ニュース ファイル NEWS FILE 行政・関係団体 厚生労働省 「男女間賃金差異分析ツール」を公開  厚生労働省は、おもに中小企業向けに男女間賃金差異の要因を分析できる簡易なツールとして「男女間賃金差異分析ツール」を作成し、公開している。  日本における男女間賃金格差は、先進諸国と比較すると依然として大きい状況にあり、さらなる縮小が求められている。そのため、2022(令和4)年7月8日に女性活躍推進法に関する制度改正がなされ、従業員数301人以上の企業に対して「男女の賃金の差異」の公表が義務づけられた。  このほど公開された「男女間賃金差異分析ツール」は、自社の男女間賃金差異をはじめとする労務管理の基本データを入力することで、同業種・同従業員規模の企業平均のデータとの比較が可能で、自社の女性活躍に関する強みや課題を明らかにすることができる。  また、同ツールより踏み込んで男女間賃金差異の要因分析ができる「男女間の賃金格差解消のためのガイドライン(パンフレット)」についても、男女間賃金差異の現状の更新および女性活躍に関する各種支援ツールの追加などにより刷新した。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_53416.html  「男女間賃金差異分析ツール」、「男女間の賃金格差解消のためのガイドライン(パンフレット)」ともに、左記特集ページからダウンロードできる。 ◆女性活躍推進法特集ページ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html 厚生労働省 令和7年6月1日施行の職場における熱中症対策の強化/リーフレットを作成  熱中症の重篤化による死亡災害を防止するため、事業者に「早期発見のための体制の整備」などを義務づけることをおもな内容とした「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」について諮問を受けた労働政策審議会は、2025(令和7)年3月12日、厚生労働省案を妥当と認める答申をした。  今回の規則改正では、熱中症を生じさせるおそれのある作業を行う際に、熱中症の自覚症状がある作業者や、熱中症のおそれがある作業者を見つけた者が、その旨を報告するための体制の整備を事業場ごとにあらかじめ定め、関係者に対して周知することを事業者に義務づけるとしている。  また、熱中症が生ずるおそれのある作業を行う際には、作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じて医師の診察または処置を受けさせることなど、熱中症の症状の悪化を防止するために必要な措置に関する内容や実施手順を事業場ごとにあらかじめ定め、関係作業者に周知することを事業者に義務化する。  改正省令の施行は、2025年6月1日。「WBGT28度以上又は気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間以上の実施」が見込まれる作業を対象として、事業主に対し、具体的な熱中症対策を講じることが義務づけられる。 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/newpage_00043.html ◆職場における熱中症対策の強化について(リーフレット) https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf 厚生労働省 「令和6年賃金構造基本統計調査」結果を公表  厚生労働省は、「令和6年賃金構造基本統計調査」の結果を公表した。  調査は、2024(令和6)年6月分の所定内給与について調べたもので、今回まとめられたのは、常用労働者10人以上規模の5万682事業所について集計したもの。  調査結果によると、一般労働者(短時間労働者以外の労働者)の男女計の賃金額は33万400円(前年比3.8%増)、男女別では、男性36万3100円(同3.5%増)、女性27万5300円(同4.8%増)となっている。男女間賃金格差(男=100)は、75.8(前年差1.0ポイント上昇)となっている。  男女別に賃金カーブをみると、男性では、年齢階級が高くなるにつれて賃金も高く、55〜59歳で44万4100円(20〜24歳の賃金を100とすると189・6)と賃金がピークとなり、その後下降している。女性では、45〜49歳の29万8000円(同129・2)がピークとなっているが、男性に比べて賃金の上昇が緩やかとなっている。  短時間労働者の1時間あたり賃金は、男女計1476円(前年比4.5%増)、男性1699円(同2.5%増)、女性1387円(同5.7%増)となっている。男女別に1時間あたり賃金を年齢階級別にみると、1時間あたり賃金が最も高い年齢階級は、男性では、50〜54歳で2434円、女性では、30〜34歳で1545円となっている。 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/index.html 厚生労働省 「職業情報提供サイト(jobtag)」等をリニューアル  厚生労働省は、職業情報提供サイト「jobtag(じょぶたぐ)」および職場情報総合サイト「しょくばらぼ」をリニューアルした。  「jobtag」は、500を超える職業について、ジョブ、タスク、スキル等の観点から職業情報を「見える化」し、求職者の就職活動や企業の採用活動、人材育成を支援するWebサイト。企業の採用活動においては、求める人物像の明確化、人材育成では、従業員のスキルの棚卸しによる教育や訓練の検討、人材配置の検討などにも活用できる。年間のアクセス件数が2000万件を超えるが、仕事を探している人や、企業の採用・人事担当者、転職・就職を支援するキャリアコンサルタントなどより幅広い人々に活用してもらえるよう、サイト機能を紹介する使い方動画を拡充し、新たにキャリアコンサルタントなどの支援者に向けた動画を追加した。加えて、職業情報の掲載について、新たに10職業を追加。さらに、各職業の賃金に関する情報を追加した。  「しょくばらぼ」は、企業の職場情報を求職者や学生などに総合的・横断的に提供するWebサイト。このほど、掲載対象企業の拡大(法人番号を持つすべての企業が掲載可能)や、提供項目を追加するなどのリニューアルを行った。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_54345.html ◆職業情報提供サイト(jobtag) https://shigoto.mhlw.go.jp/User ◆職場情報総合サイト(しょくばらぼ) https://shokuba.mhlw.go.jp 中小企業基盤整備機構 補助金ポータルサイト「補助金活用ナビ」を公開  独立行政法人中小企業基盤整備機構は、補助金の効果的な活用をサポートするためのポータルサイト「補助金活用ナビ」を公開した。  補助金活用ナビは、中小企業・小規模事業者へ向けて、各種補助金の概要をはじめ、補助金のメリットや活用する際の注意点、補助金の基礎知識や補助金に関する用語集、活用事例などを幅広くまとめたポータルサイト。登録手続きなどは不要で、だれでも無料で利用できる。  補助金を活用することについて同サイトでは、「単なる資金調達だけでなく、企業の経営戦略を見直すきっかけにもなります。事業成長のための補助金制度を活用し、売上拡大・業務効率化・設備投資を実現しましょう。目的に応じた補助金を活用し、ビジネスの可能性を広げてください」として、「販路開拓を支援する補助金」、「業務効率化・DX推進を支援する補助金」など目的別に補助金を紹介。また、補助金活用事例では、地域伝統工芸の事業承継に補助金を活用した従業員4人の鍛冶工房や、補助金を活用して効率的な増産体制を実現した企業など多数の事例を掲載している。 https://www.smrj.go.jp/press/2024/f7mbjf0000007mmb-att/20250327_press02.pdf ◆補助金活用ナビ https://seisansei.smrj.go.jp  おもな支援メニューは、中小企業基盤整備機構が所管する補助金の制度紹介、補助金の手引き(補助金の基礎知識、補助金虎の巻、用語集)、経営戦略の基礎(生産性向上とは、相談先一覧)など。 調査・研究 JILPT 「人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査」結果を発表  独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)は、「人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査」(企業調査、労働者調査)の結果を発表した。調査は、厚生労働省からの要請を受けて、2024(令和6)年10月〜11月に実施した。  企業調査の結果をみると、従業員に対して実施する人材育成・能力開発の教育投資が、「職場の生産性の向上」に「効果がある」、「ある程度効果がある」とする企業は84.8%で、8割超の企業が、教育投資が生産性向上に効果的と認識していた。  従業員の人材育成・能力開発における課題をたずねると(複数回答)、「指導する人材が不足している」(33.5%)の回答割合が最も高く、「人材を育成しても辞めてしまう」(32.1%)、「人材育成を行う時間がない」(30.8%)などが続いている。  労働者調査の結果をみると、仕事に関わる自己啓発(自発的に行う教育訓練)を行った従業員は14.9%で、300人以上の会社に勤務する人では約2割(19.4%)で、規模が大きい企業で働く人ほど自己啓発を実施している。一方、自己啓発を行わなかった理由(複数回答)は、「仕事が忙しくて時間が取れない」(32.8%)が最も高く、次いで「自己啓発を行っても会社で評価されない」(26.1%)「、費用を負担する余裕がない」(21.5%)などとなっている。 https://www.jil.go.jp/press/documents/20250313.pdf