ニュース ファイル NEWS FILE 行政・関係団体 厚生労働省 「中高年の活躍支援」特設サイトをオープン  厚生労働省は2025(令和7)年10月、これまでの「就職氷河期世代活躍支援」特設サイトを、「中高年の活躍支援」特設サイトとしてリニューアルオープンした。バブル崩壊後の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った就職氷河期世代が50代半ばに差しかかっていることをふまえ、支援対象を中高年に広げた。  新サイトでは、具体的な不安や悩みに関する支援施策や各種相談窓口を案内するコンテンツや、安心感を持って気軽に相談窓口を利用してもらえるよう、支援事例や支援者のメッセージを集約したコンテンツなどを公開。また、家族向けの相談等の支援や、事業主向けに中高年層を採用する場合等に活用できる助成金の案内もしている。  具体的には、「経済面で将来に不安のある人」、「社会とのつながりに不安を抱える人」、「家計の状況や家族介護に不安を抱える人」に向けて、それぞれに対応した支援制度や給付金、窓口などを紹介。すぐに働きたい人をサポートする「ハローワーク」、働くための準備がしたい「地域若者サポートステーション」、生活のサポートを受けながらじっくり働く準備などができる支援機関なども案内しているほか、支援を受けて社会へ踏み出した人たちと支援者たちの想いなども紹介している。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63838.html ◆「中高年の活躍支援」特設サイト https://www.mhlw.go.jp/shushoku_hyogaki_shien/ 厚生労働省 長時間労働が疑われる事業場に対する令和6年度の監督指導結果を公表  厚生労働省は、2024(令和6)年度に実施した長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導の結果を公表した。それによると、監督指導を行った事業場の42.4%に違法な時間外・休日労働が認められた。  この監督指導は、各種情報から時間外・休日労働時間数が1カ月あたり80時間を超えていると考えられる事業場や、長時間にわたる過重な労働による過労死等にかかる労災請求が行われた事業場を対象としている。  結果をみると、監督指導を行った2万6512事業場のうち、2万1495事業場(全体の81.1%)で労働基準関係法令違反が認められた。おもな違反は、違法な時間外・休日労働があったものが1万1230事業場(全体の42.4%)、賃金不払残業があったものが2118事業場(同8.0%)、過重労働による健康障害防止措置が未実施のものが5691事業場(同21.5%)となっている。  違法な時間外・休日労働があった1万1230事業場のうち、時間外・休日労働(法定労働時間を超える労働および法定休日の労働)の実績が最も長い労働者の時間数が1カ月あたり80時間を超えるものが5464事業場(48.7%)、同100時間を超えるものが3191事業場(28.4%)、同150時間を超えるものが653事業場(5.8%)、同200時間を超えるものが124事業場(1.1%)となっている。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59983.html スポーツ庁 「令和6年度体力・運動能力調査」結果を公表  スポーツ庁は、2024(令和6)年度の「体力・運動能力調査」の結果を公表した。  調査は、同年5月から10月に実施し、「6〜79歳」の男女5万9444人(回収率80.1%)から回答を得た。  調査結果のうち、高齢者(65〜79歳)における体力・運動能力のテスト(握力、上体起こし、長座体前屈、開眼片足立ち、10m障害物歩行、6分間歩行)について、1998(平成10)年ごろと2024年度を比較すると、男性では、長座体前屈以外の項目でいずれの年代でも2024年度のほうが高い結果となっている。女性では、すべての項目でいずれの年代でも2024年度のほうが高い結果となっている。合計点については、男女ともいずれの年代でも2024年度のほうが高い結果となっている。最近10年間の合計点は、いずれの年代でも男女ともに横ばいである。  次に調査結果の分析から、1998年度〜2024年度までの27回分のデータを基にした、55〜59歳、75〜79歳における体力・運動能力の総合評価A〜E(Aが最も高い5段階評価)の推移をみると、C以上の高水準の割合は、55〜59歳では男女とも70%台前半から80%台前半へ向上している。内訳をみると、AとBの割合が向上している。75〜79歳では、男女とも70%台前半から90%台程度へ向上している。内訳をみると、男女ともにAとBの割合が向上し、Dの割合が低下している。 https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/chousa04/tairyoku/kekka/k_detail/1421920_00012.htm 当機構(JEED)から 「生涯現役社会の実現に向けた地域ワークショップ」を開催  JEEDでは「高年齢者雇用支援月間」である10月、各都道府県支部が中心となって「生涯現役社会の実現に向けた地域ワークショップ」を開催した。このワークショップは、高齢者雇用に関心のある事業主や人事担当者を対象に、労働局からの制度説明、専門家による基調講演、ならびに高齢者雇用に先進的な企業の事例発表で構成され、各地域の実情をふまえた実践的な情報を提供している。  今回は2025(令和7)年10月10日(金)にJEED埼玉支部が主催した地域ワークショップ「高年齢者雇用管理セミナー202570歳就業時代がやってくる!」の模様をレポートする。  開会のあいさつに続き、厚生労働省埼玉労働局職業安定部職業対策課の岩田(いわた)宏之(ひろゆき)高齢者対策担当官が「高年齢者雇用安定法について」と題して報告。改正高年齢者雇用安定法のポイントとして、65歳までの雇用確保措置が義務、70歳までの就業機会確保が努力義務となっていることを説明するとともに、直近の高齢者雇用状況報告の集計結果を示しながら、企業における取組み状況を解説し、JEEDの65歳超雇用推進助成金や70歳雇用推進プランナーによる支援制度の活用を呼びかけた。  続いて、70歳雇用推進プランナーの梅津(うめづ)充幸(みつゆき)氏が登壇し、「高齢者戦力化に資する従業員満足(ES)を高める健康経営とは」をテーマに講演。顧客満足を実現させる当事者は従業員であり、従業員満足が高くなければ顧客に真の満足を与えることができないとしたうえで、健康経営の実践が生産性の向上や企業価値の向上につながると説明した。特に高齢者の健康管理については、「健康診断の受診だけでなく、事後フォローが重要。精密検査が必要な従業員を確実に医療機関につなげることが健康管理の本質である」とアドバイスを送った。  続いて企業の事例発表が行われ、令和6年度高年齢者活躍企業コンテスト厚生労働大臣表彰特別賞を受賞した、株式会社ヤオコービジネスサービスの松浦(まつうら)伸一(しんいち)代表取締役社長が登壇。同社は埼玉県を地盤とするスーパーマーケット「ヤオコー」の子会社として、店舗の警備業務や施設管理をになっている。「定年年齢を70歳に引き上げ、その後も1年ごとの有期雇用契約で継続雇用できる制度を整備した。また、無期雇用転換を法定の5年ではなく2年に短縮することで、高齢者が安心して長く働ける環境を実現している」と述べ、さらに「人事考課制度により年齢にかかわらず昇給・昇格の機会を提供し、資格取得を奨励することで、高齢社員のモチベーション向上と専門性の向上を両立させている」と取組みの成果を示した。また、シフト管理の自動化ツールなどの導入により、高齢者一人ひとりの希望に柔軟に対応できる体制を構築していることを紹介した。  休憩をはさんで、千葉経済大学経済学部の藤波(ふじなみ)美帆(みほ)教授が「人事管理から見たシニア社員の戦力化へのアプローチ」と題して基調講演を実施した。まず、日本における高齢者雇用の歴史をふり返り、1980年代の60歳定年努力義務化以降、人口構成と労働力構成に合わせて制度が変化してきた経緯を説明。現在、シニア雇用は「やるべきこと」であり、企業は覚悟を持って取り組む必要があると強調した。そこで高齢者の活用範囲と活用程度によって、企業の取組みを分類し、「60代前半層は強い活用、後半層は弱い活用というステップを踏みながら、最終的には年齢で区切らない統合型の人事管理を目ざすことが望ましい」と指摘した。シニア社員のキャリアマネジメントにおいては「役割転換の明確化、定期的なコミュニケーション、評価制度の整備が不可欠」とアドバイスを送った。特に、中高年期の45歳ごろから将来の役割について話し合う機会を設けること、人事部門に相談窓口を設置し、上司と部下の関係だけでは解決しきれない問題をサポートする体制づくりの重要性を強調した。  最後に、公益財団法人産業雇用安定センター埼玉事務所の池本(いけもと)英生(ひでお)統括参与が登壇し、キャリア人材バンクの概要を説明。経験豊富な60歳以上の人材と企業をマッチングする無料サービスを紹介し、高齢人材の再就職支援について説明した。  JEEDによる助成金の紹介もあり、参加者は熱心に耳を傾けていた。参加した各社が取組みに活かせるヒントを得る有意義なセミナーとなった。 写真のキャプション JEED埼玉支部地域ワークショップ当日の様子