イキイキ働くための脳力アップトレーニング!  今回は集中力のトレーニングです。歳をとると注意力のうち、特に、注意の持続力が低下したり、根気よくやり続ける力が枯渇したりしやすくなります。加えて、視力が落ちると見間違えも増えてしまいます。それでもがんばって、答えを見つけ続けることで、注意の持続力や集中力アップのトレーニングができます。 第99回 目標 4分 数字ぷちぷち 最初に「1」を探してください。 1を見つけたら、1から順番になるべく早く最後まで数字を塗り つぶしましょう。 19 38 40 27 37 45 29 26 46 18 28 35 36 17 25 16 43 15 31 14 34 47 24 13 30 41 21 2 9 3 8 11 7 12 6 5 22 20 44 1 10 48 4 39 42 23 33 32 「しっかり見ること」こそが集中力の根源  集中力の根源は「しっかり見ること」です。集中力には、脳の「前頭前野(ぜんとうぜんや)」という部位が深く関係しています。ここは意志力や判断力、感情のコントロールなどをにない、人間らしさの根幹とも考えられる部分です。さらに、この前頭前野には「前頭眼野(ぜんとうがんや)」といって眼球のコントロールにかかわり、注意力、集中力の中枢ともいえる部位があります。  何かに集中しようとしたとき、気が散ってしまう場合は、まず対象をしっかり見ましょう。また、前頭前野の下側には、「がまん」に関連する部位もあります。注意が続かないとき、ここの活動が落ちています。しっかり見る、見続ける、これは訓練で鍛えられます。ですから、「自分には集中力がない」とあきらめる必要はありません。  今回の問題のように、たとえ数分間だけでも目の前の課題に集中することをくり返せば、少しずつ「集中し続ける力」が身についていきます。最初は数分でもかまいません。そこから十数分、数十分と段階的に時間を伸ばしていくのがコツです。 篠原菊紀(しのはら・きくのり) 1960(昭和35)年、長野県生まれ。人システム研究所所長、公立諏訪東京理科大学特任教授。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。 一言  最後まで数字を塗りつぶすまでに目標時間以上かかった人は、目標時間内に塗りつぶせるように再チャレンジしましょう。