集中連載 マンガで学ぶ高齢者雇用 教えてエルダ先生! Season3 65歳超雇用推進助成金活用のススメ 第4回 高年齢者無期雇用転換コースを活用しよう! 〈前回までのあらすじ〉 株式会社ジード製作所では、エルダのすすめで65歳超雇用推進助成金の「65歳超継続雇用促進コース」、「高年齢者評価制度等雇用管理改善コース」を活用し、高齢者雇用の取組みを進めていた。 雇用形態 短時間正社員 労働契約 期間の定めのない労働契約 労働時間 フルタイム正社員と比較して、1週間の所定労働時間が短い 賃金などの待遇 同種のフルタイム正社員と同一の時間賃率、賞与・退職金等の算定方法 社会保険 適用 「高年齢者無期雇用転換コース」の対象となる労働者、ならない労働者 対象となる労働者 (いずれにも該当する者) ・50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者 ・転換日における通算の雇用期間が6カ月以上5 年以内 ・無期雇用転換後に65歳以上まで雇用される見込みがあること ・無期雇用労働者に転換した日から支給申請日の前日までにおいて、申請事業主の事業所の雇用保険被保険者であること 対象とならない労働者 ・無期雇用の転換日において64歳以上の者 ・派遣労働者 ・有期労働契約が通算5年を超え、労働者からの申込みにより無期雇用労働者に転換した者(労働契約法第18条) ・転換日の前日から過去3年以内に、当該事業主の事業所において無期雇用労働者として雇用されていた者 ・無期雇用労働者として雇用することを約して雇い入れられた有期契約労働者 高年齢者無期雇用転換コースの支給額 対象労働者一人につき30万円 (中小企業事業主以外は23万円) ※支給申請年度(4月〜3月)1適用事業所あたり10人まで(無期雇用へ転換した日を基準とする) 申請期間(例)賃金締切日は月末で翌月20日払いの場合 令和7年10月1日 計画申請期間注1 (6カ月前〜3カ月前) 令和8年1月1日 計画認定 令和8年4月1日 令和8年5月1日 計画実施期間 転換日注2 5月1日 賃金算定期間 (6カ月分注3) 令和8年10月31日 令和8年11月21日1月 賃金支払日 11月20日 支給申請期間 (2カ月以内) 令和9年1月20日 注1 計画書提出日の前日において、高年齢者雇用管理に関する措置(※2)を実施している必要があること 注2 支給申請年度(4月~3月)毎の上限人数は転換日を基準として計算する 注3 勤務した日数が11日未満の月は除く ※1 フルタイム正社員…企業が定める正規の勤務時間(一般的には1週間で40時間〈1日8時間、週5日勤務〉)で働き、雇用期間の定めのない「無期労働契約」を企業と結んだ労働者 ※2 高年齢者雇用管理に関する措置は、高齢者以外(55歳未満)にも適用される場合は助成金支給対象外となります ※3 JEEDホームページからもダウンロードできます。 https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/book_mukiR6/#page=1 JEED各都道府県支部については、65ページをご覧ください。 東京・大阪支部は、高齢・障害者窓口サービス課となります つづく(11月号は休載します) ★ このマンガに登場する人物、会社等はすべて架空のものです ★ 前回(2025年9月号)は、JEEDホームページからもご覧になれます。 https://www.jeed.go.jp/elderly/data/elder/book/elder_202509/index.html#page=26 集中連載 マンガで学ぶ高齢者雇用 解説 教えてエルダ先生! Season3 65歳超雇用推進助成金活用のススメ 第4回 高年齢者無期雇用転換コースを活用しよう!  高齢者雇用を推進していくうえでは、就業規則の見直しおよび賃金制度や労働条件の見直し、安全・健康管理をはじめとした職場環境の改善等の検討は欠かせません。  特に就業規則の改正には、企業の実情に合わせた制度設計やコンプライアンスの観点から社会保険労務士などの専門的な支援が必要とされますが、そのための経費も発生します。決して小さくはないその負担を軽減できるのが、「65歳超雇用推進助成金」です。今回は、そのなかの「高年齢者無期雇用転換コース」についてご紹介します。 Check1 高年齢者無期雇用転換コース  50歳以上で定年年齢未満の有期雇用労働者を、無期雇用転換制度に基づき無期雇用労働者に転換させた事業主に対して、一定額を助成します。 【支給額】  対象労働者1人につき30 万円(中小企業事業主以外は23万円)  ※支給申請年度(4月から翌3月)につき、1適用事業所あたり10人まで 【対象となる労働者】 @有期契約労働者として支給対象事業主に雇用される期間が、転換日において通算して6カ月以上5年以内で、50歳以上かつ定年年齢未満であり、無期雇用転換後に65歳(同種の業務に従事する期間の定めのない労働契約を締結する労働者に適用される定年年齢が、65歳を超える場合においては当該年齢)以上まで雇用される見込みがあること A転換日において64歳以上でないこと B派遣労働者でないこと C有期労働契約が繰り返し更新され通算5年を超え、労働契約法第18条に基づき、労働者からの申込みにより無期雇用労働者に転換したものでないこと D転換日の前日から過去3年以内に、当該事業主の事業所において無期雇用労働者として雇用されたことがない者であること E転換日から支給申請日の前日において、当該事業主の雇用保険被保険者であること お問合せ JEED各都道府県支部高齢・障害者業務課(東京・大阪は高齢・障害者窓口サービス課) ※各支部の問合せ先は65ページをご参照ください。 ★本連載第2回31ページ4コマ目において、人力課長が就業規則の改定に対して、社員の過半数代表者からの同意と発言していますが、法律上は、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、そのような労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならないこととされています。