新連載 諸外国の高齢化と高齢者雇用 第1回 アメリカ合衆国 独立行政法人労働政策研究・研修機構 人材開発部門 副統括研究員 藤本(ふじもと)真(まこと)  世界でもっとも高齢化が進行している国が日本であることは、読者のみなさんもご存じだと思いますが、高齢化は世界各国でも進行しており、その国の法制度に基づき、高齢者雇用や年金制度が整備されています。本連載では、全6回に分けて、各国における高齢者雇用事情を紹介します。第1回は「アメリカ合衆国」です。 「年齢による雇用差別禁止法」により違法となる定年制  日本では一般的な定年制=一定の年齢に到達したことを理由に雇用契約が終了する制度を、年齢による差別として違法とし、禁止する国・地域があります。そうした国・地域としてもっとも著名なのが、「年齢による雇用差別禁止法」(Age Discrimination in Employment Act、以下、「ADEA」)を制定・施行しているアメリカ合衆国(以下、「アメリカ」)です。  ADEAは1967(昭和42)年に、公民権運動など社会におけるさまざまな差別を解消していこうとするトレンドのなかで制定されました。その目的は、年齢が能力に影響するという根拠のない思い込みによって高齢労働者が雇用において直面しうる不利益に対処することです。ADEAは、従業員が20人以上の雇用主(国や州を含む)を対象とし、40歳以上の労働者を、採用、賃金、解雇、昇進、労働条件など、雇用のあらゆる場面で年齢を理由に差別することを禁止しています。また同法は、職業紹介所が年齢を理由とする職業紹介の拒否その他の差別を行うことや、労働組合が年齢を理由として組合員資格の剥奪やその他の差別を行うことを禁じています。1967年の制定当初は、65歳までの労働者に対する差別が禁止対象となっていましたが、1986年に上限年齢についての規定がなくなりました。  ADEAで禁止されている年齢を理由とした雇用における差別的慣行には、求人広告で「新卒者」のような年齢を特定する表現を用いることや、解雇の決定において年齢を要因として用いることなどが該当します。また、高齢者に対する敵対的な職場環境の形成につながるような、頻繁もしくは深刻な年齢を理由としたハラスメントのほか、例えば職務に直接関連しない体力テストが高齢の応募者を排除する可能性があるといった場合など、一見年齢中立的ではあるものの実際は「差別的影響」を持つ雇用方針・慣行も禁じられています。  ADEAの執行は、おもに雇用機会均等委員会(EEOC)がになっています。年齢差別の被害を受けたと主張する労働者は、裁判所に訴訟を提起する前に、問題となる違法行為が生じた日から180日以内にEEOCに行政救済申立をしなければなりません。EEOCは申立を受理した後、調査、調停を進め、調停で解決しなかった場合に、申立をした労働者に対して訴訟提起権通知書を発行します。  なお、アメリカにおいても定年制が許容されるケースがあります。一定金額以上の退職金を受給できる上級管理職等に対し、65歳以上での定年を適用するケースや、州の警察官や消防士に対して、州法または地域法で55歳以上の定年年齢を規定するケースなどです。 シニア労働者の増加と課題  ADEAが制定・施行されたアメリカですが、65歳以上人口に占める雇用者の割合は1970〜1980年代を通じて低下し続けました。しかし1987年に約11%となって以降は上昇に転じ、2023(令和5)年には65歳以上人口の19%が雇用者として働いています(Pew Research Center, 2023)。またアメリカ労働統計局の集計によると、2024年の65歳以上雇用者は約1128万人(前年比40万人増)で、16歳以上の全雇用者(約1億6135万人)の約7%を占めています(図表)。労働統計局は今後も65歳以上の雇用者数は増加すると見ており、2032年には全雇用者の8.6%に達すると推測しています。  65歳以上のシニア雇用者が増加した理由の一つは、アメリカ全体の高齢化です。日本ほど急速ではありませんが、アメリカでも人口の高齢化が進んでいます。特に第2次大戦後の1946〜1964年に生まれた「ベビーブーム世代」が65歳以上となる2011(平成23)年以降、高齢化が加速しており、2010年に13%であった65歳以上人口の比率は、2030年には20%に到達すると予測されています。  人口面以外のシニア雇用者増加の要因としては、@現在の高齢者はかつての高齢者に比べて教育水準が高いこと、A現在の高齢者はかつての高齢者に比べて健康状態がよく、障害を負う可能性も低いこと、B主要な退職金制度が、確定給付型から401Kなどの確定拠出型に移行し、雇用者の早期退職がうながされなくなったこと、C1983年の社会保障制度改正により、満額受給開始年齢が65歳から67歳に引き上げられたこと、D肉体的に過酷ではない、より大きな自律性と柔軟な勤務スケジュールを許容する仕事が増えたこと、などをあげることができます★1。  シニア雇用者が増加するなかで、さまざまな課題も浮かび上がっています。アメリカ上院の労働力の高齢化に関する特別委員会は、2017年に発表した報告書のなかで、シニア雇用者が活き活きと働くことをむずかしくする諸課題として、以下の点を指摘しています★2。第一はADEAが施行されているにもかかわらず根強く残る年齢差別です。第二は、高齢者は新しい技術に不慣れであるという偏見などにより、企業側がシニア雇用者への投資に消極的であったり、シニア雇用者自身が新しいスキルを学ぶ機会を得られなかったりするという、不十分な教育訓練機会の問題です。第三は、より高齢になるにしたがって上昇するシニア雇用者が抱える健康リスクへの対応、第四は高齢の親族の介護をしながら働くシニア雇用者の「仕事と介護の両立問題」への対応です。第五に、引退に向けた経済的な備えが十分にできないために、希望するよりも高齢に至るまで労働条件を下げてでも働かざるを得ないシニア雇用者の存在が課題として指摘されています。 【参考文献】 ★1 Pew Research Center, 2023, Older Workers Are Growing in Number and Earning Higher Wages. ★2 United States Senate Special Committee on Aging,2017, America's Aging Workforce: Opportunities and Challenges. 図表 65歳以上のシニア雇用者の人数と全雇用者に占める割合(2020〜2024年) 2020年 981.8万人 2021年 1012.7万人 2022年 1057.4万人 2023年 1087.9万人 2024年 1127.6万人 出典:アメリカ労働統計局集計 諸外国の高齢化と高齢者雇用 第2回 ドイツ連邦共和国、フランス共和国 独立行政法人労働政策研究・研修機構 人材開発部門 副統括研究員 藤本(ふじもと)真(まこと)  世界でもっとも高齢化が進行している国が日本であることは、読者のみなさんもご存じだと思いますが、高齢化は世界各国でも進行しており、その国の法制度に基づき、高齢者雇用や年金制度が整備されています。本連載では、全6回に分けて、各国における高齢者雇用事情を紹介します。第2回は「ドイツ連邦共和国」、「フランス共和国」です。 年金受給開始年齢とリンクする「定年」――ドイツ  ドイツ連邦共和国(以下、「ドイツ」)には、日本のように法律で定められた「法定定年年齢」は存在しません。しかし、多くの雇用契約や労働協約において、「標準年金受給開始年齢(Regelaltersgrenze)」への到達をもって雇用関係が自動的に終了する旨が規定されており、実質的な「定年」として機能しています。ドイツのように年金の受給開始年齢と定年とを紐づける体制は、ヨーロッパのほかの国々でも見られます。  ドイツの標準年金受給開始年齢は、2007(平成19)年に制定された「年金保険の財政基盤強化のための適応法」により、65歳から67歳へ引き上げられることとなりました。この受給開始年齢の引上げは2012年に開始され、2031年の完了を目ざして現在も進行中です。引上げは急激なものではなく、受給対象者の生年に基づいて厳密に計算されたスケジュール(図表)に沿って行われています。この政策の背景には、長寿化による年金受給期間の延伸から発生する恐れのある財政負担を、就労期間の延長によって相殺(そうさい)しようとするねらいがあります。標準年金受給開始年齢よりも早く受給を開始する場合は、月あたり0.3%の恒久的な年金減額が適用されます。  年金に関連する政策としては、2017年に高齢者の就労継続を促進するために「フレキシ年金法」が施行されました。この法律は年金受給開始後の高齢者の就業継続促進を目的としています。従来は年金以外の追加収入が一定以上ある場合に年金受給額の減額が行われていたのですが、この法律により減額が実施される収入の上限額が引き上げられ、2023(令和5)年には上限が撤廃されました。  一方で、2014年には当時の連立政権(キリスト教民主・社会同盟と社会民主党)によって、長期間労働市場に貢献した人々への「配慮」として、通称「63歳からの年金(Rente mit 63)」が導入されました。この年金制度を利用するためには45年間の公的年金保険料納付期間を満たす必要があり、要件を満たせば標準年金受給開始年齢に到達する前に、減額なしで年金を受給することができます。実際に63歳で受給できるのは1952(昭和27)年以前に生まれた人にかぎられており、標準年金受給開始年齢の引上げに連動して、この早期受給年齢も段階的に65歳へと引き上げられています。  ドイツにおける60〜64歳の就業率は2013年の50%から2023年には65%にまで伸び(Destatis 2024)、年金受給開始年齢の引上げが奏功したと見ることができます。ただ2024年には「63歳からの年金」の新規申請が約30万件に達し、前年から大幅に増加するなど、早期引退の傾向も未だ根強く、1950年代半ばから1960年代半ばに生まれた「ベビーブーマー世代」が労働市場から退出していくなかで、いかに労働力確保を実現していくかという課題に直面しています。また、60代後半の定年年齢を超えて働く層の多くはフルタイムではなく、非正規雇用や「ミニジョブ」と呼ばれる短時間労働に従事しているケースが多く、貧困リスクが高い状況にあります。ンス共和国(以下、「フランス」)にも、日本のような法定定年年齢は存在しません。加齢にともなう仕事からの引退においてフランスで基準となる年齢は、@「法定年金支給開始年齢(L'age legal)」である64歳、A「満額受給年齢(L'age du taux plein)」である67歳、B「雇用主による退職勧告可能年齢(Mise a la retraite d'office)」である70歳です。@は本人が希望すれば年金を受給して引退できる「最低」の年齢です。Aは保険料納付期間が不足していても、満額で年金を受給できる年齢となります。Bは雇用主が雇用者本人の同意なく一方的に退職させることができる年齢です。多くの労働者が年金受給資格を得た段階(64〜67歳)で自発的に引退を選択するため、70歳まで働くケースは稀です。  2023年、マクロン政権による大規模な年金制度改革が実施されました。この改革は、年金財政の均衡とともに、フランスに長年根づいてきた「早期引退文化」の見直しを目的としています。具体的には、法定年金受給開始年齢が、従来の62歳から、2023年9月以降、受給対象者の生年月日に応じて段階的に引き上げられ(2030年までに64歳へ引上げ)、年金を満額で受給するために必要な保険料拠出期間の延長が2027年までに実施されることとなりました(2035年から前倒し)。  また高齢者雇用を促進するための政策として、@従業員数300人超(当初は1000人超)の企業に対し、自社における高齢従業員の雇用状況や取組み(雇用維持、研修など)に関する「シニア雇用指数(Index seniors)」の公表義務づけ、A60歳以上の長期失業者を無期雇用(CDI)で雇用する企業に対し、助成金を支給する「CDIシニア(Contrat a duree indeterminee "senior")」制度の導入が実施されています。  フランスの60〜64歳層の就業率は2001年の10.8%から2023年には38.9%にまで、4倍近くに上昇しています。この推移には2023年の年金制度改革に先行する、法定年金受給開始年齢の引上げや満額年金の受給要件となる被保険者拠出期間の延長が反映されていると推測されます。ただ、フランスの60〜64歳層就業率はEU平均より約12ポイント低く、マクロン大統領が目標とする「2030年までに65%」とはまだかなりの開きがあります(JILPT 2024)。 【参考文献】 Destatis (Statistisches Bundesamt) 2024 Erwerbstatigkeit alterer Menschen JILPT(労働政策研究・研修機構)2024「高年齢者の労働力率が50年ぶりの高水準に」 図表 標準年金受給開始年齢の段階的引上げ:ドイツ 受給対象者の生年 支給開始年齢(年齢+月数) 1958年 66歳0カ月 1959年 66歳2カ月 1960年 66歳4カ月 1961年 66歳6カ月 1962年 66歳8カ月 1963年 66歳10カ月 1964年〜 67歳0カ月 出典:ドイツ年金保険(Deutsche Rentenversicherung)ホームページ 諸外国の高齢化と高齢者雇用 第3回 イギリス 独立行政法人労働政策研究・研修機構 人材開発部門 副統括研究員 藤本(ふじもと)真(まこと)  世界でもっとも高齢化が進行している国が日本であることは、読者のみなさんもご存じだと思いますが、高齢化は世界各国でも進行しており、その国の法制度に基づき、高齢者雇用や年金制度が整備されています。本連載では、全6回に分けて、各国における高齢者雇用事情を紹介します。第3回は「イギリス」です。 定年制を年齢差別として禁止するも残る例外的取扱い  イギリスは同じヨーロッパのドイツやフランスとは異なり、現在は、定年制が年齢差別として禁止されています。  ただし、イギリスではアメリカと異なり、2000年代に入るまで、定年制は国家による介入が最小限に抑えられた「自由放任」の対象とされてきました。雇用主は、契約自由の原則に基づき、従業員との合意により定年年齢を自由に設定することができました。多くの企業は、ドイツやフランスにおける定年制の設定と同様に、公的年金の受給開始年齢(男性65歳、女性60歳)に合わせて定年を設定しており、この年齢に達したことを理由とする解雇は、正当なものとして扱われていました。年齢差別に対する法的保護はきわめて限定的で、高齢を理由とする採用拒否や昇進差別も違法とはされていませんでした。  しかしながらイギリスにおける以上の状況は、2000(平成12)年にEUで採択された「雇用および職業における均等待遇の枠組みに関する指令」によって大きく変わりました。この指令は加盟国に対し、年齢、障害、宗教、性的指向に基づく差別を禁止する国内法の整備を義務づけていたため、EUに加盟していたイギリス政府(労働党政権)も、2006年雇用平等(年齢)規則(The Employment Equality(Age) Regulations 2006)を施行し、年齢差別を原則として禁止しました。  2006年の年齢差別の禁止の際には産業界からの強い要請があり、雇用平等(年齢)規則の施行とともに、「デフォルト定年年齢(Default Retirement Age: DRA)」という仕組みが導入されました。このDRAにより、雇用主は65歳以上の従業員に対しては個別の能力評価や正当な解雇事由を示すことなく、定年による退職を強制することが認められましたが、従業員を退職させる場合には、退職予定日の6カ月から1年前の間に書面で通知し、従業員に対して勤務継続を申請する権利を与える義務が課されました。  その後、2010年に発足した保守党・自由民主党連立政権は、DRAの廃止に向けた政策転換を決断します。2011年4月6日より新たな定年通知の発出が禁止され、同年10月1日に2011年雇用平等(退職年齢規定廃止)規則(The Employment Equality (Repeal of Retirement Age Provisions) Regulations 2011)が施行され、DRAは廃止されました。  もっとも、DRAの廃止により、イギリス国内において定年制が消滅したわけではありません。2010年平等法は、「正当化される定年年齢(Employer Justified Retirement Age:EJRA)」を、雇用主が維持することを例外的に認めています。EJRAが認められるためには、当該EJRAが「正当な目的(Legitimate Aim)を達成するための、均衡を得た手段(Proportionate Means)である」ことを雇用主が証明しなければなりません。ここでいう「正当な目的」には、単なるコスト削減や企業の競争力強化といった個別の経営上の都合は該当せず、社会政策的な公共利益に合致する目的、例えば、労働市場への新規参入者のためにポストを空けること、若手従業員の昇進機会を確保することなどにかぎられます。一方、航空パイロットや消防士、警察官など、加齢による身体能力の低下が公共の安全に直接的なリスクをもたらす職種については、EJRAの設定が比較的広く認められています。 高齢者の就業促進政策における移行と就業の現状・課題  イギリス政府は、日本やほかの国々と同様、高齢化にともなう労働力不足と社会保障費の増大に対応するため、高齢者の就労促進を政策目標に掲げています。その実現に向けて行われてきたのが強制的な定年の廃止と、公的年金制度である「国家年金」の受給開始年齢(State Pension Age:SPA)の引上げです。20世紀半ば以降、イギリスのSPAは男性65歳、女性60歳で固定されていましたが、1990年代以降、EU法に基づく男女平等の要請もあって、一連の年金法(Pensions Acts)を通じて段階的な引上げが行われています。2025(令和7)年末時点での受給開始年齢は男女とも66歳ですが、2026年4月から段階的に引上げが始まり、2028年4月までにすべての人の受給開始年齢が67歳になります。  イギリスにおける高齢者の就労促進策は、長く働くことを一律に奨励・促進する段階から、個々の就業者の事情に応じて、「質の高い仕事(Good Work)」への就業をいかに保障するかという段階に移っています。イギリス政府は2022年から「50 Plus:Choices」という政策パッケージを本格的に展開し、個人の健康、スキル、財務状況に応じた多様な選択肢の提供を図っています。多様な選択肢の提供に向け、政府が主導しているのが、「Mid-life MOT」という40代から50代の労働者が、Work・Health・Moneyの3分野について現状と今後の見通しを診断するためのプログラムです。このプログラムは、労働者の将来に向けての計画策定を支援するものとして位置づけられています。  以上のような政策の効果もあり、イギリスにおける50〜64歳の雇用率は、2000年(1〜3月期)の60.4%から、2025年(1〜3月期)には71.4%にまで上昇しています。また65歳以上の雇用者も同期間に46.7万人から159.2万人へと3倍以上に増加しており、65歳を超えて働くことが例外ではなくなりつつあります※。ただ一方で、定年制がなくなったために、高齢従業員の退職にあたって能力やパフォーマンスに基づく管理をより慎重に行わなければならなくなった雇用主の負担増加や、デジタルスキル欠如の顕在化、個人の健康状態や居住地域による就労格差など、高齢者就業にかかわる新たな問題も浮上しています。 【参考】 ※ 雇用率、雇用者数ともにイギリス国家統計局(Office forNational Statistics)所収のデータセット"Employment,unemployment and economic inactivity by age group(seasonally adjusted)"より。 諸外国の高齢化と高齢者雇用 第4回 デンマーク、スウェーデン、ノルウェー 独立行政法人労働政策研究・研修機構 人材開発部門 副統括研究員 藤本(ふじもと)真(まこと)  世界でもっとも高齢化が進行している国が日本であることは、読者のみなさんもご存じだと思いますが、高齢化は世界各国でも進行しており、その国の法制度に基づき、高齢者雇用や年金制度が整備されています。本連載では、全6回に分けて、各国における高齢者雇用事情を紹介します。第4回は北欧のデンマーク、スウェーデン、ノルウェーです。 福祉国家である北欧諸国でも高齢化が課題に 北欧諸国は、包括的な福祉国家体制、高い税負担と再分配機能、柔軟性と安全性の両立、平等主義といった、経済・社会体制上の特徴(いわゆる「北欧モデル[Nordic Model]」)を共有しているといわれます。しかし北欧諸国においても徐々に高齢化は進んでおり※、現役世代が高齢世代を支える伝統的な賦課方式の年金財政の圧迫や、労働供給の制約による経済成長の鈍化が懸念されています。  今回は北欧諸国のうち、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーを取り上げ、経済・社会体制を持続可能なものへと再構築するプロセスにおいて、高齢者の就業にかかわる諸制度や慣行がどのように扱われ変化してきているか、また、そうしたなかでの高齢者の雇用・就業をめぐる現状と課題について見ていきます。 年金制度における「自動調整メカニズム」の厳格な運用と高齢者就業促進――デンマーク  ヨーロッパ諸国の多くは、少子高齢化にともなう財政負担の増大を抑制するため、人口動態や経済状況の変化に合わせ、給付額や受給開始年齢を自動的に調整する仕組みを年金制度において導入しており、なかでもデンマークはこの「自動調整メカニズム」を厳格に適用していることで知られています。デンマークの自動調整メカニズムの基礎は、2006(平成18)年の「福祉協定(Velfardsforliget)」によって確立されました。この協定は、公的年金受給開始年齢を、平均余命の上昇に合わせて5年ごとに見直すことを法制化したもので、長期的な年金受給期間を14.5年に固定することを目標としています。この協定の施行により、デンマークの公的年金受給開始年齢は、2030年には68歳、2035年には69歳へと引き上げられることが確定しています。  公的年金受給開始年齢の引上げに対応するため、デンマークでは高齢者の就業に関連した諸制度の改革が行われました。従来は雇用契約や労働協約において70歳での強制退職を定めることが認められていましたが、2016年1月に施行された改正差別禁止法により、一部の例外を除いて特定の年齢に達したことを理由に自動的に退職となる条項を設けることは違法となりました。また、長年の重労働に従事した労働者を保護する目的で設けられていたものの、実際は中産階級の早期引退手段として広く利用されていた「早期退職制度(Efterlon60歳から公的年金開始までの間、失業保険基金を通じて給付を受けられる制度)」が2011年に改革され、  受給期間が5年から3年に短縮されました。これら政策転換の効果もあり、デンマークの55〜64歳の雇用率は2000年の56%から2020(令和2)年には71%へと伸びました(Hal vorsen 2021)。もっともフレキシキュリティ・モデルに基づくデンマークの労働市場においては解雇が比較的容易で、高齢者もその対象となりうるのですが、高齢者が一度職を失うと、長期失業に陥るリスクは若年層よりも高く、「シニア・プレカリアート(不安定雇用高齢者)」となる懸念が指摘されています(Marold and Larsen 2009)。 「ワーク・ライン」の徹底――スウェーデン・ノルウェー  一方、スウェーデンとノルウェーは、「働ける人は皆、福祉に頼るのではなく、労働を通じて社会に貢献し、自立するべき」という、「ワーク・ライン」(スウェーデン:Arbetslinjenノルウェー:Arbeidslinja)の原則が、社会政策・労働政策において貫かれている点で共通しており、高齢者の雇用・就業にかかわる政策にもこの原則が反映されています。  スウェーデンの雇用保護法(LAS Lagen om anstallningsskydd)は、解雇規制についての 基本法です。同法は「雇用主が特段の理由なく雇用を終了できる年齢(LAS年齢)」を規定しており、このLAS年齢が事実上の定年として機能しています。近年、高齢者の働く権利を強化するため、LAS年齢の上限引上げが断続的に行われており、2020年には67歳から68歳へ、2023年には68歳から69歳へと引き上げられました。  またスウェーデンでは、平均余命に連動した「目安年齢(Riktalder)」という概念が導入されています。目安年齢は社会保険庁が毎年算出しており、公的年金の受給開始年齢や、失業保険・疾病手当の給付終了年齢などが、この年齢やその周辺年齢に自動的にリンクします。これにより、社会保障制度全体が整合性を持って「就労延長」へとシフトする設計になっています。さらに、2007年には年金をもらいながら働くことのメリットを大きくする目的で、「勤労所得税額控除(Jobbskatteavdrag)」が導入され、勤労所得に対する税率が年金所得に対する税率よりも低く設定されるようになりました。  ノルウェーでは、2015年に労働環境法(Arbeidsmiljoloven)が改正され、雇用主が一方的に雇用契約を終了できる「一般年齢制限(aldergrense)」が、70歳から72歳へと引き上げられました。もっともこの改正の後も民間企業では、健康・安全上の理由などを根拠に就業規則で「70歳定年」を定めることが認められていました。しかし、2026年1月1日に一般年齢制限が官民問わずに72歳に統一され、企業における70歳定年は廃止されています。  高齢者に関連した制度におけるノルウェーの特徴として、年金を受給しながらどれだけ働いて稼いでも、年金が減額されない点をあげることができます。ノルウェーでは62歳から75歳の間で自由に年金の受給開始時期を選ぶことができ、開始が早いほど受給月額はより少なくなりますが、「62歳で年金を受給しつつ、フルタイム勤務を継続し、給与と年金を得る」という選択も可能です。この仕組みは高齢者の労働供給のモチベーションを強力に刺激すると同時に、早期受給による受給額低下(長生きリスク)を個人に負わせる仕組みともいえます。 【参考】 Halvorsen, B. E. (2021)“High and rising senior employment in the Nordic countries” Marold, J. and Larsen, M. (2009) “How “flexicure” are older Danes?” ※国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2025年版)」によると、1990(平成2)年から2020(令和2)年にかけての65歳以上人口の割合の推移は、デンマーク15.6%→20.0%、スウェーデン17.8%→20.1%、ノルウェー16.3%→17.7%となっている 諸外国の高齢化と高齢者雇用 第5回 韓国、東南アジア諸国 独立行政法人労働政策研究・研修機構 人材開発部門 副統括研究員 藤本(ふじもと)真(まこと)  世界でもっとも高齢化が進行している国が日本であることは、読者のみなさんもご存じだと思いますが、高齢化は世界各国でも進行しており、その国の法制度に基づき、高齢者雇用や年金制度が整備されています。本連載では、全6回に分けて、各国における高齢者雇用事情を紹介します。第5 回は韓国と東南アジア諸国です。 シニア層の高い就業率・高い貧困率――韓国  日本のように法律で定年年齢を定める仕組み(法定定年制)は、東アジア・東南アジアの国々に多く見られます。大韓民国(以下、「韓国」)では、従来「雇用上の年齢差別禁止および高齢者雇用促進法」において、「事業主は、定年を定める場合、60歳以上になるよう努力しなければならない」と規定されており、多くの企業は55歳または58歳を定年年齢としていました。しかし、2013(平成25)年4月に右記法律の改正案が国会で可決され、60歳以上の定年が義務づけられることとなりました。この義務化は、2016年に従業員300人以上の事業所および公共機関で、2017年には従業員300人未満の事業所でも施行されました。  改正法はまた、定年延長による企業の負担増に配慮し、「定年を延長する事業主と労働組合は、賃金体系改編等の必要な措置を講じなければならない」と規定し、立法過程では、一定年齢を超えた場合、賃金を削減する代わりに定年保障、定年延長や雇用延長を行うという「賃金ピーク制」の導入を義務づける議論もありました。しかし法案には明記されず、労使の自主決定に委ねられました。政府は、賃金ピーク制を導入した事業所や、賃金ピーク制の適用を受け、賃金が削減された労働者に対して、補填手当を支給しています。  韓国のシニア就業者数は年々増加を続け、55〜64歳人口の就業率は2025(令和7)年に70%を超えました。2024年の65歳以上人口の就業率は38.2%で、OECD(経済協力開発機構)に加盟する諸国のなかでもっとも高い数字です。しかしシニア就業者数の増加に、60歳法定定年制の導入はさほど影響を与えていないと考えられます。というのは、企業は60歳定年制を実施しているものの、実際には「名誉退職」などといった形で60歳に到達する前に勤務していた企業を退職する労働者が多いためです。2023年の韓国における調査では、55〜64歳の就業経験者がもっとも長期間勤務した会社を辞めたときの平均年齢は、49.4歳という結果となっています(ジン 2024)。  韓国の年金支給開始年齢は現在63歳であるため、60歳到達前に企業を退職した人々の多くは生活費を稼ぐために再就職や自営業者としての活動を行います。しかし、シニア労働者の再就職機会として多いのは、以前の勤務先の給与水準を大きく下回る非正規雇用や清掃・警備・宅配などの単純労働です。また50歳以上で自営業に転換した人々の48.8%は、月平均所得が最低賃金水準に達していません(ハンギョレ新聞2025)。こうした就業状況から生じているのはシニア層の高い貧困率(国民の所得中央値の半分に満たない人々の割合)で、66歳以上の貧困率は40.4%とアメリカ(22.8%)や日本(20.0%)の約2倍に達しています(OECD 2023)。  高い貧困率や雇用と年金の非接続への対応として、労働組合は法定定年の65歳への延長を求めています。しかし経営者側は定年延長が実現した際の人件費増加を懸念しており、再雇用制度の活用や賃金ピーク制の拡大を強く主張しています。 高齢化に向けた制度基盤整備進む――東南アジア諸国  一方、東南アジア諸国で法定定年制を実施しているのは、シンガポール、マレーシア、ベトナム、フィリピンなどです。タイやインドネシアでは、法定定年年齢は設けられていません。  シンガポールでは「退職・再雇用法」が、55歳になる前に雇用されたシンガポール市民、永住権保持者に適用されます。現在は63歳が法定定年年齢で、2030年までに65歳まで引き上げられることとなっています。また退職・再雇用法は、健康で意欲のある労働者に対して定年後に再雇用契約を申し出る義務を企業に課しており、その期間は5年です。  マレーシアでは「2012年最低退職年齢法」により、民間企業における法定最低定年年齢は60歳と定められており、年齢を理由とした60歳未満の解雇は原則禁じられています。  ベトナムでは2021年施行の改正労働法に基づき法定定年年齢の段階的な引上げが行われており、現在は男性が61歳6カ月、女性が57歳です。最終的に、男性が2028年に62歳、女性が2035年に60歳となります。  フィリピンでは、労働法302条と共和国法第7641号により、「強制定年年齢」が65歳に定められており、企業はこの年齢に達した従業員に対し、定年退職を義務付けることができます。  法定定年年齢のないタイでは、ヨーロッパ諸国と同様に、公的年金の受給開始年齢が企業における定年設定の目安となっており、現在は55歳を定年とする企業が多くを占めます。同じく法定定年年齢のないインドネシアでも、年金受給開始年齢が実質的な定年の基準として扱われています。この年齢は2022年に58歳に決められ、以降3年ごとに1歳ずつ引き上げられており、2043年に65歳になる予定です。  東南アジア諸国の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は、タイが約15%、シンガポールが約14%、フィリピン、ベトナム、マレーシアは5〜9%台と、東アジア諸国に比べると高齢化は進行していません(世界銀行 2024)。ただ、タイやシンガポールはすでに高齢社会(高齢化率14%以上)に突入しつつあり、出生率も急速に低下しつつあることから、これから東アジア諸国と同程度かそれ以上のスピードで高齢化が進むことが予想されています。東南アジア諸国の政府は来たる超高齢社会(高齢化率21%以上)に向けた制度的基盤を整えつつある段階といえますが、今後は@高齢者が生計に必要な収入を得ることができる年金制度や労働市場の整備、Aリスキリングなど労働市場全体としての生産性向上への取組み、Bより若い年齢層の雇用・就業機会とのバランスの確保が、どの国においても重要な課題になると見られています。 【参考文献】 OECD(2023)"Pensions at a Glance 2023" ジン・ソンジン(2024) 「高齢者労働市場の現状と教育訓練」、北東アジア労働フォーラム報告 世界銀行(2024) 'Population ages 65 and above - Country rankings' https://www.theglobaleconomy.com/rankings/elderly_population/South-East-Asia/ ハンギョレ新聞(2025) 「『退職を余儀なくされ自営業へ』50歳以上の半数、最低賃金も稼げず」、2025年3月24日紙面 諸外国の高齢化と高齢者雇用 最終回 中国 独立行政法人労働政策研究・研修機構 人材開発部門 副統括研究員 藤本(ふじもと)真(まこと)  世界でもっとも高齢化が進行している国が日本であることは、読者のみなさんもご存じだと思いますが、高齢化は世界各国でも進行しており、その国の法制度に基づき、高齢者雇用や年金制度が整備されています。本連載では、全6回に分けて、各国における高齢者雇用事情を紹介します。最終回は中国です。 人口構造の巨大な転換と「未富先老」がもたらす問題  中華人民共和国(以下、「中国」)は現在、人類の歴史において類を見ない規模と速度で進行する、人口構造の巨大な転換期に直面しています。長年にわたって厳格に実施されてきた「一人っ子政策」の影響、急速な経済成長と都市化にともなうライフスタイルおよび価値観の劇的な変化、そして医療技術の進歩や公衆衛生の改善による平均寿命の大幅な延伸という複数の要因が複雑にからみあい、世界最大の高齢人口を抱える「超高齢社会」へと急速に移行しつつあります。  中国の65歳以上人口は、2010(平成22)年の第6次国勢調査で約1億1883万人と、総人口の8.87%に達し、国際連合が定義する「高齢化社会」に突入しました。その後も高齢化は劇的に加速し、2024(令和6)年末時点の国家統計局の発表によれば、65歳以上人口はついに2億人を超え(2億2023万人)、総人口に占める割合も15.6%にまで上昇し、「高齢社会」に移行しています。ほかの先進国が数十年から百年以上の時間をかけて経験した人口動態の変化を、中国はわずか数十年で圧縮して経験しており、一人あたりのGDPが十分に高まる前に高齢化社会を迎える「未富先老(みふせんろう)(豊かになる前に老いる)」にともなう問題が生じています。  「未富先老」にともなう深刻な問題の一つは年金制度の運営です。中国の年金制度は2000年に設立された「全国社会保障基金」などによって支えられていますが、制度の大部分は現役世代からの保険料収入で現在の高齢者の年金を賄う賦課方式に近い形態をとっています。そのため、高齢化が急激に進行すると収入と支出のバランスが崩れ、年金財政が危機的な状況に陥ることが懸念されています。中国社会科学院が2019年に発表した報告書※1は、現在の人口動態と制度設計のまま推移した場合、都市部労働者向けの基本年金基金が2035年までに完全に枯渇する可能性があると指摘しています。  年金制度については、都市部と地方農村部とで制度が分断され、給付水準が極端に異なることも問題としてとらえられています。中国の年金制度はおもに、都市部の正規雇用労働者や公務員を対象とした「都市従業員基本養老保険」と、農村部の農民や都市部の非正規労働者・無職者を対象とした「都市・農村住民基本養老保険」に二分されていますが、2023年のデータによると、都市部の給与所得者が受け取る平均受給月額が3743元(約7万4000円相当)であるのに対し、農村部などの住民向け基礎年金制度の参加者が受け取る平均受給月額はわずか223元(約4400円相当)に留まっています※2。 法定退職年齢の引上げと高齢者就業にかかわる課題  以上の年金財政における危機的状況や労働力不足への対応として、全国人民代表大会常務委員会は2024年9月に法定退職年齢の段階的な引上げを含む年金制度の抜本的改革を正式に承認しました。中国の法定退職年齢は1978年(昭和53)年に定められて以来改定されておらず、主要経済国のなかでもっとも低い水準にすえ置かれていました(男性60歳、女性幹部55歳、女性非幹部50歳)が、2025年1月から15年かけて段階的に、男性労働者63歳、女性ホワイトカラー・幹部労働者58歳、女性ブルーカラー・非幹部労働者55歳へと、それぞれ引き上げられることとなりました。  また、法定退職年齢引上げと並行して、基礎年金を受け取るための最低納付(加入)期間の要件も厳格化されました。現行制度では15年間の納付で受給資格が得られましたが、2030年1月から毎年6カ月ずつ段階的に期間が引き上げられ、最終的(2039年)には最低20年間の納付が必要となります。  国連アジア太平洋経済社会委員会の分析※3によると、引上げ前の法定退職年齢より高齢の人口における労働力率はおおむね28〜36%で推移していました(1980〜2020年)。この労働力率は地域による違いが顕著で都市部では2020年時点で20%程度であるのに対し、農村部では50%前後に達しています。こうした相違は前述した年金給付水準の地域間格差によるもので、都市部の高齢者が年金制度の恩恵を受けて早期にリタイア可能であるのに対し、農村部の高齢者は多くが生計のために、農業や建設現場、清掃などの労働に従事し続けている状況を反映しています。  年金や退職金を受け取っている高齢者が法定退職年齢を超えて雇用される場合、雇用主との関係は労働法で厚く保護される「労働関係」ではなく、民法に基づく当事者間の対等な業務委託契約に類する「労務関係」へと転換されます。この転換により高齢就業者は、不当解雇時の退職金の免除や最低賃金・労働時間制限・残業代の不適用といった不利益を被る可能性があります。法定退職年齢の引上げが順調に進めば、こうした不利益を被る高齢者は減っていくかもしれませんが、それでも農村部を中心に多数存在する、低労働条件の高齢就業者への対応は大きな課題であり続けると予想されます。  さらに法定退職年齢の引上げによって、これまでよりも長期間労働市場に留まることになる高齢就業者の生産性を維持・向上させるための再教育プログラムの構築や、年齢に基づく雇用差別の厳格な是正への取組みが課題となってきます。また、現在失業率が高止まりしている若年層※4の雇用機会とのトレードオフの回避や、シニア社員が管理職・専門職ポストをより長く占めることによる若年・中堅層の労働意欲低下への対応も求められるでしょう。 【参考文献】 ※1 中国社会科学院(2019)『中国年金詳細計算報告2019−2050』 ※2 片山ゆき(2026)「公務員の年金は12万円、農村住民は4千円!?世界最大規模の中国の公的年金制度がはらむケタ違いの格差」TBS CROSS DIG with Bloomberg https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/2548309?display=1 ※3 ESCAP(2024)“Labour Force Participation of Older Persons and Population Ageing in China: Trends,Challenges and Ways Forward” ※4 国家統計局の集計によると、2026年2月の16〜24歳層(学生を除く)の失業率は16.1%である