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心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援のために

リワーク支援を利用頂いた事業所産業医様より、休職者の職場復帰支援に取り組む企業の皆様へメッセージをいただきました。
雇用管理にぜひご活用ください。

株式会社SUMCO九州事業所 健康管理センター 統括産業医 彌冨美奈子先生

近年、心の健康問題で休業する労働者が増加しているという調査結果や休業後の職場復帰支援がうまく進まないといった調査結果等もあり、心の健康問題により休業した方の職場復帰支援に関して関心が高まっています。心の病は、身体的疾患と異なり、回復の度合いを示す客観的な評価が難しいため、主治医や産業医も判断に悩むことも多く、職場のメンタルヘルス問題の中でも特に職場復帰支援は難しい課題です。復職支援に対して、本人の経過や状況などの情報不足、職場や上司毎に異なる対応をしてしまう、また、本人だけでなく上司等周囲が悩みを抱えながらも相談できない、など様々な問題点が挙げられます。
職場復帰を成功させるには、復職支援のステップを確実に進めていくことが重要です。

この中の第3ステップでは、最終的な職場復帰決定の手続きの前に、必要な情報の収集と様々な視点からの評価を行った上で職場復帰の可否を適切に判断し、具体的な職場復帰支援プランを作成します。

このプロセスは、職場復帰支援の中心的な役割を果すものです。事業場内産業保健スタッフ等を中心に上司、休業者の間で十分に話し合い、連携しながら進める必要があります。しかし、小規模事業場では産業医も選任されておらず、産業保健スタッフがいないことも多いのが現状です。地域産業保健センターでは、小規模事業場およびその従業員に対して無料で産業医等から産業保健サービスを受けることができます。

第3ステップの中で事業場外資源が提供する職場復帰支援サービスについても記載されています。そのひとつとして各都道府県の障害者職業センターにリワーク支援のプログラムがあります。リワークとは職場復帰(return to work)のことです。
リワークプログラムでは、毎朝決まった時間に通うことによる通勤訓練や、職業能力回復訓練、病気の再発予防教育などが行われます。心の健康問題は、本人が復帰する職場で求められる業務遂行能力まで回復しているか否かが事業場にとって(あるいは本人にとっても)わかりにくく、 判断が難しいという特徴があります。また、本人にとっても休業中、ひとりで行うリハビリに不安を感じる場合も少なくありません。その場合は主治医に相談して、リワークプログラムを紹介してもらい、参加してみるのもひとつの方法だと思います。リワークプログラムを受けることで、御本人も職場復帰の自信につながりますし、職場にとっても、コーディネーターの方が主治医、本人、職場の橋渡しをしていただけるので、回復の程度の把握や職場復帰後の注意点などが確認しやすくなります。
スムーズな職場復帰のために、特に小規模事業場では、事業場外資源を積極的に活用することも重要と思います。

基本情報

佐賀障害者職業センター

所在地
〒840-0851 佐賀市天祐1丁目8番5号
TEL
0952-24-8030
FAX
0952-24-8035
Email
saga-ctr@jeed.go.jp
開庁日時
08:45~17:00(土日祝、年末年始休暇を除く)

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