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特集(メールマガジン第128号)

【求】在職者訓練におけるDXの取組み

在職者訓練とは

 機械系、電気・電子系、居住系の“ものづくり分野”における仕事を遂行するうえで必要な、専門的知識および技能・技術の向上を図るための短期間の職業訓練です。
 
◆対象者
 おもに中小企業の製造現場における中核的・指導的立場にある労働者またはその候補者を対象としています。

◆訓練実施施設(訓練実施場所)
 JEEDが全国に設置する職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)、職業能力開発大学校・短期大学校(ポリテクカレッジ)で実施しています。
 
◆訓練時間数
 おもに12時間~18時間(日数としては2日間~3日間)で実施していますが、訓練コースごとに時間数は異なります。

◆受講料
 おおむね7,000円~30,000円の範囲で、平均は13,000円となっていますが、訓練コースごとに受講料は異なります。
 
◆訓練の実施規模
 全国で65,092人に受講していただきました(令和4年度実績)。
 

DXへの取組み

 令和5年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023」(いわゆる「骨太方針2023」)においては、人への投資・構造的賃上げとグリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)等の加速が打ち出されているほか、同日に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」においても、「GXやDX等の新たな潮流は、必要とされるスキルや労働需要を大きく変化させる」としたうえで、国の学び直し支援策について「在職者のリ・スキリングの受講者の割合を高めていく」ことが示されています。
こうした国の方針をふまえ、JEEDではGXやDXに対応する在職者訓練コースを設定しています。今回はDX対応コースについてご紹介します。
 
◆DX対応コースのご紹介
 JEEDが実施する、DXに対応した在職者訓練コースの一例をご紹介します。
 
(1)3次元CADを活用したアセンブリ技術
 機械設計の新たな品質の創造または製品を生み出すことを目ざして、設計検討項目の検証方法を習得することを目標としたコースです。このコースを受講することによって、コンピュータ上で部品設計から組立・検証することができる(DX)ようになり、新たな製品の開発にかかる設計時間の短縮やコスト低減といった効果が得られます。
 ※CADとは「Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)」の略であり、人の手で行われていた設計作業をコンピュータの利用により効率的に行うための支援ツールです。
 ※アセンブリとは、組立て作業のことをさす呼称です。
 
(2)Webを活用した生産支援システム構築技術
 生産現場における生産活動全般の効率化を目ざして、Webを活用した生産支援システム構築技術を習得することを目標としたコースです。このコースを受講することによって、生産計画や製造指示、作業実績などの各種データを有効活用するためのシステム開発ができる(DX)ようになり、作業の無駄などを見える化し削減する効果が得られます。
 
(3)BIMを用いた建築生産設計技術
 施工計画/施工管理の生産性向上を目ざして、生産計画・設計と生産管理に関する技術を習得することを目標としたコースです。このコースを受講することによって、建物の情報を3次元でモデル化することができる(DX)ようになり、設計・施工・維持管理の各工程の作業効率化などの効果が得られます。
 ※BIMとは「Building Information Modeling」の略であり、コンピュータ上に作成した、おもに3次元の形状情報に加え、室などの名称や面積・材料・部材の仕様や性能、仕上げなどの建物の属性情報をあわせ持つ建築情報モデル(BIMモデル)を構築するツールです。
 

DX対応コース受講企業の声

 DXに対応した在職者訓練コースを受講していただいた企業の担当者の方の声をご紹介します。
 

株式会社共立(広島県広島市)

 受講していただいたコース:BIMを用いた建築生産設計技術

 株式会社共立は、建築・土木工事の施工、企画、設計、監理および土地造成、販売ならびに土地建物の賃貸、販売、環境改良事業など、幅広い分野で活動しています。当社では、働き方改革や業務の効率化にも取り組んでおり、デジタル技術を積極的に取り入れ、業務のDXにチャレンジしています。
 当社ではこれまで施工用BIMソフトを導入していましたが、新たに意匠図にもBIMを導入して複雑な施工図にも対応することから、BIMの活用に関する知識や技能を習得するため、従業員に受講してもらいました。
 受講した従業員からは、「訓練で学んだBIM操作が図面作成・編集に役立っている」、「訓練を受講したことにより、BIMモデル作成のスキルアップが図れた」といった声が寄せられました。
 今後も在職者訓練を活用し、DXに取り組んでいきたいと思います。
 
 

お問合せ先

 詳細については、最寄りの施設へお問合せください。
 全国各地のポリテクセンター
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 URL:https://www.jeed.go.jp/location/college/2.html