イキイキ働くための脳力アップトレーニング!  今回の問題は、メモを使わずにトライしてみましょう。トマトの数、カボチャの数、ナスの数………などを覚えながら比べます。そうやって数を覚えておくことで、脳のメモ帳(ワーキングメモリ)が余分に鍛えられます。仕事のミスを減らすためにはメモは必須ですが、「脳のメモ」を鍛えるためには、時には「メモなし」も必要です。 第102回 いちばん多いものはどれ? 目標 5分 1.野菜のイラストが不規則に並んでいます。一番多いものはどれでしょうか? (ここにあるもの:トマト、カボチャ、ナス、ブロッコリー、ピーマン、キャベツ) 2.中華料理のイラストが不規則に並んでいます。一番多いものはどれでしょうか? (ここにあるもの:焼き餃子(ぎょうざ)、点心(てんしん)、チャーハン、春巻き、麻婆(まーぼー)豆腐、北京ダック) イラスト系の脳トレのすすめ  今回のようなイラストを使った脳トレ問題は、脳の「前頭前野(ぜんとうぜんや)」や「後頭葉(こうとうよう)」といった部分を活性化させる効果があります。前頭前野は、人が考えたり判断したり、感情をコントロールしたりするときに使われる場所です。会話やコミュニケーションなど、社会生活に欠かせない働きをになっています。一方、後頭葉は、見たものを理解したり、イメージを思い浮かべたりするときに使われる視覚の中枢(ちゅうすう)です。  また、絵や図形などを使った問題に取り組むと、空間の位置関係を判断する「頭頂連合野(とうちょうれんごうや)」も活発になります。つまり、ふだんからこうしたタイプの問題に慣れておくことが、日常生活にも役立つのです。  さらに、イラストを見ながら考えることで、記憶力や注意力、想像力といったさまざまな脳の働きを同時に刺激できます。特に、色や形、配置などを意識する問題は、複数の情報をまとめて処理する訓練にもなります。  脳の老化予防や思考の柔軟性を保つ効果も期待できますので、こうしたタイプの問題にどんどん挑戦しましょう。 篠原菊紀(しのはら・きくのり) 1960(昭和35)年、長野県生まれ。人システム研究所所長、公立諏訪東京理科大学特任教授。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルN I RSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。 【問題の答え】 1.トマト  (トマト8個、キャベツ・ブロッコリー各5個、ナス・ピーマン各4個、カボチャ2個) 2.チャーハン  (チャーハン6皿、点心5皿、焼き餃子・春巻き・北京ダック各4皿、麻婆豆腐3皿)