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特集(メールマガジン第95号)

【求】事業主向け人材育成支援の取組み(ミドルシニアコース)

 人手不足の深刻化や技術革新が進展するなか、中小企業などが事業展開を図るためには、従業員を育成し、企業の労働生産性を高めていくことが必要です。さらに、70歳までの就業機会の確保に向けて、企業を支えるミドルシニア世代の「役割の変化へ対応できる能力」や「技能・ノウハウを継承する能力」を育成することが重要です。
 生産性向上人材育成支援センターでは、生産性向上支援訓練の新たなメニューとして、令和2年度から「ミドルシニアコース」を開始し、中高年齢層の従業員の“生涯キャリア形成”を支援しています。

ミドルシニアコースの概要

(1)受講対象者
 45歳以上の従業員の方
 (注)所属する企業からの受講指示を受けた方にかぎります。
(2)訓練実施場所
 ご要望にあわせて、受講対象者の所属する企業の会議室などを会場とすることが可能です(企業に講師を派遣します)。
(3)訓練日数
 概ね1~5日(6時間から30時間)で実施します。
(4)訓練コース
 ミドルシニアコースでは、企業の定年延長や継続雇用などにおける課題の解決に効果的なカリキュラムとして、「役割の変化に対応したコース」、「技能・ノウハウ継承に向けたコース」を用意しています。
(5)受講料
 訓練時間数に応じて、受講者1人あたり3,300円~6,600円(税込)です。
(6)訓練の実施
 専門的な知見やノウハウを有し、訓練の適切な実施が可能な民間機関などに委託して実施します。

訓練受講までの流れ

(1)課題や方策の整理
 担当者が企業を訪問し、人材育成に関する課題や方策を整理します。

(2)訓練コースのコーディネート
 相談内容をふまえて、例えば以下のように、課題やニーズに応じた訓練コースを提案します。
課題やニーズ 訓練コース
・ミドルシニア世代の従業員に、今後のキャリアについて考えさせたい
・ミドルシニア世代の従業員に、組織の中で求められている役割を理解させたい
・従業員の経験を活かした後輩従業員への指導方法を学ばせたい
<役割の変更に対応したコース>
・中堅、ベテラン従業員のためのキャリア形成
・後輩指導力の向上と中堅、ベテラン従業員の役割
・SNSを活用した相談、助言、指導
・フォロワーシップによる組織力の向上 など
・ミドルシニア世代の従業員が持つ技術やノウハウを見える化したい
・技術継承の指導者の「教える」スキルを向上させたい
・ミドルシニア世代の従業員を講師として、研修や勉強会を開催したい
<技能・ノウハウ継承に向けたコース>
・クラウドを活用したノウハウの蓄積と共有
・作業手順の作成によるノウハウの継承
・効果的なOJTを実施するための指導法
・ノウハウの継承のための研修講師の育成 など

(3)訓練受講
 所定の期日までに受講料の支払いなどの手続きを行い、訓練を受講してください。
(注)予算にかぎりがありますので、ご希望に添えない場合があります。
(注)相談内容によっては、他の企業に所属する従業員の方と合同で訓練を受講するコースのご提案をさせていただく場合があります。

ミドルシニアコース利用者の声のご紹介

 日鋼設計株式会社
 所在地: 広島県広島市
 利用コース:「職業能力の整理とノウハウの継承」、「後輩指導力の向上と中堅・ベテラン従業員の役割」、「職業能力の体系化と人材育成の進め方」
 実施時期 :令和2年11月


 日鋼設計株式会社は、プラスチック総合メーカーである株式会社日本製鋼所広島製作所の主力製品である造粒機、押出機、射出機の出荷設計を機械、電装、電子技術の分野で行っている企業です。
 これまでも、能力開発セミナー(機械設計、電気・電子・制御系コース)を若手社員の方を中心に受講していただきましたが、今回、社内の技能伝承に取り組まれているとのことでミドルシニアコースをご提案し、受講していただくこととなりました。

利用事業主の声

 職場全体として知識の共有、レベルアップを主眼に置いたベテラン社員からの技術伝承の重要性を感じており、業務のOJTに取り組んできましたがその方法が明確でなく効果は限定的なものでした。
 今回、生産性向上支援訓練の生涯キャリア形成分野(ミドルシニアコース)をご案内いただき、職業能力の整理、人材育成の進め方、OJT実施方法に興味を持ち、受講させていただくこととしました。
 訓練開催前に会場、時間帯、進め方など要望を聞いていただけたことで受講しやすく、30名程度のまとまった人数で受講できたことがよかったと思います。また、社内全部門から社員が受講したので、日ごろ交流できていない他部門の受講者と技術伝承の情報共有ができ、受講者相互のよい刺激となりました。今後は訓練で身につけたことを継続、定着させるとともに部門間の情報交換を行っていきます。

訓練受講者の声

 以前より技術伝承を行ってきましたが、どんな視点からどのように伝承すべきか整理できておらず、うまく伝えることができていませんでした。今回の訓練を通し、仕事や経験が見える化されて、継承すべき具体的項目とポイントが明らかになり、後輩に何を教育していけばよいかが見えてきました。また、後輩との接し方、コミュニケーションの取り方についても学べ、受講後のOJT実習において後輩の指導に役立ちました。その結果、後輩から質問される機会も増え、相互理解が図れるようになり、課内の活性化につながったと感じています。訓練で習得したことを継続するとともに、さらに広い範囲で技術伝承につなげていきたいと思います。

お申込み・お問合せ先

最寄りの生産性向上人材育成支援センターにお問い合わせください。
(生産性向上人材育成支援センターのご案内)
https://www.jeed.go.jp/js/jigyonushi/seisansei/html5.html#page=1別ウィンド