働く広場2025年5月号
7/36

※1ステンドグラスプロジェクト(2014~2023):従業員一人ひとりを、色も形も大きさも違うステンドグラスの一つひとつのピース、また会社全体をステンドグラス全体の美しい絵に例えたダイバーシティ推進プロジェクト 京都府京都市に本社を構える「株式会社堀場製作所」(以下、「堀場製作所」)は、1945(昭和20)年の創業から80年が経つ分析・計測機器の総合メーカー。三つの事業分野、「エネルギー・環境」、「バイオ・ヘルスケア」、「先端材料・半導体」における社会課題解決に貢献する機器やシステムを提供し、国内外に約50のグループ会社を展開する。 これまで経営理念や社風の大きな柱になってきたのは、創業者である堀ほり場ば雅まさ夫おさんが制定した社是「おもしろおかしく」で、「人生の一番よい時期を過ごす『会社での日常』を自らの力で『おもしろおかしい』ものにして、健全で実り多い人生にしてほしい」との願いが込められているそうだ。 障がい者雇用については、従業員1777人のうち障がいのある従業員が39人(身体障がい24人、知的障がい4人、精神障がい11人)、「障害者雇用率」は2・66%(2025〈令和7〉年1月1日現在)だという。生産・開発・事務・情報サービスなど幅広い部署に配属されている。 当事者の目線に立った配慮や公的制度などを活用した支援、相互理解を深める活動などに取り組む現場を取材した。計測機器の総合メーカー 今回、堀場製作所の取組み説明と職場案内をしてくれたのは、管理本部グローバル人財センターグループ人事部人財サポート・DE&I推進チームのチームリーダーである安やす井い美み香かさん、サブリーダーの福ふく岡おか宏ひろ水みさん、横よこ山やま友とも子こさんの3人だ。同チームは2025年1月に発足したばかりで、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)をよりいっそう浸透させる職場づくりに取り組んでいるという。 堀場製作所は1990年代から、積極的な海外展開をするとともに、「ステンドグラスプロジェクト」(※1)にてダイバーシティを反映した「人財」育成に力を入れてきた。早くから在宅勤務制度や介護・育児との両立支援などを充実させ、DE&I推進チームに引き継がれている。 これまでおもに障がい者雇用にかかわっDE&I推進チームてきた福岡さんは、「一人ひとりが活き活きと働ける職場をつくることが、全体として働きやすい職場であるはずだという思いで、だれかが声をあげたらなんとかしようというのが、私たちのポリシーです」と話す。まずはその実例として、中途障がいで目が不自由になった従業員のケースから紹介したい。 現在、再雇用の嘱託社員として開発本部R&Dプランニングセンターグループ開発基盤部Design & Simulationチームに所属する西にし本もと明あき弘ひろさん(63歳)は、長40代で目が不自由に従業員の事情に合わせ、就労支援機器や支援サービスを積極活用13ステップの長期インターン実習でていねいなマッチング2上司と相互理解を深めるワークショップや当事者同士の交流も3POINT株式会社堀場製作所は、「自動血球計数装置」などさまざまな分析・計測機器の製造を手がける(写真提供:株式会社堀場製作所)管理本部グローバル人財センターグループ人事部人財サポート・DE&I推進チームチームリーダーの安井美香さん人財サポート・DE&I推進チームサブリーダーの福岡宏水さん人財サポート・DE&I推進チーム横山友子さん働く広場 2025.55

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る