求職者支援訓練の実施機関の皆様は、様々な経歴や背景を抱えた受講者と接しながら、日々の訓練コースを運営されています。
実施機関が、訓練コースを円滑に運営して受講者全員の就職を支援するためには、受講者一人ひとりが抱える悩み、課題、要望などを理解し、的確に対応することが求められます。
そこで、愛知支部では、実施機関の皆様の受講者対応スキルのさらなる向上を支援するため、合同会社ネス 代表社員 羽田野 健氏(臨床心理士/公認心理師)を講師に迎え、受講者のタイプや特徴を理解し、タイプに応じた支援・対応方法について学ぶ求職者支援訓練サポート講習「受講者のタイプや特徴に応じた支援と対応」を開催しました。
開会挨拶をする当機構愛知支部の貴舩統括(右は羽田野講師)
【講師プロフィール】
合同会社ネス 代表社員 羽田野 健氏(臨床心理士/公認心理師)
・東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース修士課程修了
・地域若者サポートステーションや職業能力開発総合大学校などにおいて若年者の就労支援に取り組むほか、技能五輪の選手の育成や指導者のサポートを行うなど、臨床心理学の手法を用いた技能の習得や承継の支援に取り組んでいる。
「臨床心理学の手法を用いた受講者の分析方法」について説明する羽田野講師
■講習の主な内容
1.受講者はなにを訴えているのか
受講者の特徴を2つの軸(原因帰属・ニーズ)に分けて考える
・受講者は、なにを責めているのか?(自分自身?自分以外の誰か?)
・受講者は、なにを求めているのか?(聞いてほしい?解決したい?)
・受講者の特徴に合った対応を考える
2.自分の対応グセと総合的な相談タイプ
対応者が持つ対応グセを理解し、相談者のタイプにマッチした対応を考える
・自分自身の無意識の対応グセを理解する(距離感やポジションを知る)
・相談者のタイプを理解し、タイプに合った対応方法を理解する
3.メッセージやアドバイスを伝える
対応者がすでに持っているものの有効活用
・聴く態度(F.E.L.O.R.)を意識する
・関係を暖める言葉(コンプリメント)を探す
4.全体のまとめ
どんな受講者とも共に成長するために
グループワークの様子
講師が出す課題に耳を傾ける参加者(ペアワークでの1コマ)
■参加者アンケートの結果
・具体的な対応方法が分かった。
・内容がよく理解できた。説明の仕方も分かりやすかった。
・今までの考え方が変わった。具体的な例があり分かりやすかった。
・具体例を挙げながら進めるので、分かりやすく今日から使える内容だった。
・相談者のタイプが、具体的に類型化されていて分かりやすかった。
・面談を進めているとき、相談者が何を望んでいるのか?に何度も立ち戻ることがあるが、その際、何を目安にすれば良いのかのヒントになった。
・グループワークで多くの考え方を認識することができた。
・日常で忘れていたことを思い出させるシーンが多数あった。
・(対人関係における)位置の話は、利用者との相談などにおいても活用できそう。
・配布された資料は有効に活用できると思った。
・タイプ分け、自分のクセなどを客観視するヒントとして活用できる。
・面談においても、職場においても活用できる内容だった。
・受講者に対する接し方や気を付ける点などが分かりやすかった。
・担当業務ではビジタータイプの相談者が多いが「ねぎらう部分を見つけて伝える」という対応方法は特に意識したいと思った。「ネギできる部分を探す」という表現方法はユーモアがあって気に入りました。
・(今日の講義内容を)自分で実施できるかどうかが不安。
■令和元年度「求職者支援訓練サポート講習」開催概要
日 時:2019年12月26日(木)13:00~16:00
会 場:(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構愛知支部 名古屋事務所
(名古屋市中区錦1-10-1 MIテラス名古屋伏見 5階会議室)
テーマ:受講者のタイプや特徴に応じた支援と対応
講 師:合同会社ネス 代表社員 羽田野 健 氏(臨床心理士/公認心理師)
受講対象:求職者支援訓練実施機関の講師・事務担当者 など
(求職者支援訓練の実施を検討する民間教育機関の方の受講も可)
参加者:17名(実施機関の講師・事務担当者:7名、関係機関の職員:10名)
参加費:無料
主 催:(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構愛知支部
※令和2年度のサポート講習は、愛知支部HPでご案内します。(時期未定)