内田教授より、高齢社員の戦力化に向けた人事管理について基調講演が行われました。
講演では、高齢化社会のなかでシニアが持つ多様性を理解し、強みを発揮できる仕組みづくりの必要性などが示されました。
《やりがいのある仕事・役割の提供》
組織として、シニアを活用する理由は、彼らが強みを持っていて、その強みを活かすことが会社の成長、活性化につながり、後に続く人たちにも刺激を与えるからです。その際、シニアが活きる仕組みをつくり、やりがいのある仕事、役割を提供する工夫が大事になります。
《多様性に対応した仕組みづくり》
高齢になると若いときよりも重いものを持つことがむずかしくなるといった体力的な面や、趣味など仕事以外の活動に時間を費やすため勤務日数を減らすなど、仕事への向き合い方が多様になってきます。多様な人たちを戦力として活用するためには、多様性に対応した仕組みづくりが必要になります。
《能力を発揮してもらうための仕組みづくり》
会社にとって有効な戦力のひとつである高齢者を活用するためには、高齢者の持つ能力を活かし、長く働ける仕組みを考え、強みを活かし弱みを補えるような職場環境をつくることが必要です。
例えば、高齢者と若年者でのペア就労があります。ペア就労では、高齢者は知識や経験、技術を教える側になり、ドローンやタブレットなどの最新の機器については若年者から教えられる側になるなど、お互いが得意なことで補える関係がつくれることで信頼が深まり、技能伝承にも効果的です。
《シニアに意識改革をうながす》
高齢期前の業務指導研修などを実施することにより、高齢期に求められる役割や身につけるべき技能は何か「気づき」の機会を与え、高齢期になる前に準備してもらうことが大切です。例えば、60歳以降に活躍してもらおうと考える場合は、50代のうちから準備をしておく必要があります。
《最後に》
改正高年齢者雇用安定法では、70歳までの就業機会の確保が努力義務化され、2021(令和3年)年4月に施行されます。
その就業機会の選択肢には、フリーランスとしての契約や社会貢献活動にシニアを活かすといったことが示されています。
会社とシニアと社会貢献活動がうまく結びつけば、さまざまな取組みができるでしょう。シニアを活かして会社が成長する施策を、いまからシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。
関係機関のみなさまのご協力により、各会場で無事にシンポジウムを開催することができました。この場を借りて厚くお礼申し上げます。
定期刊行誌『エルダー』令和3年1月号には新潟、愛知会場での講演や企業事例を掲載しておりますので、ぜひご覧ください!また、3月号(3月1日発行予定)には、東京、大阪、福岡会場の開催内容を掲載する予定です。
東京開催のシンポジウムの模様については、3月22日(月)まで動画を配信しています。動画視聴の申込みは下記のURLからお願いします。
(申込み締め切り:3月22日(月)まで)
https://moushikomi.jeed.go.jp/
令和3年度も高齢者雇用に関する有効な情報提供ができるよう、シンポジウム開催を計画しています。詳細が決定しましたら、当機構ホームページや当メールマガジンなどでご案内します。