高齢者は若年・中堅者に比べると健康上の問題が生じやすくなります。
また加齢により、知覚能力が低下することもあり、安全上の対策を強化する必要があります。
従業員ごとに「健康状態確認記録簿」を作成し、血圧の測定値(健康診断で問題が指摘された従業員は毎日、健康状態に問題のない人は月に一度)を報告させ、記録している。
血圧に異常値が出た場合は絶対に乗務させない。そのために事務所及び従業員控室に血圧計を常備している。
健康診断の結果をみて、医師が仕事内容の変更を提案します(但し本人が望まない場合は原則変更せず)。また年齢が上がるにつれ健診項目を追加しています。
健康診断結果を注視し、内容によっては残業規制を行う等の配慮をしています。
毎朝ラジオ体操をしっかりやらせ、顔色はいいか、足元はしっかりしてるか、安全帯はしているか等を指差し呼称で確認させています。「ラジオ体操をしっかりやらない者は仕事をさせない」と職人に伝えるほど、ラジオ体操を重視しています。ラジオ体操には健康チェックという意味もありますし、これから高所作業をするための準備体操という意味合いもあるからです。
毎朝の朝礼では職人一人ひとりが「健康チェックリスト」を使って、その日の体調の自己チェックを行います。これは、頭痛、めまい、動悸などの有無について各自が自己チェックし、それを職長が見て確認印を押すというものです。
「いつ健康診断を受診するか」「どのタイミングで結果提出を求めるか」というサイクルを、年間スケジュールに落とし込むことがポイントです。そして、個人ごとにフォローできるようなシート(一覧表)に落とし込み、例えば月末に点検する、という作業を標準化し、漏れがないような工夫をするという流れです。
ベビーシッターの心身の健康状態を管理せずに、万が一、何かしらの事故やトラブルが発生した場合、一番迷惑するのは利用者です。「会社として、ベビーシッターの健康管理が不十分」では通用しません。国保無料健康診査や地方自治体が実施する健康診査を含めて、確実な受診と提出をルール化する取り組みは、喫緊の課題でもあります。
こうしたことの重要性について、シニアベビーシッターを含めたすべてのベビーシッターに自覚を促すとともに、事業者としての徹底した取り組みが不可欠です。
ドライバーは難しいという高齢者は、倉庫作業や夜間点呼の業務に異動させている。
治具製作や外部委託するような細かい仕事(掃除や木の剪定)、検査機へのモノの投入や整理整頓など、周辺業務の手伝いをしています。
ラインから外して自分のペースで作業できる仕事に配置転換しています。
65歳を過ぎると、置き場など主に低い所の仕事をお願いしています。
ベテランでも、健康状態に不安がある場合は、高さ2メートル以上の高所作業をさせないことがポイントです。また、「1メートル」は「一命をトル」とも言われ、作業中の転落事故の例がありますので、低所でも細心の注意が必要です。
漬物製造の現場は水仕事が多く、身体が冷えやすいことを考慮して、休憩室に床暖房を導入したほか、休憩室の半分を畳にして、横になって休めるように工夫するなど、高齢者や女性が無理なく働ける環境づくりの徹底を図っています。
また、休憩室の自販機は夏場でもホットドリンクが買えるよう設定しました。
生産工程で体力的に過酷なのは溶解および注湯、バラシ(解枠)で、特に夏場は暑くて大変な作業となります。バラシ作業場にはスポットクーラーやミスト扇風機を入れるなどしているほか、工場全体では屋根に断熱ペイントを塗装したり、送風機で外気を取り込むような工夫をしています。
製造現場では、体調管理に十分配慮するために、スポットクーラーやストーブを設置したり、包装部門では冷暖房を完備したりするなど、無理のない環境で働けるように工夫しています。また、体調不良の際には、会社のかかりつけの医院で診察を受けられるようにしています
夏の熱中症対策は非常に気を遣っており、ヘルメットの下に保冷剤を入れるタイプの熱中症対策用品を購入して、職人全員に使用させています。
メンタルヘルスを含む健康管理として、職場環境を整備し、ストレス軽減につとめています。本社ビルおよび支社のフロアをフローリング敷きとすることで、従業員は、靴を脱いでフロアに上がるようになっています。靴を脱ぐことでリラックスして仕事に取り組むことができ、生産性の向上にもつながると考えています。また、フロアの天井にも、ストレス軽減効果やリラックス効果があるとされるマイナスイオン発生器を設置しています。
安全運転の徹底、事故防止の観点から、デジタルタコグラフ、ドライブレコーダーの記録を基にドライバー一人ひとりに指導を行っている。班単位で15万キロずつ無事故を継続した場合、無事故賞として粗品を支給している。無事故記録を達成した班については月1回発行する広報誌で紹介している。
デジタルタコグラフ、ドライブレコーダーは全車に装備し、バックアイカメラも導入している。自社で作成した「ルールブック」に基づき、無事故・無災害、燃費向上、誤出荷ゼロなど、会社に対して貢献した従業員に対しては表彰金を一時金として支給、表彰状を授与している。
現在、安全衛生に係る取り組みとして、動画を使った労働災害防止マニュアルを作成しています。誰もが労働災害防止のための参考資料として活用できるよう、完成後には社内システム上にこれが公開される予定です。
現場で朝礼を行い、その日の作業内容や危険予測とその防止策などを確認するKY(危険予知)活動を実施しています。
毎朝ミーティングを実施し、地域や同業者や異業種などで起きた事故の実例をあげて注意喚起を促すとともに、実演を交えながら技術的な話も行っています。
夏季には塩飴や機能性飲料などを置き、塩分や水分を補うように促しています。
日々の安全教育として、毎日夕方に職長が戻ったら、明日の仕事の危険箇所や注意点について報告書を求めています。同内容を社長が読んでチェックし、翌朝職長に返して「今日はこういうところに気をつけなさい」と直接伝えています。また、社長が抜き打ちで各現場を訪れ、問題があるような対応をしていればそのつど注意を与えるようにしています。
毎月1回、現場の写真や映像等を見せながら、元請けの指示や現場の状況を説明し、全社員および協力各社の従業員を交えた安全教育を実施しています。その際、ベテランの高齢者が教育的、指導的役割を担っています。
現場の改善は、従業員のヒヤリハットや改善提案が元になっています。一時期、活動自体が停滞した時期もありましたが、そうした停滞期から抜け出し、活動が活発になったのは、業務改善活動の年間計画を策定し、工場長自らが先頭に立ち計画の推進に取り組むようになってからです。工場長自ら、従業員に何度も業務改善の方針を説明し、工場で働く一人ひとりの理解を促していきました。今では従業員のヒヤリハットを元に、滑りやすい箇所に手すりや滑り止めを施すなど、工場内のリスク削減に積極的に取り組んでいます。
仕事中に「ヒヤリ」や「ハッ」としたけれども、幸い事故や災害に至らなかった出来事を「ヒヤリハット」と言います。実は、1件の重大事故が起きるには、29件の軽傷事故、300件の無傷事故(ヒヤリハット)があると言われています。 したがって、重大事故を未然に防ぐためには、日々職場で発生しているヒヤリハットに着目して、対策を考えていくことが大切になります。ヒヤリハットの活動は、次の①~④の流れで進めます。
① 職場でヒヤリとしたこと、ハッとしたこと
② ヒヤリハットの出来事を報告書にて提出
③ 安全担当者を中心に改善策を考える
④ 改善策を実行し、周知徹底を図る
保育現場でのヒヤリ・ハットの報告を受ける際に気をつけたいのは、報告者を責めるとか、不注意をとがめる等といったスタンスには決してならないようにすることです。なぜなら、「事故の手前で慌ててビックリした体験」や、「子どものケガやトラブルに至らずにホッとした体験」を、今後の子どもの安全管理や保育サービスに活かすことが目的だからです。むしろ、報告したベビーシッターに対して、「この体験がヒヤリ・ハットであることに、よく気づきましたね」などと、褒めることが大切です。
「ヒヤリ・ハットの報告は、恥でも隠すことでもない」ということを、上記の目的とともに十分にベビーシッターに伝えましょう。