ニュース ファイル NEWS FILE 行政・関係団体 厚生労働省 令和6年度「過労死等の労災補償状況」を公表  厚生労働省は、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患、仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の労災補償状況についてまとめた、令和6年度「過労死等の労災補償状況」を公表した。  それによると、脳・心臓疾患の労災請求件数は1030件で、前年度と比べ7件増加した。また、業務上認定されたのは241件(当該年度内に業務上認定された件数で、当該年度以前に請求があったものを含む。以下同じ)で、前年度と比べ25件増加している。請求件数、業務上認定件数ともに3年連続の増加となった。年齢別にみると、請求件数は「50〜59歳」411件、「60歳以上」348件、「40〜49歳」213件の順で多く、支給決定件数は「50〜59歳」129件、「40〜49歳」60件、「60歳以上」44件の順に多くなっている。  次に、精神障害についてみると、労災請求件数は3780件で、前年度と比べ205件増加した。また、業務上認定されたのは1055件で、前年度と比べ172件増加している。請求件数は4年連続の増加、業務上認定件数は7年連続の増加となった。なお、精神障害にかかわる労災請求事案には、精神障害の結果、自殺(未遂を含む)に至った事案があるが、2024年度は3780件中202件(うち業務上認定88件)となっている。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59039.html 厚生労働省 「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績(令和6年度)」を公表  厚生労働省は、都道府県労働局や公共職業安定所(ハローワーク)における「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績(令和6年度)」を公表した。  それによると、障害者差別および合理的配慮の提供に関する2024(令和6)年度の相談件数は438件で、前年度に比べて193件増加した(対前年度比78.8%増)。相談者の内訳は、障害者からが391件、事業主からが32件、その他(家族等)が15件。相談内容をみると、障害者差別に関する相談は98件、合理的配慮の提供に関する相談は340件となっている。  障害者差別に関する相談内容についてみると、「募集・採用時」が最も多く全体の28.2%、次いで「配置」、「解雇」がどちらも同14.6%。合理的配慮の提供に関する相談内容についてみると、「上司・同僚の障害理解に関するもの」(全体の27.4%)、「相談体制の整備、コミュニケーションに関するもの」(同15.7%)、「業務内容・業務量に関するもの」(同13.2%)が多かった。  また、都道府県労働局長による紛争解決の援助申立受理件数は2件、障害者雇用調停会議による調停申請受理件数は11件となっている。  障害者雇用促進法は、すべての事業主に対して、募集・採用、賃金などの雇用に関するあらゆる局面において、障害を理由に不当な差別をせず、障害者が職場で働くにあたっての支障を改善するべく個別の対応や支援を行うことを義務づけている。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58773.html 厚生労働省 令和6年度「能力開発基本調査」の結果を公表  厚生労働省は、令和6年度「能力開発基本調査」の結果を公表した。同調査は、企業が実施した教育訓練、キャリア形成支援などについて、常用労働者30人以上の企業および事業所、またそこで働く労働者を対象としている。  調査結果をみると、教育訓練の実施状況は、計画的なOJTを実施した事業所割合は、正社員では61.1%(前回60.6%)、正社員以外では27.1%(同23.2%)となっている。  技能継承の取組みを行っている事業所の割合は84.6%となっており、産業別にみると、「製造業」(94.9%)、「建設業」(94.3%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(93.4%)で9割を超えている。取組み内容の内訳をみると、「中途採用を増やしている」(56.4%)が最も多く、次いで「退職者の中から必要な者を選抜して雇用延長、嘱託による再雇用を行い、指導者として活用している」(49.6%)、「新規学卒者の採用を増やしている」(33.8%)と続いている。  また、2023年度に自己啓発を実施した労働者の割合は、36.8%(前回34.4%)となっている。雇用形態別の実施率は、正社員45.3%、正社員以外15.8%となっている。年齢別にみると、30歳以上では、「30〜39歳」(45.0%)、「40〜49歳」(38.3%)、「50〜59歳」(31.4%)、「60歳以上」(20.6%)と、年齢階級が高くなるほど実施率が低くなっている。 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00202.html 内閣府働く女性の更年期症状に関する調査結果を発表  内閣府経済社会総合研究所(ESRI)は、働く女性の更年期症状に関する調査結果と分析内容を発表した。  日本では45〜54歳の女性の就業率が80%を超え、職場における健康課題として更年期対策が必要になっているが、働く女性の更年期症状の改善や予防に役立つエビデンスの蓄積は少ないことなどから、同調査と研究は2021(令和3)年9月、民間調査会社に登録している45〜56歳の働く女性を対象に実施。有効回答から2731人を分析対象とし、働く女性の更年期症状に有意に関連する因子などについて検討した。  それによると、「更年期症状の症状がない〜軽症」に分類されるSMI(更年期症状の程度を評価するための簡略更年期指数)25点以下は、2731人中1638人(全体の60.0%)。「中等症〜重症」とされるSMI26点以上は、1093人(同40.0%)であった。また、更年期症状の緩和や予防のため、市販薬を含む医薬品等を使用する人は530人(同19.4%)で、更年期症状に対する医薬品等を使用しながら働く女性は少なくなかった。  「中等症〜重症」に影響を及ぼす因子として、個人の身体状況に関連する3因子(肥満度、閉経移行期・閉経状態、婦人科疾患の既往歴)と、労働環境に関連する2因子(5s以上の重量物の持ち上げが1日1回以上ある、月に1回以上の深夜勤務)との有意な関連が認められたとしている。 https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/archive/e_dis/2025/e_dis401.html 調査・研究 マイナビ 「シニア(本調査では65歳以上)のアルバイト調査(2025年)」の結果発表  株式会社マイナビは、「シニアのアルバイト調査(2025年)」結果を発表した。  調査は、アルバイト就業中の65歳〜79歳の男女を対象として実施。有効解答数は1446件。  それによると、65歳以上のアルバイト就業者の3人に2人が、雇用形態において希望通りの働き方であることがわかった。アルバイトの目的は「生活費のため」が46.9%で最も高く、次いで「健康維持のため」が38.1%、「健康的な生活リズムを作るため」が33.7%となっている。  次に、定年退職経験者に、定年後の仕事内容や働き方に関する「イメージギャップ」を聞いた結果についてみると、「思ったより給料が少ない」が45.0%で最も高く、「思ったより年収が下がった」が43.7%、「思ったより仕事の自由度が高い」が42.4%。また、「思ったより仕事にやりがいがある」が40.7%、「思ったより責任が軽い」が40.0%となっており、収入面ではネガティブなギャップがみられる一方で、自由度ややりがいといった項目に関してはポジティブなギャップもうかがえた。  調査担当者は、「多面的な実態を踏まえると、人手不足が進む中で、シニア就業を単なる労働力確保と捉えるのではなく、個人の生き方や社会との関わりを支える重要な役割として捉える視点が、より一層求められると考えます」と述べている。 https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250626_97147/ 発行物 生命保険文化センター 小冊子『ねんきんガイド−今から考える老後保障−』を改訂  公益財団法人生命保険文化センターは、小冊子『ねんきんガイド−今から考える老後保障−』(B5判、カラー68ページ)を改訂した。  この冊子は、老後をどのように暮らしていくのか、そのためにはどのような経済的準備が必要なのかを考えるときに参考にできる最新情報を掲載し、公的年金制度の基礎知識、個人年金保険の仕組みや契約時の注意点などを、図表や具体例を用いてわかりやすく解説している。  改訂(2025(令和7)年6月)のおもなポイントは、次の通り。 ◆2025年度の年金額や加算額などを掲載し、事例計算や年金額早見表などを更新 ◆制度改正などを反映し、最新情報を掲載(育児期間の国民年金保険料の免除、高年齢雇用継続給付の給付率の引下げ、iDeCo(イデコ)の拠出限度額の引上げや退職所得控除額の調整期間の延長、公的年金にかかる所得税など) ◆次期年金制度改正にむけて検討が進められている内容を補足説明(社会保険の適用拡大、配偶者や子どもへの加算の見直し、在職老齢年金の支給停止調整額の引上げなど) ◆掲載データの最新化 ※一冊200円(税込・送料別)。申込みは、左記ホームページから、またはFAX・郵送で。 https://www.jili.or.jp/press/2025/10027.html