1 定年の定めの廃止※1 66〜69歳 70歳以上※2 1〜3人 15万円 20万円 30万円 30万円 40万円 15万円 30万円 4〜6人 20万円 25万円 50万円 50万円 80万円 25万円 50万円 7〜9人 25万円 30万円 85万円 85万円 120万円 40万円 80万円 10人以上 30万円 35万円 105万円 105万円 160万円 60万円 100万円 ※1 旧定年年齢が70歳未満のものにかぎります ※2 旧定年年齢および継続雇用年齢が70歳未満のものにかぎります そのほか、「他社による継続雇用制度の導入」の場合も、申請内容に応じて支給されます(上限15万円)。詳しくはJEEDホームページをご覧ください。 https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/index.html −支給対象とならない場合の例− ●定年年齢が職種等区分により異なっており、もっとも低い定年年齢が引き上げられていない。 ●職種区分により、定年年齢が引き下げられている職種がある。 ●定年は引き上げられているが、定年後の継続雇用の上限年齢が引き下がっている。 ●定年引上げ実施後は継続雇用制度を定めておらず、定年年齢が旧継続雇用年齢を下回っている。 など ■支給申請期間 制度実施月の翌月から起算して4カ月以内の各月月初から15日まで★、JEEDの各都道府県支部へ持参、郵送、またはe-Govで電子申請。 ★15日が土日祝日にあたる場合は翌開庁日 [例] 4月1日に制度を実施した場合、5〜8月の各月1〜15日が申請期間となる ★このマンガに登場する人物、会社等はすべて架空のものです ※1 本連載の第1回は、JEEDホームページからもご覧になれます。 https://www.jeed.go.jp/elderly/data/elder/book/elder_202507/index.html#page=32 ※2 JEED各都道府県支部については、65ページをご覧ください。東京・大阪支部は、高齢・障害者窓口サービス課が窓口となります 次号につづく 集中連載 マンガで学ぶ高齢者雇用 解説 教えてエルダ先生! Season3 65歳超雇用推進助成金活用のススメ 第2回 65歳超継続雇用促進コースを活用しよう!  高齢者雇用を推進していくうえでは、就業規則の見直しおよび賃金制度や労働条件の見直し、安全・健康管理をはじめとした職場環境の改善等の検討は欠かせません。  特に就業規則の改正には、企業の実情に合わせた制度設計やコンプライアンスの観点から社会保険労務士などの専門的な支援が欠かせませんが、そのための経費も発生します。決して小さくはないその負担を軽減できるのが、「65歳超雇用推進助成金」です。今回は、そのなかの「65歳超継続雇用促進コース」についてご紹介します。 Check1 65歳超継続雇用促進コース  65歳以上への定年引上げ、定年の定めの廃止、希望者全員を対象とする66 歳以上への継続雇用制度の導入などを行った事業主に対して、導入する措置や対象人数に応じて、160万円まで支給されます。 【実施する措置と支給額】 ●65歳以上への定年の引上げ/定年の定めの廃止 60歳以上被保険者数 65歳 66〜69歳 〈5歳未満の引上げ〉 〈5歳以上の引上げ〉 70歳以上 定年の定めの廃止 1〜3人 15万円 20万円 30万円 30万円 40万円 4〜6人 20万円 25万円 50万円 50万円 80万円 7〜9人 25万円 30万円 85万円 85万円 120万円 10人以上 30万円 35万円 105万円 105万円 160万円 ●希望者全員を対象とする66歳以上への継続雇用制度の導入 60歳以上被保険者数 66〜69歳 70歳以上 1〜3人 15万円 30万円 4〜6人 25万円 50万円 7〜9人 40万円 80万円 10人以上 60万円 100万円 ●他社による継続雇用制度の導入 66〜69歳 70歳以上 支給上限額 10万円 15万円 ※上記表の支給額を上限に、申請事業主が他社の就業規則等の改正に要した経費の2 分の1の額を助成 (注)60歳以上被保険者数とは、支給申請日の前日において1年以上継続して雇用されている60 歳以上の雇用保険被保険者の数となります。 Check2 支給は1回かぎり  65歳超継続雇用促進コースの支給は、1事業主(企業単位)につき1回かぎりとなります。65歳以上への定年引上げ、定年の定めの廃止、66歳以上への継続雇用制度の導入など就業規則を改正する際は、専門家等へご相談ください。 お問合せ JEED各都道府県支部高齢・障害者業務課(東京・大阪は高齢・障害者窓口サービス課) ※各支部の問合せ先は65ページをご参照ください。