イキイキ働くための脳力アップトレーニング!  頭の中で図形などを動かすことを「メンタルローテーション(心的回転)」といいます。メンタルローテーションはSTEM(科学、技術、工学、数学)の四つの教育領域の基礎と考えられ、特許数と相関するという報告もあります。前頭葉のほか頭頂葉の働きがかかわる能力です。 第95回 目標 5分 ひと筆書き 同じ線を通らないように気をつけて、図形をひと筆でなぞりましょう。一度なぞった線と交差することは可能です。 @ A B C D E スーパーエイジャーを目ざそう  80歳、90歳、100歳を超えても30代と変わらない脳の力を示す人たちを「スーパーエイジャー」といいます。スーパーエイジャーの人たちは、脳トレでも使うような、総合的な情報処理能力と記憶力が良好に保たれています。  その脳構造は通常の高齢者と比較して、記憶に関係する海馬付近の萎縮が小さい、前頭葉の萎縮が小さい、脳の白質(配線の塊のようなところ)の損傷が小さいことが明らかになっています。  そして、おもしろいことに、歩行速度が速いことと、精神的健康が良好であることが、スーパーエイジャーと通常の高齢者を区別する指標になるのだそうです。  ですから、スーパーエイジャーを目ざすなら、今回のような脳トレにチャレンジするほか、歩行速度を速く保つこと、機嫌よく過ごすことが大切です。  逆に、「もう歳だから…」、「この年齢だからできない」というあきらめはよくないそうです。あきらめずにチャレンジし続けることが、脳へのよい刺激になり、活性化するのです。 篠原菊紀(しのはら・きくのり) 1960(昭和35)年、長野県生まれ。人システム研究所所長、公立諏訪東京理科大学特任教授。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRS を使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK 出版)など著書多数。 【問題の答え】 @ A B C D E