特集(メールマガジン第138号)
【障】「障害者雇用職場改善好事例」のご紹介
当機構(JEED)では、障害者の雇用および職場定着を進めるため、雇用管理や職場環境の整備などで事業所が行ったさまざまな改善や工夫を、ほかの事業所のモデルとなる「障害者雇用職場改善好事例」として隔年で募集しています。
本年度は「加齢に伴う体力・能力等の変化や、就労継続に伴い生じる本人の意向と業務のミスマッチ等の諸課題について事業所が配慮・工夫し、障害者が安心して、やりがいをもって働けるように取り組んだ職場改善好事例」をテーマに募集したところ、全国の事業主のみなさまから多数のご応募をいただき、厳正な審査の結果、10事業所が入賞しました。
令和6年度障害者雇用職場改善好事例 入賞事業所
厚生労働大臣賞
株式会社新陽ランドリー(宮城県)
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞優秀賞
ポラスシェアード株式会社(埼玉県)
東京都チャレンジドプラスTOPPAN株式会社(東京都)
株式会社王将ハートフル(京都府)
日本フネン株式会社(徳島県)
ホンダ太陽株式会社(大分県)
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞奨励賞
株式会社テルベ(北海道)
株式会社ダイユーエイト(福島県)
エプソンミズベ株式会社(長野県)
荒川工業株式会社(愛知県)
掲載事例のご紹介
過去の応募事例は、特に優れたものを取組み別・障害別にとりまとめた「ケースブック」として発行し、JEEDホームページにも掲載しています。
障害者を支援するサポーターの育成/有限会社西部産業(岩手県)
支援人材の育成/知的障害
◆取組みの背景
雇用する障害者が増加することによりさまざまな課題が生じ、特に精神障害のある社員の雇用管理上の課題が発生していた。
◆取組み
①セクションサポーター等の配置
障害者雇用の各段階(採用前の実習⇒採用⇒受入れ準備⇒職場定着)において、セクションサポーターを選任し、着実な職場定着につなげた。
<各セクションサポーターの役割>
セクションサポーター |
役割 |
関わる段階 |
作業サポーター |
作業手順等を障害特性に合わせて指導 |
実習、採用、受入れ準備 |
作業補佐サポーター |
作業以外の社内での基本ルール、マナーを指導 |
実習、採用、受入れ準備 |
生活サポーター |
グループホームでの生活指導を担当 |
全段階 |
行政サポーター |
各種手続(市町村・家族・医療機関・関係機関等)を担当 |
全段階(対象者の支援内容や状況によって異なる) |
②障がい者サポーターの育成
サポーター等の経験を通して、障害のある社員のなかからほかの社員の指導育成をになうリーダーとその候補となるサブリーダーを配置した。現時点で、リーダー2名、サブリーダー2名が活躍。
◆取組み後の効果
①採用前から職場や生活面での細やかな指導をすることにより、障害者の理解レベル、職場環境への適応力が上がるだけでなく、指導するサポーター自身も課題を再発見したり、それまでよりも視野を広くもって業務にあたったりすることができるようになった。この取組みは、いわゆるメンター制度に近い取組みであることから、長期的な人材育成への社員の意識の向上、愛社精神・社内理解が高まったように感じられる。
②サポーターとは異なり、社内全体としてのリーダー、サブリーダーを設定したことにより、任命された障害のあるリーダーのモチベーションが高まり、自身が指導的役割をになう意識と責任感だけでなくコミュニケーションスキルも向上した。また、それ以外の障害のある社員からは、リーダーを「目ざすべきもの」とする意識が芽生えた社員もおり、業務へのモチベーションの向上との相乗効果による好循環ができてきた。
障害者雇用職場改善好事例へご応募いただいた事業所のみなさま、取材にご協力いただいた事業所のみなさまにあらためて御礼申し上げます。
また、令和6年度障害者雇用職場改善好事例につきましても、ケースブックを今後発行する予定ですので、ぜひご活用ください。
過去の職場改善好事例のご紹介
◆お問合せ先◆
障害者雇用開発推進部 雇用開発課(TEL:043-297-9514)