③装置のタンクに水と洗剤を投入スピードを出しすぎると旋回がむずかしくなるため、スピード調整が大切だという①パッド台に洗浄パッドをセットする②パッド台をフロアスクラバーに取りつける 宮崎県日ひゅうが向市でビルメンテナンス事業などを営む株式会社グローバル・クリーンでは、2000(平成12)年の創業当時から障害のある人が大きな戦力として活躍してきた。同社は、研修プログラムの実施やチャレンジしたい職務のヒアリングなどを通じて、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れている。 入社11年目で、精神障害のある早はや瀬せ直なお哉やさん(55歳)は、量販店での店内清掃や食品工場での器具洗浄を担当している。この日は、大型量販店での店内清掃の様子を、本社の倉庫内で再現してもらった。 フロアスクラバーと呼ばれる清掃機器の準備作業では、手際よく洗浄パッドを取りつけ、タンクに水と洗剤を投入し、準備を整えてゆく。担当する量販店の店内は広いため、効率的に作業を進めることが大事だという。「ちょっとしたトラブルが時間のロスへとつながるので注意しています。店内がきれいになるとうれしいです」と早瀬さんは話す。食品工場では、高圧洗浄機を使い、まな板やかごなどの器具洗浄を担当。器具は大型で重量もあるため「作業はたいへんですが、やりがいのある仕事です」とも語ってくれた。 現場で働く社員を支えているのが、身体障害のある林はやし田だ実みのるさん(56歳)。本社のオフィスで、手書き伝票の内容をパソコン上の管理ソフトに入力していた。入社4カ月目(取材時)で、「担当できる仕事も増え、仕事が楽しいです」と話す。よりよい作業環境を目ざし、ノートパソコンの配置を模索中で、この日はコピー用紙の束を利用して作業がしやすい高さを探っていた。 株式会社グローバル・クリーンは、プロレベルの清掃技術を指導する「クリーンコンサル」という取組みにも力を入れている。これは、福祉施設などに、清掃技術の指導や清掃者の教育を提供し、福祉施設を利用している障害のある人がプロレベルの清掃技術を身につけて仕事をするというもので、新たな職務創出と工賃向上につながっているという。フロアスクラバーの準備働く広場 2025.516
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