地震による津波
平成23年3月11日14時46分、三陸沖(北緯38度1分、東経142度9分)の深さ24kmを震源として、我が国観測史上最大のマグニチュード9.0の地震が発生した。この地震により宮城県栗原市で震度7を観測したほか、宮城県、福島県、茨城県及び栃木県で震度6強など広い範囲で強い揺れを観測した。
海溝型でM9.0という非常に大規模なものであったため、地震に伴い発生した津波の規模も非常に大きく、被害は津波に起因するものが大半であった。日本では、北海道から沖縄にかけての太平洋沿岸で高い津波が観測され、特に東北地方から関東地方の太平洋沿岸で甚大な人的・物的被害が発生した。また、日本海、オホーツク海、東シナ海の沿岸でも津波が観測され、さらに、ハワイや北米・南米、太平洋諸国にまで津波が到達した。気象庁では、地震発生から3分後の14時49分、岩手県、宮城県、福島県に津波警報(大津波)を発表した。15時14分には青森県太平洋沿岸、茨城県、千葉県九十九里・外房、15時30分には北海道太平洋沿岸と伊豆諸島、16時8分には青森県日本海沿岸、千葉県内房、小笠原諸島、相模湾・三浦半島、静岡県、和歌山県、徳島県、22時53分には高知県が、津波警報(大津波)の対象に加えられた。
気象庁はこの地震を「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」(以下「東北地方太平洋沖地震」という。)と命名した。さらに、政府は、東北地方太平洋沖地震による災害及びこれに伴う原子力発電所事故による災害について、「東日本大震災」と呼称することとした(平成23年4月1日閣議了解)。

図1. 地震による津波